複素数列の定義と具体例
複素数を順番に並べたものを複素数列と呼びます。複素数列はすべての自然数からなる集合を定義域とし、すべての複素数からなる集合を終集合とする写像として定式化することもできます。
複素数列の極限を定義します。
複素数を順番に並べたものを複素数列と呼びます。複素数列はすべての自然数からなる集合を定義域とし、すべての複素数からなる集合を終集合とする写像として定式化することもできます。
複素数列の項が先に進むにつれてある複素数に限りなく近づく場合には、その複素数列は収束すると言い、その複素数を複素数列の極限と呼びます。イプシロン・エヌ論法を用いて収束列の概念を厳密に定義します。
複素数列が収束することと、実部の実数列と虚部の実数列がともに収束することは必要十分であるため、実数列の知識を駆使して複素数列の極限を特定できます。
複素数列の極限に関する基本的な解説について解説します。
複素数列のすべての項からなる集合が有界である場合、それを有界な複素数列と呼びます。収束する複素数列は有界である一方で、有界な複素数列は収束するとは限りません。
複素数列が収束する場合、その定数倍(複素数倍)として定義される複素数列もまた収束します。
2つの複素数列がそれぞれ収束する場合、それらの和として定義される複素数列もまた収束します。
2つの複素数列がそれぞれ収束する場合、それらの差として定義される複素数列もまた収束します。
2つの複素数列がそれぞれ収束する場合、それらの積として定義される複素数列もまた収束します。
2つの複素数列がそれぞれ収束する場合、それらの商として定義される複素数列もまた収束します。
複素数列が収束することと、その各項の共役複素数をとることにより得られる複素数列が収束することは必要十分です。
複素数列が収束する場合には、その各項の絶対値をとることにより得られる実数列もまた収束します。
複素数列の部分列について解説します。
複素数列から無限個の項を抜き出して順番を保ったまま並べてできる複素数列をもとの複素数列の部分列と呼びます。
複素数列が収束することと、その任意の部分列がもとの複素数列の極限と同じ極限へ収束することは必要十分です。以上の事実は、収束する複素数列の極限を特定したり、複素数列が収束しないことを示す上で有用です。
複素数列に関してもボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理が成り立ちます。つまり、複素数列が有界である場合には、それ自身が収束するかどうかを問わず、収束する部分列が必ず存在します。
コーシー列について解説します。
項が先に進むにつれて項の変化がどこまでも小さくなっていく複素数数列をコーシー列と呼びます。
複素数列がコーシー列である場合、その数列は有界です。その一方で、有界な複素数列はコーシー列であるとは限りません。
複素数列がコーシー列であることと、その複素数列が複素数へ収束することは必要十分です。
代表的な複素数列について解説します。
隣り合う項が共通の差を持つ複素数列を等差複素数列と呼びます。等差複素数列を定義するとともに、その部分和を明らかにした上で、等差複素数列が収束する・収束しない条件を明らかにします。
隣り合う項が共通の比を持つ複素数列を等比複素数列と呼びます。等比複素数列を定義するとともに、その部分和を明らかにした上で、等比複素数列が収束する・収束しない条件を明らかにします。
本節を学ぶ上で以下の知識が役に立ちます。
命題論理の基本単位が命題変数であったのに対し、述語論理では命題関数と呼ばれる概念が基本単位となります。それにより扱うことのできる言明の範囲が広がるとともに、量化と呼ばれる操作が可能になります。
本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。
命題論理の基本単位が命題変数であったのに対し、述語論理では命題関数と呼ばれる概念が基本単位となります。それにより扱うことのできる言明の範囲が広がるとともに、量化と呼ばれる操作が可能になります。