WIIS

不完全競争市場の理論

企業数の変化がクールノー競争に与える影響(n企業クールノー競争)

目次

Twitter
Mailで保存

クールノー均衡における社会的余剰

同質財が2つの企業によって供給される複占市場において企業どうしが数量競争を行う状況をクールノー競争と呼ばれるモデルとして定式化しました。特に、市場の逆需要曲線および企業の費用関数が線型であるような線型モデルにおいてクールノー競争が行われる状況を完備情報の静学ゲームとして定式化するとともに、そこでのナッシュ均衡を求めました。簡単に復習します。

市場の逆需要関数\(p:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)はそれぞれの\(q\geq 0\)に対して、\begin{equation*}p\left( q\right) =\left\{
\begin{array}{cl}
a-bq & \left( if\ 0\leq q\leq \frac{a}{b}\right) \\
0 & \left( if\ q>\frac{a}{b}\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるとともに、企業\(i\ \left( =1,2\right) \)の費用関数\(c_{i}:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)はそれぞれの\(q_{i}\geq 0\)に対して、\begin{equation*}c_{i}\left( q_{i}\right) =cq_{i}
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(a,b,c>0\)かつ\(a>c\)です。生産量の組\(\left(q_{1},q_{2}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\)のもとで企業\(1\)が得る利潤は、\begin{eqnarray*}p\left( q_{1}+q_{2}\right) \cdot q_{1}-c_{1}\left( q_{1}\right) &=&\left[
a-b\left( q_{1}+q_{2}\right) \right] q_{1}-cq_{1} \\
&=&\left[ a-b\left( q_{1}+q_{2}\right) -c\right] \cdot q_{1}
\end{eqnarray*}であるため、企業\(1\)が解くべき最大化問題は、それぞれの\(q_{2}\)に対して、\begin{equation*}\max_{q_{1}\geq 0}\ \left[ a-b\left( q_{1}+q_{2}\right) -c\right] \cdot q_{1}
\end{equation*}となります。同様に、企業\(2\)が解くべき最大化問題は、それぞれの\(q_{1}\)に対して、\begin{equation*}\max_{q_{2}\geq 0}\ \left[ a-b\left( q_{1}+q_{2}\right) -c\right] \cdot q_{2}
\end{equation*}となります。

クールノー競争は以下のような戦略型ゲーム\(G\)として定式化されます。まず、ゲーム\(G\)のプレイヤー集合は、\begin{equation*}I=\left\{ 1,2\right\}
\end{equation*}です。ただし、\(i\in I\)は企業\(i\)を表します。また、企業\(i\)の純粋戦略集合は、\begin{equation*}\mathbb{R} _{+}\end{equation*}です。つまり、それぞれの企業\(i\)は商品の供給量として任意の非負の実数\(q_{i}\geq 0\)を選択できます。企業が得る利潤を利得と同一視するのであれば、プレイヤー\(i\)の利得関数\(u_{i}:\mathbb{R} _{+}^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)が両企業による純粋戦略からなるそれぞれの組\(\left( q_{1},q_{2}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\)に対して定める値は、\begin{eqnarray*}u_{1}\left( q_{1},q_{2}\right) &=&\left[ a-b\left( q_{1}+q_{2}\right) -c\right] \cdot q_{1} \\
u_{2}\left( q_{1},q_{2}\right) &=&\left[ a-b\left( q_{1}+q_{2}\right) -c\right] \cdot q_{2}
\end{eqnarray*}となります。このゲーム\(G\)には狭義の純粋戦略ナッシュ均衡\(\left(q_{1}^{\ast },q_{2}^{\ast }\right) \)が存在し、それは、\begin{equation*}q_{1}^{\ast }=q_{2}^{\ast }=\frac{a-c}{3b}>0
\end{equation*}を満たします。これをクールノー均衡と呼びます。

