ナッシュの要求ゲーム(1ドルの分配ゲーム)
資源量が所与である状況において2人のプレイヤーが取り分を同時に要求し、2人による要求量の和が資源量以下であれば各々は要求通りの取り分を得られる一方、要求量の和が総資源量を上回る場合には何も得られない、という構造のゲームをナッシュの要求ゲームと呼びます。
資源量が所与である状況において2人のプレイヤーが取り分を同時に要求し、2人による要求量の和が資源量以下であれば各々は要求通りの取り分を得られる一方、要求量の和が総資源量を上回る場合には何も得られない、という構造のゲームをナッシュの要求ゲームと呼びます。
調整ゲームの1つの典型例である鹿狩りゲーム(stag hunt)を定式化した上で、ナッシュ均衡を求めます。鹿狩りゲームでは複数均衡問題が発生するとともに、利得支配とリスク支配の間にトレードオフが成立します。
戦略型ゲームに複数のナッシュ均衡が存在するとともに、ある均衡からのプレイヤーたちの離脱損失の積が、別の均衡からのプレイヤーたちの離脱損失の積よりも大きい場合、前者の均衡は後者の均衡をリスク支配すると言います。
プレイヤーたちが相談できない状況において何らかの選択を迫られた場合に、ある選択肢が他の選択肢よりも注意を引くものであるならば、それをフォーカルポイントと呼びます。ゲームに複数のナッシュ均衡が存在する場合、その中の1つがフォーカルポイントであれば、プレイヤーたちはそれをプレーすることが予想されます。
戦略型ゲームに複数のナッシュ均衡が存在する場合、プレイヤーたちはその中のどれを実際にプレーすることになるか必ずしも明らかではありません。これを複数均衡の問題や均衡選択の問題などと呼びます。
プレイヤーをランダムに変えて同じゲームを繰り返しプレーした結果、ある時点からプレイヤーたちが一定の戦略をプレーするよう状況が安定するのであれば、それは社会的慣習が形成されたことを意味します。社会的慣習が形成される場合、それはナッシュ均衡です。
組合せオークションを記述する環境において、任意の入札者の利得関数が非外部性、準線型性、リスク中立性、私的価値の仮定を満たす場合、そのような環境を準線型環境と呼びます。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)における絶望の定理とは、ある安定マッチングにおいて異性とマッチできないエージェントは他の任意の安定マッチングにおいても異性とマッチできないという主張です。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)において、男性(女性)最適安定マッチングは男性(女性)たちにとって狭義パレート効率的であるとは限らない一方で、広義パレート効率的ではあります。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)において安定性を追求する限りにおいて、男性求婚型DAメカニズムは男性にとって最良である一方で女性にとって最悪であり、逆に、女性求婚型DAメカニズムは女性にとって最良である一方で男性にとって最悪です。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)において、男性(女性)求婚型DAメカニズムが導くマッチングはすべての男性(女性)にとって最も望ましい安定マッチングです。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)における代表的なメカニズムである受入保留メカニズム(DAメカニズム・ゲール=シャプレーアルゴリズム)の内容と基本的な性質について解説します。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるマッチングが安定的であること、また、メカニズムが安定的であることの意味を解説します。安定性は広義コアと概念として一致します。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるマッチングがコアであること、また、メカニズムがコア選択であることの意味を解説します。
非分割財の交換問題(シャプレー・スカーフの住宅市場)が一定の条件を満たす場合、一意的な狭義コアと、一意的とは限らない広義コアが存在することが保証されます。
分割財の交換問題(シャプレー・スカーフの住宅市場)に対して便宜的に価格体系を導入したとき、配分と価格ベクトルの組が予算制約条件と選好最大化条件を満たすのであれば、そのような組を競争均衡と呼びます。また、競争的な配分を常に選び取るメカニズムを競争均衡メカニズムと呼びます。
非分割財の交換問題(シャプレー・スカーフの住宅市場)においてエージェントたちが商品を交換し狭義コアが実現した後、任意の提携が商品を再交換する動機を持たない場合、そのような狭義コアは安定的であると言います。安定的な狭義コアを常に選ぶメカニズムを配分メカニズムと呼びます。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるマッチングがパレート効率的であること、また、メカニズムがパレート効率的的であることの意味を解説します。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるマッチングが個人合理的であること、また、メカニズムが個人合理的であることの意味を解説します。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるメカニズムにおいて、すべてのエージェントにとって自身の真の選好を正直に申告することが支配戦略である場合、そのようなメカニズムは耐戦略性を満たすと言います。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるメカニズムに参加するエージェントたちが直面する戦略的状況をベイジアンゲームとして定式化します。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)における資源配分ルール(マッチングを定めるルール)をメカニズムと呼ばれる概念として定式化します。
