WIIS

複素関数

複素多項式関数の極限

目次

Mailで保存
Xで共有

複素多項式関数の極限

複素多項式関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して定める値が、非負の整数\(n\in \mathbb{Z} _{+}\)と複素数\(c_{k}\ \left( k=0,1,\cdots ,n\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( z\right) =c_{0}+c_{1}z+c_{2}z^{2}+\cdots +c_{n}z^{n}
\end{equation*}と表されるということです。

点\(a\in \mathbb{C} \)を任意に選んだとき、\(z\rightarrow a\)の場合に\(f\)は複素数へ収束するとともに、その極限は、\begin{equation*}\lim_{z\rightarrow a}f\left( z\right) =c_{0}+c_{1}a+c_{2}a^{2}+\cdots
+c_{n}a^{n}
\end{equation*}となります。

命題(複素多項式関数の極限)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)がそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して定める値が、非負の整数\(n\in \mathbb{Z} _{+}\)と複素数\(c_{k}\ \left( k=0,1,\cdots ,n\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( z\right) =c_{0}+c_{1}z+c_{2}z^{2}+\cdots +c_{n}z^{n}
\end{equation*}と表されるものとする。点\(a\in \mathbb{C} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}\lim_{z\rightarrow a}f\left( z\right) =c_{0}+c_{1}a+c_{2}a^{2}+\cdots
+c_{n}a^{n}
\end{equation*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(複素多項式関数の極限)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f\left( z\right) =\left( 3+i\right) z^{4}-z^{2}+2z
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は複素多項式関数であるため、\(z\rightarrow i\)の場合の極限について、\begin{eqnarray*}\lim_{z\rightarrow i}f\left( z\right) &=&\lim_{z\rightarrow i}\left[ \left(
3+i\right) z^{4}-z^{2}+2z\right] \quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( 3+i\right) i^{4}-i^{2}+2i\quad \because \text{複素多項式関数の極限} \\
&=&3+i+1+2i \\
&=&4+3i
\end{eqnarray*}となります。

例(複素多項式関数の極限)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f\left( z\right) =z^{2}-2z+4
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は複素多項式関数であるため、\(z\rightarrow 1+\sqrt{3}i\)の場合の極限について、\begin{eqnarray*}\lim_{z\rightarrow 1+\sqrt{3}i}f\left( z\right) &=&\lim_{z\rightarrow 1+\sqrt{3}i}\left( z^{2}-2z+4\right) \quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( 1+\sqrt{3}i\right) ^{2}-2\left( 1+\sqrt{3}i\right) +4\quad
\because \text{複素多項式関数の極限} \\
&=&1+2\sqrt{3}i+3i^{2}-2-2\sqrt{3}+4 \\
&=&0
\end{eqnarray*}となります。

 

複素多項式関数の無限大における極限

複素多項式関数は無限大において無限大へ発散します。

命題(複素多項式関数の無限大における極限)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)がそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して定める値が、非負の整数\(n\in \mathbb{Z} _{+}\)と複素数\(c_{k}\ \left( k=0,1,\cdots ,n\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( z\right) =c_{0}+c_{1}z+c_{2}z^{2}+\cdots +c_{n}z^{n}
\end{equation*}と表されるものとする。\(c_{n}\not=0\)の場合には、\begin{equation*}\lim_{z\rightarrow \infty }f\left( z\right) =\infty
\end{equation*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

 

演習問題

問題(複素多項式関数の極限)
以下の極限\begin{equation*}
\lim_{z\rightarrow 2-i}\left( z^{2}-z\right)
\end{equation*}を評価してください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

問題(複素多項式関数の極限)
以下の極限\begin{equation*}
\lim_{z\rightarrow i}\left( z^{5}-z^{2}+z\right)
\end{equation*}を評価してください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

関連知識

Mailで保存
Xで共有

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです

会員登録

有料のプレミアム会員であれば、質問やコメントの投稿と閲覧、プレミアムコンテンツ(命題の証明や演習問題とその解答)へのアクセスなどが可能になります。

ワイズのユーザーは年齢・性別・学歴・社会的立場などとは関係なく「学ぶ人」として対等であり、お互いを人格として尊重することが求められます。ユーザーが快適かつ安心して「学ぶ」ことに集中できる環境を整備するため、広告やスパム投稿、他のユーザーを貶めたり威圧する発言、学んでいる内容とは関係のない不毛な議論などはブロックすることになっています。詳細はガイドラインをご覧ください。

誤字脱字、リンク切れ、内容の誤りを発見した場合にはコメントに投稿するのではなく、以下のフォームからご連絡をお願い致します。

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録