加えて、このゲーム\(G\)は純粋戦略によって狭義支配される戦略の逐次消去によって解けることができるとともに、その解はクールノー均衡\(\left( q_{1}^{\ast},q_{2}^{\ast }\right) \)と一致します。したがって、プレイヤーたちの合理性が共有知識である場合、両企業がクールノー均衡\(\left( q_{1}^{\ast },q_{2}^{\ast }\right) \)を実際にプレーすることが理論的に予測されます。

さらに、同様の市場において完全競争が行われる場合の完全競争均衡や、複占企業がクールノー競争を行う代わりに生産量に関するカルテルを結んだ場合の均衡について、そこでの均衡価格や供給量、社会的余剰(死荷重)などを明らかにし、それらを比較しました。結果をまとめたものが以下の表です。ただし、完全競争均衡における各企業の生産量\(\frac{a-c}{bn}\)に含まれる\(n\)は企業数を表しています。また、カルテルにおける各企業の生産量は、カルテルにとっての最適生産量\(\frac{a-c}{2b}\)を二等分することを前提とした値になっています。

$$\begin{array}{ccccc}
\hline
& 各企業の供給量 & 市場の総供給量 & 均衡価格
& 総余剰 \\ \hline
完全競争 & \frac{a-c}{bn} & \frac{a-c}{b} & c & \frac{\left( a-c\right) ^{2}}{2b} \\ \hline
クールノー均衡 & \frac{a-c}{3b} & \frac{2\left( a-c\right) }{3b} & \frac{a+2c}{3} & \frac{4\left(a-c\right) ^{2}}{9b} \\ \hline
カルテル & \frac{a-c}{4b} & \frac{a-c}{2b} & \frac{a+c}{2} & \frac{3\left( a-c\right) ^{2}}{8b} \\ \hline
\end{array}$$

これまで考えてきたクールノー競争では複占市場、すなわち2つの企業が競争する状況を想定してきましたが、2社よりも多い企業がクールノー競争を行う場合にもクールノー均衡は存在するのでしょうか。また、クールノー均衡が存在する場合、企業数が増えるにつれて均衡価格や供給量、社会的余剰(死荷重)などはどのように変化するのでしょうか。このような疑問に答えるために、企業数を\(n\)と一般化したクールノー競争をモデル化した上で、そこでのクールノー均衡を明らかにします。\(n\)社の企業がプレイヤーとして参加するクールノー競争を\(n\)企業クールノー競争(\(n\)-firms Cournot competition)と呼びます。これまで考えてきた複占市場におけるクールノー競争は\(n\)企業クールノー競争の特別なケース(\(n=2\))です。

\(n\)企業クールノー競争を表す戦略型ゲーム\(G\)のプレイヤー集合は、\begin{equation*}I=\left\{ 1,\cdots ,n\right\}
\end{equation*}であり、それぞれの企業\(i\in I\)の純粋戦略集合を、\begin{equation*}\mathbb{R} _{+}\end{equation*}と定めます。つまり、これまでと同様、それぞれの企業\(i\)は商品の供給量として任意の非負の実数\(q_{i}\geq 0\)を選択できます。すべてのプレイヤーによる純粋戦略の組、すなわち供給量の組を、\begin{equation*}q_{I}=\left( q_{i}\right) _{i\in I}
\end{equation*}で表記します。また、企業\(i\)以外の\(n-1\)個の企業による生産量の組を、\begin{equation*}q_{-i}=\left( q_{j}\right) _{j\in I\backslash \{i\}}
\end{equation*}で表記します。\(q_{I}=\left(q_{i},q_{-i}\right) \)です。すべての企業が選択した供給量からなる組が\(q_{I}\in \mathbb{R} _{+}^{n}\)であるとき、市場への商品の総供給量は、\begin{equation*}\sum_{j=1}^{n}q_{j}=q_{1}+\cdots +q_{n}
\end{equation*}となるため、商品の市場価格は、\begin{equation*}
p\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}\right) =a-b\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}\right)
\end{equation*}で均衡します。したがって、供給量の組\(q_{I}\)のもとで企業\(i\)は収入\begin{equation*}p\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}\right) \cdot q_{i}=\left[ a-b\left(
\sum_{j=1}^{n}q_{j}\right) \right] \cdot q_{i}
\end{equation*}を得ます。その一方で、商品を\(q_{i}\)だけ供給するために企業\(i\)が負担すべき費用は、\begin{equation*}c_{i}\left( q_{i}\right) =cq_{i}
\end{equation*}であるため、企業\(i\)の利得関数\(u_{i}:\mathbb{R} _{+}^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(q_{I}\in \mathbb{R} _{+}^{n}\)に対して定める値、すなわち\(q_{I}\)のもとで企業\(i\)が得る利潤は、\begin{align*}u_{i}\left( q_{i},q_{-i}\right) & =\left[ a-b\left(
\sum_{j=1}^{n}q_{j}\right) \right] \cdot q_{i}-cq_{i} \\
& =\left[ a-b\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}\right) -c\right] \cdot q_{i}
\end{align*}となります。ただし、\(a,b,c>0\)はいずれも定数であり、\(a>c\)が成り立つものとします。

