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微分積分の応用例

感染症の拡大プロセスと指数関数の関係

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感染症が急速に拡大する数学的背景

病原性を持つ細菌やウイルス、寄生虫などの病原体が人から人へ感染することにより健康被害が拡散する現象を感染症(epidemic)や伝染病などと呼びます。感染症の広がりを数式を利用して記述しようとする研究は18世紀から行われており、多数の研究蓄積がなされてきました。ただ、ここでは本格的な感染症数理モデルについて解説するのではなく、シンプルなモデルを通じて感染症の拡大プロセスに関する理解を深めます。

時点\(t\)における感染者の人数を\(I\left( t\right) \)で表記します。\(I\)は「感染者」を表す「infected person」の頭文字です。本来、時間\(t\)は連続的に変化するものですが、ここでは\(t\)の単位として「日」を採用します。つまり、観測を開始した日の冒頭における感染者数を\(N\left( 0\right) \)で、その翌日の冒頭における感染者数を\(N\left( 1\right) \)で、2日目の冒頭における感染者数を\(N\left( 2\right) \)で表記するということです。以降についても同様です。

感染病は感染者と非感染者が接触することにより伝播します。したがって、感染症の広がりを描写する際には、感染者が接触する人の数を考慮する必要があります。そこで、1人の感染者が1日当たりに接触する人数の平均を\(c\)で表記します。\(c\)は「接触」を表す「contact」の頭文字です。\(c\)の水準は様々な要因によって変化しますが(後述します)、とりあえずは定数と仮定します。

感染者が非感染者と接触した際、病気が確実にうつるわけではありません。そこで、1人の感染者が1人の非感染者と接触した際に、その人に病気がうつる確率を\(p\)で表記します。\(p\)は「確率」を表す「probability」の頭文字です。\(p\)は確率であるため\(0\)以上\(1\)以下の値をとり得ますが、その水準もまた様々な要因によって変化します(後述します)。とりあえず\(p\)もまた定数と仮定します。

1人の感染者が1日当たり平均で\(c\)人と接触し、それぞれの人に対して確率\(p\)で病気がうつる場合、その1人の感染者から1日当たりに病気をうつされる人の数は、それらの積\begin{equation*}p\cdot c
\end{equation*}となります。\(t-1\)日目の冒頭における感染者の人数は\(I\left( t-1\right)\)ですが、それぞれの感染者から1日あたり\(pc\)人の新たな感染者が生み出されるため、\(t-1\)日目に発生する新たな感染者の人数を\(\Delta I\left( t-1\right) \)で表記するのであれば、それは、\begin{equation}\Delta I\left( t-1\right) =pc\cdot I\left( t-1\right) \quad \cdots (1)
\end{equation}となります。したがって、その翌日、すなわち\(t\)日目の冒頭における感染者の人数は、\begin{equation}I\left( t\right) =I\left( t-1\right) +\Delta I\left( t-1\right) \quad \cdots (2)
\end{equation}となります。以上を踏まえると、\begin{eqnarray*}
I\left( t\right) &=&I\left( t-1\right) +\Delta I\left( t-1\right) \quad
\because \left( 2\right) \\
&=&I\left( t-1\right) +pc\cdot I\left( t-1\right) \quad \because \left(
1\right) \\
&=&\left( 1+pc\right) \cdot I\left( t-1\right)
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation}
I\left( t\right) =\left( 1+pc\right) \cdot I\left( t-1\right) \quad \cdots (3)
\end{equation}という関係が成り立ちます。

任意の時点\(t\ \left( =1,2,3,\cdots \right) \)において同様の関係が成り立つため、\(t\)を任意に選んだときに、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&\left( 1+pc\right) \cdot I\left( t-1\right) \quad
\because \left( 3\right) \\
&=&\left( 1+pc\right) \cdot \left( 1+pc\right) \cdot I\left( t-2\right)
\quad \because \left( 3\right) \\
&=&\left( 1+pc\right) ^{2}\cdot I\left( t-2\right) \\
&=&\left( 1+pc\right) ^{2}\cdot \left( 1+pc\right) \cdot I\left( t-3\right)
\quad \because \left( 3\right) \\
&=&\left( 1+pc\right) ^{3}\cdot I\left( t-3\right) \\
&=&\cdots \\
&=&\left( 1+pc\right) ^{t}\cdot I\left( 0\right) \quad \because \left(
3\right) \text{を繰り返し適用} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) ^{t}
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation*}
I\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) ^{t}
\end{equation*}という関係が成り立ちます。つまり、初日の冒頭に\(I\left( 0\right) \)人であった感染者が、\(t\)日目の冒頭には\(\left( 1+pc\right) ^{t}\)倍の人数になるということです。

