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凸関数・凹関数

アフィン関数は凸関数かつ凹関数

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アフィン関数は凸関数かつ凹関数

区間上に定義された1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、何らかの定数\(a,b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =ax+b
\end{equation*}と表されるものとします。つまり、\(f\)はアフィン関数であるということです。

アフィン関数\(f\)の形状は2つの定数\(a,b\)の値に依存しますが、\(a,b\)がどのような値であっても\(f\)は凸関数かつ凹関数です。

命題(1変数のアフィン関数は凸関数かつ凹関数)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、定数\(a,b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =ax+b
\end{equation*}と表されるものとする。\(a,b\)の値によらず、\(f\)は凸関数かつ凹関数である。
証明

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例(1次関数)
1変数のアフィン関数は全区間\(\mathbb{R} \)上に定義可能であるため、定数\(a,b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =ax+b
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} \)は\(\mathbb{R} \)上の区間であり、なおかつ\(f\)はアフィン関数であるため、先の命題より\(f\)は凸関数かつ凹関数です。
例(定数関数)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、定数\(b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =b
\end{equation*}と表されるものとします。つまり、\(f\)は定数関数です。定数関数は特別なアフィン関数であるため、先の命題より、\(f\)は凸関数かつ凹関数です。
例(恒等関数)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、\begin{equation*}f\left( x\right) =x
\end{equation*}であるものとします。つまり、\(f\)は恒等関数です。恒等関数は特別なアフィン関数であるため、先の命題より、\(f\)は凸関数かつ凹関数です。
例(アフィン関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2x+1
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)はアフィン関数であるため、先の命題より、\(f\)は凸関数かつ凹関数です。
例(アフィン関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =-2x-1
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)はアフィン関数であるため、先の命題より、\(f\)は凸関数かつ凹関数です。

凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して定める値が、ベクトル\(\boldsymbol{a}\in \mathbb{R} ^{n}\)およびスカラー\(b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{eqnarray*}f\left( \boldsymbol{x}\right) &=&\boldsymbol{a}\cdot \boldsymbol{x}+b \\
&=&a_{1}x_{1}+\cdots +a_{n}x_{n}+b
\end{eqnarray*}と表されるものとします。つまり、関数\(f\)はアフィン関数であるということです。

アフィン関数\(f\)の形状はベクトル\(\boldsymbol{a}\)とスカラー\(b\)の値に依存しますが、\(\boldsymbol{a},b\)がどのような値であっても\(f\)は凸関数かつ凹関数です。

命題(多変数のアフィン関数は凸関数かつ凹関数)
凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して定める値が、ベクトル\(\boldsymbol{a}\in \mathbb{R} ^{n}\)およびスカラー\(b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( \boldsymbol{x}\right) =\boldsymbol{a}\cdot \boldsymbol{x}+b
\end{equation*}と表されるものとする。\(\boldsymbol{a},b\)の値によらず、\(f\)は凸関数かつ凹関数である。
証明

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例(アフィン関数)
多変数のアフィン関数は\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義可能であるため、ベクトル\(\boldsymbol{a}\in \mathbb{R} ^{n}\)およびスカラー\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、それぞれの\(\boldsymbol{x}\in \mathbb{R} ^{n}\)に対して、\begin{equation*}f\left( \boldsymbol{x}\right) =\boldsymbol{a}\cdot \boldsymbol{x}+b
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} ^{n}\)は\(\mathbb{R} ^{n}\)上の凸集合であり、なおかつ\(f\)は1次関数であるため、先の命題より\(f\)は凸関数かつ凹関数です。
例(アフィン関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =x+2y+3
\end{equation*}を定めるものとします。\(\mathbb{R} ^{2}\)は\(\mathbb{R} ^{2}\)上の凸集合であり、なおかつ\(f\)はアフィン関数であるため、先の命題より\(f\)は凸関数かつ凹関数です。
例(アフィン関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =-x-2y-3
\end{equation*}を定めるものとします。\(\mathbb{R} ^{2}\)は\(\mathbb{R} ^{2}\)上の凸集合であり、なおかつ\(f\)はアフィン関数であるため、先の命題より\(f\)は凸関数かつ凹関数です。

 