 

n企業クールノー競争におけるナッシュ均衡

\(n\)企業クールノー競争には以下のような純粋戦略ナッシュ均衡、すなわちクールノー均衡が存在します。

命題(n企業クールノー均衡)
戦略型ゲーム\(G\)のプレイヤー集合は\(I=\left\{ 1,\cdots,n\right\} \)であり、それぞれのプレイヤー\(i\in I\)の純粋戦略集合は\(\mathbb{R} _{+}\)であり、利得関数\(u_{i}:\mathbb{R} _{+}^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれ\(q_{I}\in \mathbb{R} _{+}^{n}\)に対して、\begin{equation*}u_{i}\left( q_{i},q_{-i}\right) =\left[ a-b\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}\right)
-c\right] \cdot q_{i}
\end{equation*}を定めるものとする。ただし、\(a,b,c>0\)かつ\(a>c\)である。このゲーム\(G\)には狭義の純粋戦略ナッシュ均衡\(q_{I}^{\ast }\in \mathbb{R} _{+}^{n}\)が存在し、それは、\begin{equation*}\forall i\in I:q_{i}^{\ast }=\frac{a-c}{\left( n+1\right) b}
\end{equation*}を満たす。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

 

n企業クールノー均衡の効率性

\(n\)企業クールノー均衡がもたらす結果はどの程度効率的なのでしょうか。効率性の尺度として社会的余剰を採用します。先に求めたように、クールノー均衡\(q_{I}^{\ast }\)は、\begin{equation}\forall i\in I:q_{i}^{\ast }=\frac{a-c}{\left( n+1\right) b} \quad \cdots (1)
\end{equation}です。クールノー均衡において、問題としている商品の均衡価格は、\begin{eqnarray*}
p\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}^{\ast }\right) &=&a-b\left(
\sum_{j=1}^{n}q_{j}^{\ast }\right) \quad \because \text{逆需要関数}p\text{の定義} \\
&=&a-b\cdot \frac{n\left( a-c\right) }{\left( n+1\right) b}\quad \because
\left( 1\right) \\
&=&\frac{a+nc}{n+1}
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation}
p\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}^{\ast }\right) =\frac{a+nc}{n+1} \quad \cdots (2)
\end{equation}となります。均衡価格とすべての企業が共有する限界費用\(c\)を比較すると、\begin{eqnarray*}p\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}^{\ast }\right) -c &=&\frac{a+nc}{n+1}-c\quad
\because \left( 2\right) \\
&=&\frac{a-c}{n+1} \\
&>&0\quad \because a>c
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation}
p\left( \sum_{j=1}^{n}q_{j}^{\ast }\right) >c \quad \cdots (3)
\end{equation}を得ます。つまり、\(n\)企業クールノー均衡における商品の市場均衡価格は企業の限界費用を上回ります。これは何を意味するのでしょうか。

