複素恒等関数の微分
複素恒等関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f\left( z\right) =z
\end{equation*}を定めるということです。
点\(a\in \mathbb{C} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)において微分可能であるとともに、そこでの微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =1
\end{equation*}となります。
命題(複素恒等関数の微分)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f\left( z\right) =z
\end{equation*}を定めるものとする。点\(a\in \mathbb{C} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =1
\end{equation*}が成り立つ。したがって、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)が存在して、それぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( z\right) =1
\end{equation*}を定める。
\end{equation*}を定めるものとする。点\(a\in \mathbb{C} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =1
\end{equation*}が成り立つ。したがって、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)が存在して、それぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( z\right) =1
\end{equation*}を定める。
複素恒等関数は整関数
複素恒等関数は整関数です。
命題(複素恒等関数は整関数)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f\left( z\right) =z
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)は整関数である。
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)は整関数である。
演習問題
問題(コーシー・リーマンの方程式と複素恒等関数の微分)
複素関数\(f:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f\left( z\right) =z
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は\(\mathbb{C} \)上で微分可能であるとともに、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( z\right) =1
\end{equation*}を定めます。本文中では以上のことを微分の定義にもとづいて証明しましたが、同じことをコーシー・リーマンの方程式を用いて証明してください。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は\(\mathbb{C} \)上で微分可能であるとともに、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{C} \rightarrow \mathbb{C} \)はそれぞれの\(z\in \mathbb{C} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( z\right) =1
\end{equation*}を定めます。本文中では以上のことを微分の定義にもとづいて証明しましたが、同じことをコーシー・リーマンの方程式を用いて証明してください。
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