問題1(20点)
問題(戦略型ゲーム)
以下のそれぞれの主張の正誤を判定してください。根拠を説明する必要はありません。(各5点)
- 戦略型ゲーム\(G\)においてプレイヤーの人数とそれぞれのプレイヤーに与えられた純粋戦略の個数がいずれも有限である場合には、\(G\)には純粋戦略ナッシュ均衡が存在する。
- 戦略型ゲーム\(G\)の混合拡張\(G^{\ast }\)に混合戦略ナッシュ均衡\(\sigma _{I}^{\ast }\)が存在する状況において、プレイヤー\(i\in I\)が均衡戦略\(\sigma _{i}^{\ast }\)のもとで異なる2つの純粋戦略\(s_{i},s_{i}^{\prime }\)に正の確率を付与するものとする。つまり、\(\sigma _{i}^{\ast }\left(s_{i}\right) >0\)かつ\(\sigma _{i}^{\ast }\left( s_{i}^{\prime}\right) >0\)である。他のプレイヤーたちが均衡戦略\(\sigma _{-i}^{\ast }\)にしたがうことを前提とした場合、\(s_{i}\)のもとでプレイヤー\(i\)が直面する期待利得と\(s_{i}^{\prime }\)のもとでプレイヤー\(i\)が直面する均衡利得は一致する。すなわち、\begin{equation*}F_{i}\left( s_{i},\sigma _{-i}^{\ast }\right) =F_{i}\left( s_{i}^{\prime},\sigma _{-i}^{\ast }\right)
\end{equation*}が成り立つ。 - 戦略型ゲーム\(G\)が2人ゲームである場合、プレイヤー\(1\)の純粋戦略\(s_{1}\in S_{1}\)を任意に選んだとき、それに対するプレイヤー\(2\)の最適反応は必ず存在する。
- 戦略型ゲーム\(G\)においてプレイヤー\(i\)の純粋戦略\(s_{i}\)が自身の他の純粋戦略によって狭義支配されないならば、\(s_{i}\)は自身の混合戦略によっても狭義支配されない。
問題2(25点)
問題(ナッシュ均衡)
以下の利得行列によって表現される戦略型ゲーム\(G\)が与えられているものとします。
$$\begin{array}{|c|c|c|}
\hline
1\diagdown 2 & L & R \\ \hline
U & 4,4 & 0,2 \\ \hline
M & 2,0 & 2,2 \\ \hline
D & 3,0 & 1,0 \\ \hline
\end{array}$$
以下の問いに答えてください。
- 純粋戦略ナッシュ均衡を求めてください。(10点)
- 混合戦略ナッシュ均衡の中でも、双方のプレイヤーが自身のすべての純粋戦略に対して正の確率を付与するものを特定してください。(15点)
問題3(25点)
問題(共同プロジェクトにおける努力水準)
2人のプレイヤーが共同プロジェクトに取り組む状況を想定します。戦略型ゲーム\(G\)のプレイヤー集合は、\begin{equation*}I=\left\{ 1,2\right\}
\end{equation*}です。プレイヤーたちの純粋戦略はプロジェクトに投入する努力水準であり、純粋戦略集合は、\begin{equation*}
S_{1}=S_{2}=\mathbb{R} _{+}
\end{equation*}であるものとします。プレイヤー\(1\)の純粋戦略を\(x\in \mathbb{R} _{+}\)で表記し、プレイヤー\(2\)の純粋戦略を\(y\in \mathbb{R} _{+}\)で表記します。プレイヤーたちの利得関数は、\begin{eqnarray*}u_{1}\left( x,y\right) &=&\left( x+y+xy\right) -2x^{2} \\
u_{2}\left( x,y\right) &=&v\left( x+y+xy\right) -2y^{2}
\end{eqnarray*}であるものとします。ただし、\(v\in \mathbb{R} \)は\(0\leq v\leq 2\)を満たす定数です。以下の問いに答えてください。
\end{equation*}です。プレイヤーたちの純粋戦略はプロジェクトに投入する努力水準であり、純粋戦略集合は、\begin{equation*}
S_{1}=S_{2}=\mathbb{R} _{+}
\end{equation*}であるものとします。プレイヤー\(1\)の純粋戦略を\(x\in \mathbb{R} _{+}\)で表記し、プレイヤー\(2\)の純粋戦略を\(y\in \mathbb{R} _{+}\)で表記します。プレイヤーたちの利得関数は、\begin{eqnarray*}u_{1}\left( x,y\right) &=&\left( x+y+xy\right) -2x^{2} \\
u_{2}\left( x,y\right) &=&v\left( x+y+xy\right) -2y^{2}
\end{eqnarray*}であるものとします。ただし、\(v\in \mathbb{R} \)は\(0\leq v\leq 2\)を満たす定数です。以下の問いに答えてください。
- 純粋戦略ナッシュ均衡を特定してください。(10点)
- 2人が得る利得の合計を最大化する純粋戦略の組を特定してください。(15点)
問題4(30点)
問題(ナッシュの要求ゲーム)
大きさ\(100\)のケーキを2人のプレイヤーに配分しようとしています。それぞれのプレイヤーは自身の分け前を同時に主張します。申告できる値は\(0\)以上\(100\)以下の任意の実数です。2人の申告値の合計が\(100\)以下の場合には、それぞれのプレイヤーは自身の申告値と一致する量を入手します。2人の申告値の合計が\(100\)より大きく、なおかつ2人の申告値が異なる場合には、より小さい値を申告したプレイヤーが自身の申告値\(x\)に等しい量を入手する一方で、もう一方のプレイヤーは\(100-x\)を得ます。2人の申告値の合計が\(100\)より大きく、なおかつ2人の申告値が一致する場合には、2人はともに\(50\)を得ます。以下の問いに答えてください。(各10点)
- 2人が直面する状況を戦略型ゲーム\(G\)として定式化してください。
- \(\left( 50,50\right) \)が純粋戦略ナッシュ均衡であることを示してください。
- \(\left( 50,50\right) \)の他に純粋戦略ナッシュ均衡は存在するでしょうか。議論してください。
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