1対1のマッチング問題(安定結婚問題)において、プレイヤーの選好に関して非外部性と私的価値を仮定する場合、そのようなモデルを私的価値モデルと呼びます。
2つのグループに分かれたプレイヤーたちを何らかのルールにもとづいてグループ間で1対1でマッチングさせる資源配分問題を1対1のマッチング問題(安定結婚問題)と呼ばれるモデルとして定式化します。
完備性と推移性は常識的かつ無理のない仮定であるように思われますが、実際には、現実の様々な局面において消費者の選好が合理的ではないような状況は起こり得ます。コンドルセの逆説、フレーミング効果、ビュリダンのロバ(選択の壁)など、消費者の選好が合理性を満たさないような状況について解説します。
ベイジアンゲームの分析を容易にするため、共通事前分布の仮定のもとで、ゲームを不完全な動学ゲームへハーサニ変換します。変換後のゲームにおける均衡概念は事前ベイジアンナッシュ均衡です。
ベイジアンゲームにおいてプレイヤーたちが各々のタイプを読み合う可能性を認めると、ゲームの分析が突如として複雑になってしまいます。このような問題を解消するために、多くの場合、プレイヤーたちのタイプに関して共通事前分布という仮定を設けます。
ベイジアンゲームにおいて、事後均衡はベイジアンナッシュ均衡でもある一方で、その逆は成り立つとは限りません。また、支配戦略均衡はベイジアンナッシュ均衡でもある一方で、その逆は成り立つとは限りません。
ベイジアンナッシュ均衡における最適反応の概念を定義するとともに、最適反応であるような純粋戦略の組としてベイジアンナッシュ均衡と呼ばれる均衡概念を定義します。
補償需要関数と支出関数の間にはシェファードの補題(マッケンジーの補題)と呼ばれる関係が成立するため、支出関数が与えられれば、そこから補償需要関数を再現することができます。
消費者が支出を最小化するという前提のもと、ある商品の価格だけを1パーセント変化させた場合に、ある商品の補償需要が何パーセント変化するかを表す指標を補償需要の価格弾力性と呼びます。
非分割財の交換問題(シャプレー・スカーフの住宅市場)における代表的なメカニズムであるトップ・トレーディング・サイクルメカニズム(TTCメカニズム)の内容と、その性質について解説します。
ある配分を出発点に、そこからプレイヤーのグループ(提携)が内部で商品を交換することでグループ内でのパレート改善が可能である場合、その配分はその提携によってブロックされると言います。また、いかなる提携によってもブロックされない配分をコアと呼び、コアを常に選び取るメカニズムをコア選択メカニズムと呼びます。
需要の自己価格効果(自己価格弾力性)を基準に商品は普通財とギッフェン財に分類されます。また、需要の交差価格効果(交差価格弾力性)を基準に商品は粗代替財と粗補完財に分類されます。
消費者が効用を最大化するという前提のもと、ある商品の価格だけを1パーセント変化させた場合に、ある商品の需要が何パーセント変化するかを表す指標を需要の価格弾力性と呼びます。
需要の所得弾力性を基準に商品は上級財(通常財)と中級財(中立財)と下級財(劣等財)とに分類されます。さらに、上級財は必需財と奢侈財とに分類されます。
ある配分を出発点に誰かの満足度を高めようとすると他の人の犠牲が伴うような状態であるとき、その配分はパレート効率的であると言います。また、パレート効率的な配分を常に選び取るメカニズムをパレート効率的なメカニズムと呼びます。
非分割財の交換問題(シャプレー・スカーフの住宅市場)においてメカニズムを提示されたエージェントたちが直面する戦略的状況をベイジアンゲームとして定式化します。
非分割財の交換問題(シャプレー・スカーフの住宅市場)において、プレイヤーの選好に関して非外部性と私的価値を仮定する場合、そのようなモデルを私的価値モデルと呼びます。
消費者が効用を最大化するという前提のもと、すべての商品の価格を一定にしたまま所得を1パーセント変化させた場合に、ある商品の需要が何パーセント変化するかを表す指標を需要の所得弾力性と呼びます。
1生産物モデルにおいて、それぞれの価格ベクトルに対して、利潤を最大化する投入ベクトルおよび産出量を像として定める写像を要素投入関数および供給関数と呼びます。
N生産要素1生産物モデルおいて、与えられた価格ベクトルのもとで、技術制約と利潤最大化の条件をともに満たす生産ベクトルを特定する最適化問題を利潤最大化問題と呼びます。
それぞれの価格ベクトルに対して、そこでの利潤最大化問題の解に相当する生産ベクトルを1つずつ定める関数を供給関数と呼びます。供給関数が存在するための条件について解説します。
タバコメーカーによる広告競争は囚人のジレンマとして側面を持っていることを解説した上で、タバコ広告規制はメーカーにとっても望ましい政策であることを解説します。
自身がわずかなコストを負担して全員に利益をもたらすか、もしくは他の人が行動するのかを待つか、以上の選択肢に直面したプレイヤーたちの間に成立する戦略的状況を描写するゲームをボランティアのジレンマと呼びます。
競り上げ式公開オークションにはいくつかのバリエーションが存在します。ここでは日本式オークションとイギリス式オークションについて解説します。
対戦型のオンラインゲームにおいてチート行為が蔓延する理由は、その背景に囚人のジレンマであるような構造が存在するからです。