コルモゴロフの不等式(コルモゴロフの最大不等式)
有限かつ独立な確率変数列を構成する個々の確率変数の期待値がゼロであるとともに分散が有限である場合、その確率変数列の部分和として定義される確率変数がある値以上の値をとる確率の上限を特定できます。コルモゴロフの不等式はチェビシェフの不等式の一般化です。
有限かつ独立な確率変数列を構成する個々の確率変数の期待値がゼロであるとともに分散が有限である場合、その確率変数列の部分和として定義される確率変数がある値以上の値をとる確率の上限を特定できます。コルモゴロフの不等式はチェビシェフの不等式の一般化です。
確率収束する確率変数列は分布収束する一方で、分布収束する確率変数列は確率収束するとは限りません。ただし、分布収束する確率変数列の確率極限が定数関数である場合、その確率変数列は分布収束します。
関数変数列を構成する確率変数の分布関数の形状が何らかの確率変数の分布関数の形状へ限りなく近づく場合、その確率変数列はその確率変数へ分布収束(法則収束)すると言います。
数列のすべての項が正の実数である場合、隣り合う2つの項の比を項として持つ新たな数列を定義し、その数列の極限を観察することにより、もとの数列の収束・発散を判定できます。
∞/∞型の不定形の極限が有限な実数として定まるかを判定する際に、一定の条件のもとでは微分を利用できます。これをロピタルの定理と呼びます。
可算個の独立な事象の確率の総和が無限大である場合、それらの事象の上極限の確率は1になるとともに、それらの事象の余事象の下極限の確率は0になります。これをボレル・カンテリの第2補題と呼びます。
可算個の事象が与えられたとき、そこから有限個の事象を任意に選んだ場合にそれらが独立であるならば、もとの可算個の事象は独立であると言います。
可算個の事象の確率の総和が有限な実数である場合、それらの事象の上極限の確率は0になるとともに、それらの事象の余事象の下極限の確率は1になります。これをボレル・カンテリの第1補題と呼びます。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された2つの多変数関数が多重リーマン積分可能である場合、それらの和として定義される多変数関数もまた多重リーマン積分可能です。
主体にとってのクジの確実性等価を測定するためにはBDMメカニズム(Becker-DeGroot-Marschakメカニズム)と呼ばれる実験手法が有効です。BDMメカニズムは耐戦略性を満たすため、主体にとってクジの確実性等価を正直に表明することが支配戦略になります。
ある結果を確実に得ることと、その結果より望ましい結果と望ましくない結果が等確率で起こるクジを無差別にするための確率の調整幅を確率プレミアムと呼びます。確率プレミアムの符号を観察することにより、主体のリスク選好を特定できます。
クジのもとでの結果の期待値と確実同値額の差を、そのクジのリスクプレミアムと呼びます。クジのリスクプレミアムの符号を観察することにより、主体のリスク選好を特定できます。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された多変数関数が多重リーマン積分可能であることと、その関数がすべての小直方体領域において多重リーマン積分可能であることは必要十分です。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された多変数関数が多重リーマン積分可能である場合、その関数の定数倍として定義される多変数関数もまた多重リーマン積分可能です。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された多変数関数が連続関数である場合、その関数は領域上で多重リーマン積分可能です。
一様連続な多変数関数は連続である一方、連続関数は一様連続であるとは限りません。ただ、連続関数の定義域がコンパクト集合である場合、その関数が一様連続であることが保証されます。
多変数関数がリプシッツ関数であることの意味を定義します。リプシッツ関数は一様連続ですが、一様連続関数はリプシッツ関数であるとは限りません。
n次元空間上に存在する直方体領域上に定義された多変数関数が単調関数である場合、すなわち単調増加または単調減少である場合、その関数は領域上で多重リーマン積分可能です。
n次元空間上に存在する直方体領域上に定義された有界な多変数関数の上リーマン積分と下リーマン積分が一致することは、その関数が多重リーマン積分可能であるための必要十分条件です。
n次元空間上に存在する直方体領域上に定義された有界な多変数関数の上リーマン積分と下リーマン積分を定義するとともに、極限を用いて上リーマン積分や下リーマン積分を特定する方法を解説します。