命題(感染者の人数)
\(t\ \left( =0,1,2,\cdots \right) \)日目の冒頭における感染者数を\(I\left( t\right) \)で、1人の感染者が1日当たりに接触する人数の平均を\(c\)で、1人の感染者が1人の非感染者と接触した際に病気がうつる確率を\(p\)でそれぞれ表記する場合、\begin{equation*}I\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) ^{t}
\end{equation*}という関係が成り立つ。

例(感染者の人数)
初日の冒頭における感染者数が\(I\left( 0\right) =1\)であり、1人の感染者が1日当たりに平均で5人と接触し(\(c=5\))、それぞれの接触者に20% の確率で感染する場合(\(p=0.2\))には、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&1\cdot \left( 1+0.2\cdot 5\right) ^{t} \\
&=&2^{t}
\end{eqnarray*}となります。感染から発症まで10日間ほどかかるのであれば感染者には自覚症状がないため、その間、\(c\)や\(p\)の水準に大きな変化はないはずです。その結果、10日目の感染者数は、\begin{equation*}t\left( 10\right) =2^{10}=1024
\end{equation*}となります。初日には1人だけであった感染者がわずか10日後には1024人にまで急増するということです。\(I\left(t\right) \)のグラフは以下の通りです。

図:感染者数の推移
図:感染者数の推移

1人の感染者からは1日当たり\(pc\)人の新たな感染者が生み出されます。初日に\(I\left( 0\right) \)人の感染者から\(I\left( 0\right) \cdot pc\)人に病気がうつるため、感染者の合計は当初の感染者数\(I\left( 0\right) \)と新たな感染者数\(I\left( 0\right)\cdot pc\)の合計である、\begin{equation*}I\left( 0\right) +\left[ I\left( 0\right) \cdot pc\right] =I\left( 0\right)
\cdot \left( 1+pc\right)
\end{equation*}になります。ここでのポイントは、1日目に新たに発生した感染者が2日目からは感染源として加わるということです。2日目には\(I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) \)人の感染者から\(I\left( 0\right) \cdot \left(1+pc\right) \cdot pc\)人に病気がうつるため、感染者の合計は2日目冒頭の感染者\(I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) \)と2日目に新たに発生した感染者数\(I\left( 0\right) +I\left( 0\right) \cdot pc\)の合計である、\begin{equation*}\left[ I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) \right] +\left[ I\left(
0\right) +I\left( 0\right) \cdot pc\right] =I\left( 0\right) \cdot \left(
1+pc\right) ^{2}
\end{equation*}となります。2日目に新たに発生した感染者は3日目からは感染源として加わります。以降も同様です。

これは定期預金と同じ構造です。\(I\left( 0\right) \)は元本、\(pc\)は金利、\(I\left(t\right) \)は\(t\)年後の元本合計に相当します。金利\(pc\)の定期預金に\(I\left( 0\right) \)円を預けると、複利の効果により、\(t\)年目の冒頭における元本合計は、\begin{equation*}I\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) ^{t}
\end{equation*}になります。ある年に発生した利子は次の年から元本に組み入れられるため、定期預金では利子に対して新たな利子がつきます。感染者が急速に増加する背景には複利の効果と同様のメカニズムがあるということです。

 

感染症の拡大速度を決定する要因

繰り返しになりますが、\(t\)日目の冒頭における感染者数は、\begin{equation*}I\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) ^{t}
\end{equation*}で与えられます。これは指数関数\(\left( 1+pc\right) ^{t}\)の定数倍として定義される関数です。議論の見通しを良くするために指数関数\(\left(1+pc\right) ^{t}\)の底をネイピア数\(e\)へ変換すると、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&I\left( 0\right) \cdot \left( 1+pc\right) ^{t} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot e^{\ln \left( 1+pc\right) ^{t}}\quad \because
\text{指数関数の底の変換公式} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot e^{t\cdot \ln \left( 1+pc\right) }
\end{eqnarray*}となります。さらに、\begin{equation*}
r=\ln \left( 1+pc\right)
\end{equation*}とおくと、\begin{equation*}
I\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot e^{tr}
\end{equation*}となります。

命題(感染者の人数)
\(t\ \left( =0,1,2,\cdots \right) \)日目の冒頭における感染者数を\(I\left( t\right) \)で、1人の感染者が1日当たりに接触する人数の平均を\(c\)で、1人の感染者が1人の非感染者と接触した際に病気がうつる確率を\(p\)でそれぞれ表記する場合、\begin{equation*}I\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot e^{tr}
\end{equation*}という関係が成り立つ。ただし、\begin{equation*}
r=\ln \left( 1+pc\right)
\end{equation*}である。