一般に、市場において完全競争が行われる場合には均衡において商品の価格と企業の限界費用と一致するとともに、その均衡において社会的余剰が最大化されます。一方、\(n\)企業クールノー競争は完全競争市場ではなく寡占市場を想定しているため、\(n\)社の間で競争が行われはするものの、結局、均衡において商品の価格は限界費用までは下がらず、したがって社会的余剰は最大化されません。以上が\(\left( 3\right) \)の定性的な解釈ですが、この解釈が妥当であることを定量的に確認するために、まずは、\(n\)企業クールノー均衡において達成される社会的余剰を計算します。

命題(n企業クールノー均衡における社会的余剰)
市場の逆需要関数\(p:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)はそれぞれの\(q\geq 0\)に対して、\begin{equation*}p\left( q\right) =a-bq\geq 0
\end{equation*}を定めるとともに、それぞれの企業\(i\in I=\left\{1,\cdots ,n\right\} \)の費用関数\(c_{i}:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)はそれぞれの\(q_{i}\in \mathbb{R} _{+}\)に対して、\begin{equation*}c_{i}\left( q_{i}\right) =cq_{i}
\end{equation*}を定めるものとする。ただし、\(a,b,c>0\)かつ\(a>c\)である。以上の市場においてクールノー競争が行われる場合、クールノー均衡において、\begin{eqnarray*}PS &=&\frac{n\left( a-c\right) ^{2}}{\left( n+1\right) ^{2}b} \\
CS &=&\frac{n^{2}\left( a-c\right) ^{2}}{2\left( n+1\right) ^{2}b} \\
TS &=&\frac{\left( 2n+n^{2}\right) \left( a-c\right) ^{2}}{2\left(
n+1\right) ^{2}b}
\end{eqnarray*}となる。ただし、PSは生産者余剰、CSは消費者余剰、TSは総余剰(社会的余剰)である。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

 

企業数に関する比較静学

\(n\)企業クールノー市場において達成される社会的余剰および死荷重が明らかになりました。得られた結果を先の表に加えると以下が得られます。

$$\begin{array}{ccccc}
\hline
& 各企業の供給量 & 市場の総供給量 & 均衡価格 & 総余剰 \\ \hline
完全競争 & \frac{a-c}{bn} & \frac{a-c}{b} & c & \frac{\left( a-c\right) ^{2}}{2b} \\ \hline
クールノー均衡(2企業) & \frac{a-c}{3b} & \frac{2\left( a-c\right) }{3b} & \frac{a+2c}{3} & \frac{4\left( a-c\right) ^{2}}{9b} \\ \hline
クールノー均衡(n企業) & \frac{a-c}{\left( n+1\right) b} & \frac{n\left(a-c\right) }{\left( n+1\right) b} & \frac{a+nc}{n+1} & \frac{n\left(2+n\right) \left( a-c\right) ^{2}}{2\left( n+1\right) ^{2}b} \\ \hline
カルテル & \frac{a-c}{4b} & \frac{a-c}{2b} & \frac{a+c}{2} & \frac{3\left( a-c\right) ^{2}}{8b} \\ \hline
\end{array}$$

上の表から確認できるように、\(n\)企業クールノー競争の結果において\(n=2\)とおけば、それはそのまま複占市場におけるクールノー競争の結果と一致します。したがって、\(n\)企業間のクールノー競争は複占市場におけるクールノー競争の一般化になっています。また、\(n=1\)とおけばそれはカルテル(独占均衡)の結果と一致するため、\(n\)企業クールノー競争はカルテルの一般化にもなっています。では、\(n\)企業クールノー競争と完全競争均衡の間にはどのような関係が成り立つでしょうか。