アフィン関数の定数倍

区間上に定義された1変数のアフィン関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、定数\(a,b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =ax+b
\end{equation*}と表されるということです。実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で関数\begin{equation*}cf:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義すると、これはそれぞれの\(x\in I\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( cf\right) \left( x\right) &=&cf\left( x\right) \\
&=&c\left( ax+b\right) \\
&=&acx+bc
\end{eqnarray*}を定めるため、\(cf\)もまたアフィン関数です。アフィン関数は凸かつ凹であるため\(cf\)は凸かつ凹関数です。

命題(1変数のアフィン関数の定数倍は凸関数かつ凹関数)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、定数\(a,b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =ax+b
\end{equation*}と表されるものとする。実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で関数\(cf:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a,b,c\)の値によらず、\(f\)は凸関数かつ凹関数である。

凸集合上に定義された多変数のアフィン関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して定める値が、ベクトル\(a\in \mathbb{R} ^{n}\)およびスカラー\(b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{eqnarray*}f\left( \boldsymbol{x}\right) &=&a\cdot \boldsymbol{x}+b \\
&=&a_{1}x_{1}+\cdots +a_{n}x_{n}+b
\end{eqnarray*}と表されるということです。スカラー\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で関数\begin{equation*}cf:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義すると、これはそれぞれの\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( cf\right) \left( \boldsymbol{x}\right) &=&cf\left( \boldsymbol{x}\right) \\
&=&c\left( a\cdot \boldsymbol{x}+b\right) \\
&=&ca\cdot \boldsymbol{x}+cb \\
&=&ca_{1}x_{1}+\cdots +ca_{n}x_{n}+cb
\end{eqnarray*}を定めるため、\(cf\)もまたアフィン関数です。アフィン関数は凸かつ凹であるため\(cf\)は凸かつ凹関数です。

命題(多変数のアフィン関数のスカラー倍は凸関数かつ凹関数)
凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して定める値が、ベクトル\(a\in \mathbb{R} ^{n}\)およびスカラー\(b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( \boldsymbol{x}\right) =a\cdot \boldsymbol{x}+b
\end{equation*}と表されるものとする。スカラー\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で関数\(cf:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a,b,c\)の値によらず、\(f\)は凸関数かつ凹関数である。

 

アフィン関数と凸関数・凹関数の和

アフィン関数と凸関数の和は凸関数であり、アフィン関数と凹関数の和は凹関数です。

命題(アフィン関数と凸関数・凹関数の和)
区間上に定義された関数\(f,g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれ任意に与えられたとき、そこから関数\(f+g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が凸関数であるならば、\(f+g\)もまた凸関数である。
  2. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が狭義凸関数であるならば、\(f+g\)もまた狭義凸関数である。
  3. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が凹関数であるならば、\(f+g\)もまた凹関数である。
  4. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が狭義凹関数であるならば、\(f+g\)もまた狭義凹関数である。
  5. \(f,g\)がともにアフィン関数であるならば、\(f+g\)は凸関数かつ凹関数である。
証明

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例(アフィン関数と凸関数の和)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2x+1+e^{x}
\end{equation*}を定めるものとします。\(2x+1\)はアフィン関数で\(e^{x}\)は狭義凸関数であるため、それらの和である\(f\)は狭義凸関数です。
例(アフィン関数と凹関数の和)
関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2x+1+\ln \left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(2x+1\)はアフィン関数で\(\ln \left( x\right) \)は狭義凹関数であるため、それらの和である\(f\)は狭義凹関数です。

多変数関数についても同様の主張が成り立ちます。

命題(アフィン関数と凸関数・凹関数の和)
凸集合上に定義された関数\(f,g:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれ任意に与えられたとき、そこから関数\(f+g:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が凸関数であるならば、\(f+g\)もまた凸関数である。
  2. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が狭義凸関数であるならば、\(f+g\)もまた狭義凸関数である。
  3. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が凹関数であるならば、\(f+g\)もまた凹関数である。
  4. \(f,g\)の一方がアフィン関数で他方が狭義凹関数であるならば、\(f+g\)もまた狭義凹関数である。
  5. \(f,g\)がともにアフィン関数であるならば、\(f+g\)は凸関数かつ凹関数である。
証明