ここで新たに導入した定数\begin{equation*}
r=\ln \left( 1+pc\right)
\end{equation*}にはどのような意味があるのでしょうか。以下で順番に解説します。

感染症の拡大速度を把握するためにはどのような指標を採用すればよいでしょうか。\(I\left( t\right) \)は\(t\)日目の感染者数であるため、これを時間\(t\)で微分すれば\(t\)日目における感染者数の増加速度を知ることができます。\(I\left( t\right) \)は指数関数\(e^{tr}\)の定数倍であるため微分可能であり、その導関数は、\begin{eqnarray*}I^{\prime }\left( t\right) &=&\left( I\left( 0\right) \cdot e^{tr}\right)
^{\prime }\quad \because I\left( t\right) \text{の定義} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot \left( e^{tr}\right) ^{\prime }\quad \because
\text{微分可能な関数の定数倍} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot \left( \left. \left( e^{y}\right) ^{\prime
}\right\vert _{y=tr}\right) \cdot \left( tr\right) ^{\prime }\quad \because
\text{合成関数の微分} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot \left( \left. e^{y}\right\vert _{y=tr}\right)
\cdot r\quad \because \text{指数関数の微分} \\
&=&I\left( 0\right) \cdot e^{tr}\cdot r
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation*}
I^{\prime }\left( t\right) =I\left( 0\right) \cdot e^{tr}\cdot r
\end{equation*}となります。ただ、感染症の拡大速度を把握するという意味においては、それぞれの日において「感染者が瞬間的に何人増加するか」ということよりも、それぞれの日において「感染者が何パーセント増加するか」ということのほうが重要です。後者の情報を得るためには増加速度\(I^{\prime }\left( t\right) \)を感染者数\(I\left(t\right) \)で割った、\begin{equation*}\frac{I^{\prime }\left( t\right) }{I\left( t\right) }
\end{equation*}をとればよいことになります。これを1日当たりの増加率(growth rate per day)と呼びます。例えば、\(\frac{I^{\prime }\left( t\right) }{I\left(t\right) }=0.05\)であれば、\(t\)日目に感染者は\(5\)% 増加することを意味し、\(\frac{I^{\prime}\left( t\right) }{I\left( t\right) }=0.1\)であれば、\(t\)日目に感染者は\(10\)%増加することを意味します。ここで興味深いのは、\begin{equation*}\frac{I^{\prime }\left( t\right) }{I\left( t\right) }=\frac{I\left( 0\right)
\cdot e^{tr}\cdot r}{I\left( 0\right) \cdot e^{tr}}=r
\end{equation*}すなわち、\begin{equation*}
\frac{I^{\prime }\left( t\right) }{I\left( t\right) }=r
\end{equation*}が成り立つという点です。つまり、時間\(t\)が経過しても1日当たりの増加率は一定であり、その水準は先に導入した定数\begin{equation*}r=\ln \left( 1+pc\right)
\end{equation*}と一致します。以上の関係を踏まえた上で、\(r\)を1日当たりの増加率と定義することもできます。

先に確認したように、時間\(t\)が経過するにつれて複利と同様の効果により感染者数\(I\left( t\right) \)は急速に増加します。しかし、1日当たりの増加率は\(r\)で一定です。逆に言うと、1日当たりの増加率\(r\)は一定でも、複利と同様の効果により、感染者数は急速に増加してしまうということです。

1日当たり増加率\(r\)の水準は感染症の拡大速度に大きな影響を与えます。言い換えると、\(r\)がわずかに変化しただけでも感染症の拡大速度に大きな影響を与えるということです。数値例を通じて確認します。

例(感染症の拡大速度)
初日の冒頭における感染者数が\(I\left( 0\right) =1\)であり、1人の感染者が1日当たりに平均で5人と接触し(\(c=5\))、それぞれの接触者に20% の確率で感染する(\(p=0.2\))ものとします。これは先の例と同様です。この場合、1日当たりの増加率は、\begin{eqnarray*}r &=&\ln \left( 1+pc\right) \\
&=&\ln \left( 1+0.2\cdot 5\right) \\
&=&\ln \left( 2\right) \\
&=&0.69
\end{eqnarray*}となります。\(t\)日目の冒頭における感染者数は、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&I\left( 0\right) \cdot e^{tr} \\
&=&1\cdot e^{0.69t} \\
&=&e^{0.69t}
\end{eqnarray*}です。10日目の冒頭における感染者数は、\begin{equation*}
I\left( 10\right) =1024
\end{equation*}となります。初日には1人だけであった感染者がわずか10日後には1024人にまで急増するということです。\(I\left(t\right) \)のグラフは以下の通りです。

