この章では消費集合について学びました。演習問題を通じて理解度を確認してください。
消費集合 消費空間
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商品ベクトル

問題(商品ベクトル)
考察対象とする商品は、コーヒー、紅茶、角砂糖の3種類であるものとします。この状況を商品ベクトルとして表現した上で、以下のそれぞれの選択肢を商品ベクトルとして表現してください。
  1. ブラックコーヒーを2杯飲む。
  2. 角砂糖を2つ入れた紅茶を3杯飲む。
  3. 角砂糖を3つ入れたコーヒーと、角砂糖を1つ入れたコーヒーを1杯ずつ飲む。
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コーヒーの消費量を\(x_{1}\)、紅茶の消費量を\(x_{2}\)、角砂糖の消費量を\(x_{3}\)でそれぞれ表すと、それぞれの選択肢は\begin{equation*}
\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right)
\end{equation*}という商品ベクトルとして表現できます。ただし、\(x_{1}\)と\(x_{2}\)の単位は「杯」、\(x_{3}\)の単位は「個」です。

(1の解答)「ブラックコーヒーを2杯飲む」という選択肢は、\begin{equation*}
\left( 2,0,0\right)
\end{equation*}という商品ベクトルとして表現されます。

(2の解答)「角砂糖を2つ入れた紅茶を3杯飲む」という選択肢は、\begin{equation*}
\left( 0,3,6\right)
\end{equation*}という商品ベクトルとして表現されます。

(3の解答)「角砂糖を3つ入れたコーヒーと、角砂糖を1つ入れたコーヒーを1杯ずつ飲む」という選択肢は、\begin{equation*}
\left( 1,1,4\right)
\end{equation*}という商品ベクトルとして表現されます。

問題(合成財)
家計による一カ月間の総消費の中でも、コメの消費量に興味がある状況を想定します。家計による一か月あたりのコメ消費量を\(x_{1}\)で表し、同時期におけるコメ以外のすべての商品への消費量を\(x_{2}\)で表すことにより、それぞれの商品ベクトルを\(\left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)で表します。この例における商品\(2\)のように、問題としている商品(この例ではコメ)とは異なるすべての商品を包含する概念を合成財と呼びます。コメの消費量は重さで計測できるため、\(x_{1}\)の単位としてキログラムなどを採用し、その価格\(p_{1}\)としてコメのキロ当たり価格を採用できます。一方、\(x_{2}\)はコメ以外のすべての商品の消費量を表しており、その中には重さで測れる商品(食料など)や、重さで測れない商品(様々なサービス)など、様々なものがあるため、\(x_{2}\)の単位として重さを採用できません。では、合成財の消費量\(x_{2}\)や価格\(p_{2}\)の単位として何を採用すればよいでしょうか。
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合成財の消費量\(x_{2}\)の単位としては、コメ以外のすべての商品の消費量を包括的に表現できる単位が要請されます。そこで、合成財の消費量\(x_{2}\)を、消費者が一カ月あたりにコメ以外の商品へ支出する金額の総和と解釈した上で、その単位として貨幣(円)を採用します。さらに、貨幣1単位(1円)あたりの金額は1円であることから、合成財の価格として\(p_{2}=1\)を採用します。

例えば、一カ月当たりのコメ消費量\(x_{1}\)の単位としてキログラムを採用し、コメのキロ当たり価格が\(p_{1}=500\)(円)である場合、商品ベクトル\(\left( x_{1},x_{2}\right) \)を実現するために必要な金額は、\begin{equation*}
p_{1}x_{1}+p_{2}x_{2}=500x_{1}+x_{2}\quad \text{(円)}
\end{equation*}となります。

 

消費集合

問題(分割財と非分割財)
消費者がある期間において2種類の商品を消費する状況について考えます。ただし、商品\(1\)は非分割財で、商品\(2\)は分割財です。また、いずれの商品についても、消費者は負の数量を消費することはできないものとします。このとき、消費集合\(X\subset \mathbb{R} ^{2}\)を定式化した上で、それを図示してください。
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整数単位で消費可能な商品を非分割財と呼びます。商品\(1\)は非分割財であるため、その消費量\(x_{1}\)がとり得る値の範囲は非負の整数からなる集合\(\mathbb{Z} _{+}\)です。

実数単位で消費可能な商品を分割財と呼びます。商品\(2\)は分割財であるため、その消費量\(x_{2}\)がとり得る値の範囲は非負の実数からなる集合\(\mathbb{R} _{+}\)です。

以上を踏まえると、消費集合は、\begin{equation*}
X=\{\left( x_{1},x_{2}\right) \ |\ x_{1}\in \mathbb{Z} _{+},\ x_{2}\in \mathbb{R} _{+}\}
\end{equation*}と定式化されます。これを図示すると、以下のグレー線の集合になります。

図:消費集合
図:消費集合
問題(生存ライン)
ある人は生命を維持するために1日当たり最低でも1800キロカロリーを摂取する必要があるものとします。ただし、手に入れられる食料は小麦とじゃがいもの2種類です。小麦は100グラム当たり300キロカロリー、ポテトは100グラム当たり100キロカロリーであるものとします。この人の1日の食料消費を表す消費集合\(X\subset \mathbb{R} ^{2}\)を定式化した上で、それを図示してください。ただし、生命を維持できないような商品ベクトルは選択不可能であるものとします。
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小麦を商品\(1\)とし、その消費量\(x_{1}\)の単位としてグラムを採用します。また、ジャガイモを商品\(2\)とし、その消費量\(x_{2}\)の単位として同じくグラムを採用します。生命を維持するためには1日当たり1800キロカロリー以上を摂取する必要があるため、消費ベクトル\(\left( x_{1},x_{2}\right) \)は、\begin{equation*}
3x_{1}+x_{2}\geq 1800
\end{equation*}を満たす必要があります。以上を踏まえると、消費集合は、\begin{equation*}
X=\{\left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\ |\ 3x_{1}+x_{2}\geq 1800\}
\end{equation*}と定式化されます。これを図示すると、以下のグレーの領域(境界を含む)になります。

図:消費集合
図:消費集合

次回は予算集合について解説します。

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