\(n\)企業クールノー均衡における市場の供給量の\(n\rightarrow +\infty \)の場合の極限をとると、\begin{eqnarray*}\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{n\left( a-c\right) }{\left( n+1\right) b}
&=&\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{\left( a-c\right) }{\left( 1+\frac{1}{n}\right) b} \\
&=&\frac{\left( a-c\right) }{\left( 1+0\right) b} \\
&=&\frac{a-c}{b}
\end{eqnarray*}となり、この極限は完全競争均衡における市場の供給量と一致します。均衡価格については、\begin{eqnarray*}
\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{a+nc}{n+1} &=&\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{\frac{a}{n}+c}{1+\frac{1}{n}} \\
&=&\frac{0+c}{1+0} \\
&=&c
\end{eqnarray*}となり、この極限は完全競争均衡における市場価格と一致します。総余剰については、\begin{eqnarray*}
\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{n\left( 2+n\right) \left( a-c\right) ^{2}}{2\left( n+1\right) ^{2}b} &=&\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{\left(
n^{2}+2n\right) \left( a-c\right) ^{2}}{\left( 2n^{2}+4n+2\right) b} \\
&=&\lim_{n\rightarrow +\infty }\frac{\left( 1+\frac{2}{n}\right) \left(
a-c\right) ^{2}}{\left( 2+\frac{4}{n}+\frac{2}{n^{2}}\right) b} \\
&=&\frac{\left( 1+0\right) \left( a-c\right) ^{2}}{\left( 2+0+0\right) b} \\
&=&\frac{\left( a-c\right) ^{2}}{2b}
\end{eqnarray*}となり、この極限は完全競争均衡における総余剰と一致します。以上より、クールノー競争が行われる市場において企業数が限りなく増えると競争が激化し、最終的にクールノー均衡は完全競争均衡へ限りなく近づくことが明らかになりました。

企業数\(n\)が増加するとクールノー均衡はどのように激化していくのでしょうか。そのことを確認するために、横軸に企業数\(n\)、縦軸に\(n\)企業クールノー均衡における均衡価格\(\frac{a+nc}{n+1}\)をとった上でグラフを描きます。ただし、グラフを描くためには\(a\)(市場供給が\(0\)のときの商品価格)と\(c\)(すべての企業に共通する限界費用)を特定する必要があります。

図:クールノー均衡の変化
図:クールノー均衡の変化

モデルの条件である\(a>0\)かつ\(c>0\)かつ\(a>c\)を満たす範囲で\(\left( a,c\right) \)の組み合わせを何通りか選び、それぞれの場合についてグラフを描きました。赤いグラフは\(\left( a,c\right) =\left( 2,1\right) \)の場合、青いグラフは\(\left( a,c\right)=\left( 3,1\right) \)の場合、緑のグラフは\(\left( a,c\right) =\left( 4,1\right) \)の場合にそれぞれ対応しています。

グラフから確認できるように、いずれの場合も、企業数の増加とともにクールノー均衡価格が徐々に下落しながら完全競争価格へ近づいていきます。これは、後ほど考えるベルトラン競争とは対照的な結果です(ベルトラン競争では企業数が\(1\)から\(2\)へ変化すると均衡価格が限界費用の水準まで急激に下落する)。

関連知識

Twitter
Mailで保存

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです

会員登録

有料のプレミアム会員であれば、質問やコメントの投稿と閲覧、プレミアムコンテンツ(命題の証明や演習問題とその解答)へのアクセスなどが可能になります。

ワイズのユーザーは年齢・性別・学歴・社会的立場などとは関係なく「学ぶ人」として対等であり、お互いを人格として尊重することが求められます。ユーザーが快適かつ安心して「学ぶ」ことに集中できる環境を整備するため、広告やスパム投稿、他のユーザーを貶めたり威圧する発言、学んでいる内容とは関係のない不毛な議論などはブロックすることになっています。詳細はガイドラインをご覧ください。

誤字脱字、リンク切れ、内容の誤りを発見した場合にはコメントに投稿するのではなく、以下のフォームからご連絡をお願い致します。

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録