実数空間の完備部分集合
実数空間Rの非空な部分集合Aの要素を項として持つ任意のコーシー列の極限がAの要素になる場合、Aを完備な部分集合と呼びます。実数空間の部分集合が完備であることと、その集合が閉集合であることは必要十分です。
実数空間における区間と連結集合の関係
実数空間にユークリッド距離を導入した場合、実数空間の部分集合が区間であることと、その集合が連結集合であることは必要十分です。したがって、区間でないことと非連結集合であることも必要十分です。
実数空間における連結集合・非連結集合
実数空間の部分集合の切断が存在する場合、その集合を非連結集合と呼びます。また、非連結集合ではない集合を連結集合と呼びます。
実数空間における集合の切断
実数空間の部分集合Xが与えられたとき、開集合A,Bとの交わりをとることによりXを互いに素な2つの非空な集合に分割できる場合、これらの開集合A,BをXの切断と呼びます。
実数空間において分離している2つの集合
実数空間の2つの部分集合が互いに素であるとともに、どちらも相手の集積点を要素として持たない場合、それらの集合は分離していると言います。分離の概念は触点や開集合を用いて表現することもできます。
可分空間としての実数空間
ユークリッド距離を導入した実数空間は可分空間です。つまり、実数空間は可算集合であるような部分稠密部分集合を持ちます。
リンデレーフ空間としての実数空間(リンデレーフの被覆定理)
実数空間上の集合の開被覆を任意に選んだとき、その可算部分被覆が存在することが保証されます。これをリンデレーフの被覆定理と呼びます。
実数空間における稠密集合
実数空間Rの部分集合Xが与えられたとき、さらにその部分集合Aの閉包がXを部分集合として含む場合には、AをXの稠密部分集合と呼びます。特に、Rの部分集合AがRの稠密部分集合であることとは、Aの閉包がRと一致することを意味します。
カントールの縮小区間定理の一般化
カントールの縮小区間定理は入れ子構造の閉区間列に関する命題ですが、同様の主張が入れ子構造のコンパクト集合列に関して成り立ちます。つまり、入れ子構造のコンパクト集合列の共通部分は非空になることが保証されます。
集積点の存在条件と実数の連続性
集積点の存在条件(有界な無限集合は集積点を持つという命題)はボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理と必要十分です。したがって、集積点の存在条件とアルキメデスの性質によって、実数の連続性の定義とすることができます。
数列を用いた開集合・閉集合の判定
実数空間 R の部分集合 A が閉集合であることの意味を数列を用いて表現することもでき、こちらの定義を採用した方が閉集合であることを容易に判定できる場合があります。
実数空間における基本開集合系(開基)と第2可算公理
実数空間において、開集合系の部分集合族が存在し、任意の開集合がその部分集合族に属する開集合の和集合として表現できる場合、その部分集合族を開基と呼びます。また、可算集合であるような開基が存在する場合、第2可算公理が成り立つと言います。