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DIFFERENTIATION OF FUNCTIONS

自然対数関数の微分

目次

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自然対数関数の微分

関数\(f:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が自然対数関数であるものとします。つまり、\(f\)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x\right)
\end{equation*}を定めるということです。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されている場合、点\(a\)において微分可能であるか検討できますが、\(f\)は点\(a\)において微分可能であり、微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =\frac{1}{a}
\end{equation*}となります。

命題(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)および周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において微分可能であるとともに、そこでの微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =\frac{1}{a}
\end{equation*}となる。

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例(自然対数関数の微分)
自然対数関数は\(\mathbb{R} _{++}\)上に定義可能であるため、それぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x\right)
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} _{++}\)は開集合であるため、定義域上の点を任意に選んだとき、\(f\)はその点を含め周辺の任意の点において定義されています。すると先の命題より\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =\frac{1}{x}
\end{equation*}を定めます。

例(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{\ln \left( x\right) }{x}
\end{equation*}を定めるものとします。関数\(f\)は自然対数関数\(\ln \left( x\right) \)と恒等関数\(x\)の商として定義されているため微分可能であり、その導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( \frac{\ln \left( x\right) }{x}\right)
^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\frac{\left( \ln \left( x\right) \right) ^{\prime }\cdot x-\ln \left(
x\right) \cdot \left( x\right) ^{\prime }}{x^{2}}\quad \because \text{微分可能な商} \\
&=&\frac{\frac{1}{x}\cdot x-\ln \left( x\right) \cdot 1}{x^{2}}\quad
\because \text{恒等関数および自然対数関数の微分} \\
&=&\frac{1-\ln \left( x\right) }{x^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x\ln \left( x\right) -x
\end{equation*}を定めるものとします。関数\(x\ln \left( x\right) \)は恒等関数\(x\)と自然対数関数の積であるため微分可能であり、その導関数は、\begin{eqnarray*}\left( x\ln \left( x\right) \right) ^{\prime } &=&\left( x\right) ^{\prime
}\cdot \ln \left( x\right) +x\cdot \left( \ln \left( x\right) \right)
^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&1\cdot \ln \left( x\right) +x\cdot \frac{1}{x}\quad \because \text{恒等関数および自然対数関数の微分} \\
&=&\ln \left( x\right) +1
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation}
\left( x\ln \left( x\right) \right) ^{\prime }=\ln \left( x\right) +1
\quad \cdots (1)
\end{equation}となります。したがって、\(f\)は微分可能な関数\(x\ln \left( x\right) \)と恒等関数\(x\)の差として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( x\ln \left( x\right) -x\right)
^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( x\ln \left( x\right) \right) ^{\prime }-\left( x\right) ^{\prime
}\quad \because \text{微分可能な関数の差} \\
&=&\ln \left( x\right) +1-1\quad \because \left( 1\right) \text{および恒等関数の微分} \\
&=&\ln \left( x\right)
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x\ln \left( \frac{1}{x}\right)
\end{equation*}を定めるものとします。関数\(\ln \left( \frac{1}{x}\right) \)は有理関数\(\frac{1}{x}\)と自然対数関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数として定義されているため微分可能であり、その導関数は、\begin{eqnarray*}\left( \ln \left( \frac{1}{x}\right) \right) ^{\prime } &=&\left. \left( \ln
\left( y\right) \right) ^{\prime }\right\vert _{y=\frac{1}{x}}\cdot \left(
\frac{1}{x}\right) ^{\prime }\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. \frac{1}{y}\right\vert _{y=\frac{1}{x}}\cdot \left( -\frac{1}{x^{2}}\right) \quad \because \text{自然対数関数および有理関数の微分} \\
&=&\frac{1}{\frac{1}{x}}\cdot \left( -\frac{1}{x^{2}}\right) \\
&=&-\frac{1}{x}
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation}
\left( \ln \left( \frac{1}{x}\right) \right) ^{\prime }=-\frac{1}{x} \quad \cdots (1)
\end{equation}となります。したがって、\(f\)は恒等関数\(x\)と微分可能な関数\(\ln \left( \frac{1}{x}\right) \)の積として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( x\ln \left( \frac{1}{x}\right) \right)
^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( x\right) ^{\prime }\cdot \ln \left( \frac{1}{x}\right) +x\cdot
\left( \ln \left( \frac{1}{x}\right) \right) ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&1\cdot \ln \left( \frac{1}{x}\right) +x\cdot \left( -\frac{1}{x}\right)
\quad \because \text{恒等関数の微分および}\left( 1\right) \\
&=&\ln \left( \frac{1}{x}\right) -1
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然対数関数の微分)
海抜\(0\)メートルの場所から飛行機が離陸してから\(x\)分後に到達する高度(フィート)が、\begin{equation*}f\left( x\right) =2000\cdot \ln \left( x+1\right)
\end{equation*}であるものとします。この関数のグラフは以下の通りです。