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例(アフィン関数と凸関数・凹関数の和)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =x+y+e^{x+y}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)はアフィン関数\(x+y\)と狭義凸関数\(e^{x+y}\)の和であるため、\(f\)は狭義凸関数です。
例(アフィン関数と凸関数・凹関数の和)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =x+y+\ln \left( x+y\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(X\)は\(f\)の定義域であり、\begin{equation*}X=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ x+y>0\right\}
\end{equation*}です。\(f\)はアフィン関数\(x+y\)と狭義凹関数\(\ln \left(x+y\right) \)の和であるため、\(f\)は狭義凹関数です。

 

アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数

アフィン関数と凸関数ないし凹関数の合成関数について以下が成り立ちます。

命題(アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数)
区間上に定義された関数である\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \supset J\rightarrow \mathbb{R} \)の間に\(f\left( I\right) \subset J\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)がアフィン関数であり\(g\)が単調増加の凸関数であるならば、\(g\circ f\)は凸関数である。
  2. \(f\)が凸関数であり\(g\)がアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は凸関数である。
  3. \(f\)が定数関数ではないアフィン関数であり\(g\)が狭義凸関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凸関数である。
  4. \(f\)が狭義凸関数であり\(g\)が狭義単調増加のアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凸関数である。
  5. \(f\)がアフィン関数であり\(g\)が単調増加の凹関数であるならば、\(g\circ f\)は凹関数である。
  6. \(f\)が定数関数ではないアフィン関数であり\(g\)が狭義凹関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凹関数である。
  7. \(f\)が凹関数であり\(g\)がアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は凹関数である。
  8. \(f\)が狭義凹関数であり\(g\)がアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凹関数である。
  9. \(f,g\)がともにアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は凸関数かつ凹関数である。
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例(アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{2x+1}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は定数関数ではないアフィン関数\(2x+1\)と狭義凸関数\(e^{x}\)の合成関数であるため、\(f\)は狭義凸関数です。
例(アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( 2x+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は定数関数ではないアフィン関数\(2x+1\)と狭義凹関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数であるため、\(f\)は狭義凹関数です。

1変数関数と多変数関数の合成関数についても同様の主張が成り立ちます。

命題(アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数)
凸集合上に定義された関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と区間上に定義された関数\(g:\mathbb{R} \supset J\rightarrow \mathbb{R} \)の間に\(f\left( X\right) \subset J\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)がアフィン関数であり\(g\)が単調増加の凸関数であるならば、\(g\circ f\)は凸関数である。
  2. \(f\)が凸関数であり\(g\)がアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は凸関数である。
  3. \(f\)が定数関数ではないアフィン関数であり\(g\)が狭義凸関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凸関数である。
  4. \(f\)が狭義凸関数であり\(g\)が狭義単調増加のアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凸関数である。
  5. \(f\)がアフィン関数であり\(g\)が単調増加の凹関数であるならば、\(g\circ f\)は凹関数である。
  6. \(f\)が定数関数ではないアフィン関数であり\(g\)が狭義凹関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凹関数である。
  7. \(f\)が凹関数であり\(g\)がアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は凹関数である。
  8. \(f\)が狭義凹関数であり\(g\)がアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凹関数である。
  9. \(f,g\)がともにアフィン関数であるならば、\(g\circ f\)は凸関数かつ凹関数である。
証明

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例(アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =e^{x+y}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は定数関数ではないアフィン関数\(x+y\)と狭義凸関数\(2^{x}\)の合成関数であるため、\(f\)は狭義凸関数です。
例(アフィン関数と凸関数・凹関数の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\ln \left( x+y\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(X\)は\(f\)の定義域であり、\begin{equation*}X=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ x+y>0\right\}
\end{equation*}です。\(f\)は定数関数ではないアフィン関数\(x+y\)と狭義凹関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数であるため、\(f\)は狭義凹関数です。

 

演習問題

問題(1次関数と凸関数の合成関数)
それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2e^{x}+1
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が狭義凸関数であることを示してください。
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問題(1次関数と凹関数の合成関数)
それぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2\ln \left( x\right) +1
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)が狭義凹関数であることを示してください。
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問題(1次関数は凸関数かつ凹関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{2}x-1
\end{equation*}を定めるものとします。逆関数\(f^{-1}\)を求めた上で、それが凸関数かつ凹関数であることを示してください。
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