微分可能性は連続性を含意し、片側微分可能性は片側連続性を含意します。一方、連続性は微分可能性を含意するとは限りません。

微分可能性 連続性

2019年4月3日:公開

微分可能性な関数は連続

微分可能性は連続性を含意します。つまり、点において微分可能な関数はその点において連続です。

命題(微分可能性は連続性を含意する)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R}\)が内点\(a\in I^{i}\)において微分可能ならば、\(f\)は\(a\)において連続である。
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関数が点において片側微分可能である場合には、上と同様の議論により、その点において片側連続であることが示されます。

命題(微分可能性は連続性を含意する)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R}\)が点\(a\in I\)において右側微分可能ならば、\(f\)は\(a\)において右側連続である。また、\(f\)が\(a\)において左側微分可能ならば、\(f\)は\(a\)において左側連続である。
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以上を踏まえると、微分可能な関数に関する以下の命題が得られます。

系(微分可能性は連続性を含意する)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R}\)が微分可能であるならば、\(f\)は連続である。

 

連続関数は微分可能であるとは限らない

上の命題の逆は成立するとは限りません。つまり、ある点において連続な関数はその点において微分可能であるとは限りません。実際、\begin{equation*}
f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert
\end{equation*}と定義される関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)は点\(0\)において連続ですが微分可能ではありません。このことを以下で示します。

上の関数\(f\)の点\(0\)における右側極限は、\begin{equation*}
\lim_{x\rightarrow 0+}f\left( x\right) =\lim_{x\rightarrow 0+}\left\vert x\right\vert =\lim_{x\rightarrow 0+}x=0
\end{equation*}であり、同じく点\(0\)における左側極限は、\begin{equation*}
\lim_{x\rightarrow 0-}f\left( x\right) =\lim_{x\rightarrow 0-}\left\vert x\right\vert =\lim_{x\rightarrow 0+}-x=0
\end{equation*}です。ゆえに極限の性質より\(\lim\limits_{x\rightarrow 0}f\left( x\right) =0\)が成り立ちますが、これと\(f\left( 0\right) =\left\vert 0\right\vert =0\)より\(\lim\limits_{x\rightarrow 0}f\left( x\right) =f\left( 0\right) \)を得るため、\(f\)は\(0\)において連続です。

一方、上の関数\(f\)は点\(0\)において微分可能ではありません。実際、\begin{eqnarray*}
f^{\prime }(0+0) &=&\lim\limits_{h\rightarrow 0+}\frac{\left\vert 0+h\right\vert -\left\vert 0\right\vert }{h}=\lim\limits_{h\rightarrow 0+}\frac{h}{h}=1 \\
f^{\prime }(0-0) &=&\lim\limits_{h\rightarrow 0-}\frac{\left\vert 0+h\right\vert -\left\vert 0\right\vert }{h}=\lim\limits_{h\rightarrow 0-}\frac{-h}{h}=-1
\end{eqnarray*}となり両者は一致しないため、\(f\)は\(0\)において微分可能ではありません。

次回からは微分可能な関数の演算について学びます。
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