図:飛行機の高度
図:飛行機の高度

初期時点(\(x=0\))の高度に関して、\begin{eqnarray*}f\left( 0\right) &=&2000\cdot \ln \left( 0+1\right) \\
&=&2000\cdot 0 \\
&=&0
\end{eqnarray*}が確かに成り立っています。\(f\)は微分可能であり、その導関数\(f^{\prime }\)は、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( 2000\cdot \ln \left( x+1\right)
\right) ^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&2000\cdot \left( \ln \left( x+1\right) \right) ^{\prime }\quad \because
\text{微分可能な関数の定数倍} \\
&=&2000\cdot \left. \left( \ln \left( y\right) \right) ^{\prime }\right\vert
_{y=x+1}\cdot \left( x+1\right) ^{\prime }\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&2000\cdot \frac{1}{x+1}\cdot 1\quad \because \text{自然対数関数および多項式関数の微分} \\
&=&\frac{2000}{x+1}
\end{eqnarray*}となります。つまり、離陸から\(x\)分後の時点における瞬間的な上昇速度(垂直速度)は\(\frac{2000}{x+1}\)フィートです。

 

自然対数関数の片側微分

片側微分に関しても同様の命題が成り立ちます。

命題(自然対数関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)以上の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において右側微分可能であるとともに、そこでの右側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a+0\right) =\frac{1}{a}
\end{equation*}となる。また、\(f\)が点\(a\in X\)以下の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において左側微分可能であるとともに、そこでの左側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a-0\right) =\frac{1}{a}
\end{equation*}となる。

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例(自然対数関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ 2,3\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 2,3\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2\ln \left( x\right) +1
\end{equation*}を定めるものとします。定義域の内点\(a\in \left(2,3\right) \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)の周辺において定義されているため点\(a\)において微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( a\right) &=&2\cdot \left. \left( \ln \left( x\right)
\right) ^{\prime }\right\vert _{x=a}+\left( 1\right) ^{\prime }\quad
\because \text{微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. \frac{1}{x}\right\vert _{x=a}\right) +0\quad
\because \text{自然指数関数および定数関数の微分} \\
&=&\frac{2}{a}
\end{eqnarray*}となります。一方、\(f\)は定義域の境界点である\(2\)や\(3\)において通常の意味で微分可能ではありません。\(f\)は点\(2\)以上の周辺の任意の点において定義されているため点\(2\)において右側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 2+0\right) &=&2\cdot \left. \left( \ln \left( x\right)
\right) _{+}^{\prime }\right\vert _{x=2}+\left( 1\right) _{+}^{\prime }\quad
\because \text{右側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. \frac{1}{x}\right\vert _{x=2}\right) +0\quad
\because \text{自然指数関数および定数関数の右側微分} \\
&=&\frac{2}{2} \\
&=&1
\end{eqnarray*}となります。また、\(f\)は点\(3\)以下の周辺の任意の点において定義されているため点\(3\)において左側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 3-0\right) &=&2\cdot \left. \left( \ln \left( x\right)
\right) _{-}^{\prime }\right\vert _{x=3}+\left( 1\right) _{-}^{\prime }\quad
\because \text{左側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. \frac{1}{x}\right\vert _{x=3}\right) +0\quad
\because \text{自然指数関数および定数関数の左側微分} \\
&=&\frac{2}{3}
\end{eqnarray*}となります。したがって\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset \left[ 2,3\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 2,3\right] \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =\frac{2}{x}
\end{equation*}を定めることが明らかになりました。

 

演習問題

問題(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{\ln \left( x\right) }
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

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問題(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( \ln \left( x\right) \right) ^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

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問題(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x^{2}\right)
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

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問題(自然対数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( \left( 1-2x\right) ^{3}\right)
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

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次回は自然対数関数に限定されない一般の対数関数の微分について解説します。

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