図:r=0.69
図:r=0.69
例(感染症の拡大速度)
初日の冒頭における感染者数が\(I\left( 0\right) =1\)であり、1人の感染者が1日当たりに平均で3人と接触し(\(c=3\))、それぞれの接触者に20% の確率で感染する(\(p=0.2\))ものとします。この場合、1日当たりの増加率は、\begin{eqnarray*}r &=&\ln \left( 1+pc\right) \\
&=&\ln \left( 1+0.2\cdot 3\right) \\
&=&\ln \left( 1.6\right) \\
&=&0.47
\end{eqnarray*}となります。\(t\)日目の冒頭における感染者数は、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&I\left( 0\right) \cdot e^{tr} \\
&=&1\cdot e^{0.47t} \\
&=&e^{0.47t}
\end{eqnarray*}です。10日目の冒頭における感染者数は、\begin{equation*}
I\left( 10\right) =110
\end{equation*}となります。先の例(\(r=0.69\))と比べ、1人の感染者が1日あたり接触する人数が5人から3人に減少しただけで(他の条件は同じ)、10日目の感染者数が1024人から110人まで大幅に減少しました。\(I\left(t\right) \)のグラフは以下の通りです。

図:r=0.47
図:r=0.47
例(感染症の拡大速度)
初日の冒頭における感染者数が\(I\left( 0\right) =1\)であり、1人の感染者が1日当たりに平均で5人と接触し(\(c=5\))、それぞれの接触者に15% の確率で感染する(\(p=0.15\))ものとします。この場合、1日当たりの増加率は、\begin{eqnarray*}r &=&\ln \left( 1+pc\right) \\
&=&\ln \left( 1+0.15\cdot 5\right) \\
&=&\ln \left( 1.75\right) \\
&=&0.56
\end{eqnarray*}となります。\(t\)日目の冒頭における感染者数は、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&I\left( 0\right) \cdot e^{tr} \\
&=&1\cdot e^{0.56t} \\
&=&e^{0.56t}
\end{eqnarray*}です。10日目の冒頭における感染者数は、\begin{equation*}
I\left( 10\right) =269
\end{equation*}となります。最初の例(\(r=0.69\))と比べ、感染確率が20% から15% へ5% 下落しただけで(他の条件は同じ)、10日目の感染者数が1024人から269人まで大幅に減少しました。\(I\left( t\right) \)のグラフは以下の通りです。

図:r=0.56
図:r=0.56
例(感染症の拡大速度)
初日の冒頭における感染者数が\(I\left( 0\right) =1\)であり、1人の感染者が1日当たりに平均で3人と接触し(\(c=3\))、それぞれの接触者に15% の確率で感染する(\(p=0.15\))ものとします。この場合、1日当たりの増加率は、\begin{eqnarray*}r &=&\ln \left( 1+pc\right) \\
&=&\ln \left( 1+0.15\cdot 3\right) \\
&=&\ln \left( 1.45\right) \\
&=&0.37
\end{eqnarray*}となります。\(t\)日目の冒頭における感染者数は、\begin{eqnarray*}I\left( t\right) &=&I\left( 0\right) \cdot e^{tr} \\
&=&1\cdot e^{0.37t} \\
&=&e^{0.37t}
\end{eqnarray*}です。10日目の冒頭における感染者数は、\begin{equation*}
I\left( 10\right) =40
\end{equation*}となります。最初の例(\(r=0.69\))と比べ、1人の感染者が1日あたり接触する人数が5人から3人に減少し、感染確率が20% から15% へ5% 下落しただけで(他の条件は同じ)、10日目の感染者数が1024人から40人まで大幅に減少しました。\(I\left( t\right) \)のグラフは以下の通りです。

図:r=0.37
図:r=0.37

 

感染症対策の背景

感染症の拡大速度を決定する上で、1日当たりの増加率\(r\)の水準が大きな影響を与えることを数値例を通じて確認しました。1日当たりの増加率は、\begin{equation*}r=\ln \left( 1+pc\right)
\end{equation*}と定義されるため、\(r\)の値は\(p\)と\(c\)の値によって決定されます。つまり、\(p\)と\(c\)の値を抑えれば感染症の拡大速度を大幅に下げることができるということです。

\(p\)は1人の感染者が1人の非感染者と接触した際に、その人に病気がうつる確率です。マスクやワクチンなどが感染確率を下げるのであれば、これらの施策によって感染症の拡大速度を大幅に下げることができます。\(c\)は1人の感染者が1日当たりに接触する人数の平均です。外出制限は\(c\)の値を下落させるため、感染症の拡大速度を大幅に下げることにつながります。

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