連続型の確率変数を単調増加変換した場合や単調減少変換した場合、または標準化した場合などについて、変換後の確率分布を求める方法を解説します。
離散型の確率変数を単調増加変換した場合、単調減少変換した場合、単射との合成関数をとった場合、標準化した場合などについて、変換後の確率分布を求める方法を解説します。
整数と非ゼロの整数の比として表現される実数を有理数と呼びます。有理数集合上に加法と乗法と大小関係を定義すると全順序体になります。その一方で、有理数集合は連続性を満たしません。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された有界な多変数関数が多重リーマン積分可能であることの意味を定義するとともに、多重リーマン積分可能であること、ないし多重リーマン積分可能ではないことを判定する方法を解説します。
人間の身長の分布や試験の得点の分布など、現実の様々な局面において正規分布は登場します。また、試行を繰り返し行う状況において各回の結果が独立同一分布(i.d.d.)にしたがう場合、試行回数を限りなく増やすと、標本平均の確率分布は正規分布へ限りなく近づきます(中心極限定理)。
連続型の確率変数の確率分布を記述する確率密度関数が定数関数である場合、その確率変数は連続型の一様分布にしたがうと言います。連続型一様分布にしたがう確率変数を定義するとともに、その期待値と分散を求めます。
離散型の確率変数がすべての値を等しい確率でとる場合、そのような確率変数は離散型の一様分布にしたがうと言います。離散型一様分布にしたがう確率変数を定義するとともに、その期待値と分散を求めます。
主体にとってクジLを選択することと結果xを確実に得ることが無差別である場合、xをLの確実性等価と呼びます。クジの確実性等価とクジのもとでの結果の期待値を比較することにより、主体のリスク選好を特定できます。
離散型の確率変数列が独立であるとともに同一分布にしたがう場合、その確率変数列は独立同一分布にしたがう(i.d.d.)と言います。
有限個(3個以上)の離散型確率変数が独立であるとともに同一分布にしたがう場合、それらの確率変数は独立同一分布にしたがう(i.d.d.)と言います。
行動を選択した場合に起こり得る結果が数値として表現できる場合には、クジを選択すれば結果の期待値を計算できます。ただ、人は期待値を最大化するような選択を行うとは限りません。
プレイヤーが自身の選択肢を意図的に狭めることを通じて、約束を破った場合に自身がより不利になる状況を意図的に作り出し、約束に信憑性を持たようとする行動をコミットメントと呼びます。コミットメントは信憑性のない脅しを信憑性のある脅しへ転化させます。
1962年に発生したキューバ危機において人類は核戦争の瀬戸際へ追い込まれました。キューバ危機を展開型ゲームとして定式化するとともに、そこでの結果をゲームの部分ゲーム完全均衡として解釈します。
展開型ゲームが有限な完全情報ゲームである場合には、後ろ向き帰納法(バックワードインダクション)と呼ばれるアルゴリズムを用いて純粋戦略部分ゲーム完全均衡を特定できます。
正方行列の固有値に対応するすべての列固有ベクトルとゼロベクトルからなるベクトル集合を、その固有値の固有空間と呼びます。固有空間は実ベクトル空間の部分空間であるとともに、その次元は固有値の重複度以下になります。
正方行列の固有値が明らかになれば、固有値に対応する列固有ベクトルを特定できます。また、固有値は固有多項式と呼ばれる多項式関数の根と一致するため、固有値を特定する作業を多項式関数の根を特定する作業へ帰着させることができます。
正方行列に関する固有値問題と呼ばれる問題を定義するとともに、その解に相当する固有値および固有ベクトルを定義します。固有値と固有ベクトルは正方行列の対角化と深い関係があります。
正方行列が何らかの対角行列と相似である場合、その正方行列は対角化可能であると言います。正方行列を対角化することにより、よりシンプルな構造を持つ行列が得られます。
同一の線形変換を異なる基底のもとで表現した場合、両者は相似であると言います。2つの線形変換が相似であることは、それらを特徴づける正方行列が相似であることを意味します。
実ベクトル空間における基底が与えられれば、それぞれのベクトルは基底ベクトルの線型結合として一意的に表されます。そこで、ベクトルの線型結合を特徴づけるスカラーの組をそのベクトルの座標と呼びます。
多変数関数の変数がとり得る値の範囲が複数の線型不等式によって制限されている場合に、関数の最大点が満たす条件(クーン・タッカー条件)を特定するとともに、最大点を具体的に導出する方法(ラグランジュの未定乗数法)について解説します。