集合 X から集合 Y への対応 f が与えられたとき、f のもとでの像が非空であるような X の要素からなる集合を f の定義域と呼びます。一方、f のもとでの逆像が非空であるような Y の要素からなる集合を f の値域と呼びます。

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2019年4月7日:公開

対応の定義域

対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)とそのグラフ\(G\left( f\right) \)が与えられたとき、\(\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \)を満たす\(Y\)の要素\(y\)が存在するようなすべての\(X\)の要素\(x\)からなる集合を、\begin{equation*}
D\left( f\right) =\left\{ x\in X\ |\ \exists y\in Y:\ \left( x,y\right) \in G\left( f\right) \right\}
\end{equation*}で表し、これを\(f\)の定義域(domain)と呼びます。

対応のグラフについて復習する

対応のグラフ\(G\left( f\right) \)の定義より、任意の\(\left( x,y\right) \in X\times Y\)に対して、\begin{equation*}
\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \ \Leftrightarrow \ y\in f\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立つため、対応の定義域を、\begin{align*}
D\left( f\right) & =\left\{ x\in X\ |\ \exists y\in Y:\ y\in f\left( x\right) \right\} \\
& =\left\{ x\in X\ |\ f\left( x\right) \not=\phi \right\}
\end{align*}と定義することもできます。つまり、\(f\left( x\right) \)が非空であるようなすべての\(X\)の要素\(x\)からなる集合が\(f\)の定義域です。

対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)と順序対\(\left( x,y\right) \in X\times Y\)に対して、\begin{equation*}
x\in f^{-1}\left( y\right) \ \Leftrightarrow \ y\in f\left( x\right)
\end{equation*}という関係が常に成り立つため、\(f\)の定義域を、\begin{equation*}
D\left( f\right) =\left\{ x\in X\ |\ \exists y\in Y:\ x\in f^{-1}\left( y\right) \right\}
\end{equation*}と定義することもできます。つまり、何らかの\(Y\)の要素\(y\)の逆像\(f^{-1}\left( y\right) \)に属する\(X\)の要素からなる集合が\(f\)の定義域です。

以上の議論をまとめると、対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)の定義域は、\begin{align*}
D\left( f\right) & =\left\{ x\in X\ |\ \exists y\in Y:\ \left( x,y\right) \in G\left( f\right) \right\} \\
& =\left\{ x\in X\ |\ \exists y\in Y:\ y\in f\left( x\right) \right\} \\
& =\left\{ x\in X\ |\ f\left( x\right) \not=\phi \right\} \\
& =\left\{ x\in X\ |\ \exists y\in Y:\ x\in f^{-1}\left( y\right) \right\}
\end{align*}などと様々な形で表現できます。

図:対応の定義域

対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)の定義域\(D\left( f\right) \)を上に図示しました。上図では\(D\left( f\right) \)に属する\(X\)の点\(x\)に対して\(\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \)を満たす\(Y\)の点\(y\)が必ず存在することを確認できます。一方、\(D\left( f\right) \)に属さない任意の\(X\)の点\(x\)に対してはそのような\(Y\)の点は存在しません。

ちなみに、写像\(f:X\rightarrow Y\)については始集合\(X\)と定義域\(D\left( f\right) \)が常に一致することは既に示した通りですが、対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)に関しては\(X=D\left( f\right) \)は成り立つとは限りません。その証明は演習問題とします。

写像の始集合と定義域が一致することについて復習する 演習問題(プレミアム会員限定)

 

対応の値域

対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)とそのグラフ\(G\left( f\right) \)が与えられたとき、\(\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \)を満たす\(X\)の要素\(x\)が存在するようなすべての\(Y\)の要素\(y\)からなる集合を、\begin{equation*}
R(f)=\{y\in Y\ |\ \exists x\in X:(x,y)\in G(f)\}
\end{equation*}で表し、これを\(f\)の値域(range)と呼びます。

対応のグラフ\(G\left( f\right) \)の定義より、任意の\(\left( x,y\right) \in X\times Y\)に対して、\begin{equation*}
\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \ \Leftrightarrow \ y\in f\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立つため、対応の値域を、\begin{equation*}
R(f)=\{y\in Y\ |\ \exists x\in X:y\in f\left( x\right) \}
\end{equation*}と定義することもできます。つまり、何らかの\(X\)の要素\(X\)との間に\(y\in f\left( x\right) \)という関係が成立するようなすべての\(Y\)の要素\(y\)からなる集合が\(f\)の値域です。

順序対\(\left( x,y\right) \in X\times Y\)を任意に選んだとき、\begin{equation*}
x\in f^{-1}\left( y\right) \ \Leftrightarrow \ y\in f\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立つため、対応の値域を、\begin{eqnarray*}
R(f) &=&\{y\in Y\ |\ \exists x\in X:x\in f^{-1}\left( y\right) \} \\
&=&\{y\in Y\ |\ f^{-1}\left( y\right) \not=\phi \}
\end{eqnarray*}と定義することもできます。つまり、\(f^{-1}\left( y\right) \)が非空であるようなすべての\(Y\)の要素\(y\)からなる集合が\(f\)の値域です。

以上の議論をまとめると、対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)の値域は、\begin{align*}
R\left( f\right) & =\left\{ y\in Y\ |\ \exists x\in X:\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \right\} \\
& =\left\{ y\in Y\ |\ \exists x\in X:\ y\in f\left( x\right) \right\} \\
& =\left\{ y\in Y\ |\ \exists x\in X:\ x\in f^{-1}\left( y\right) \right\} \\
& =\left\{ y\in Y\ |\ f^{-1}\left( y\right) \not=\phi \right\}
\end{align*}などと様々な形で表現できます。

図:対応の値域

対応\(f:X\twoheadrightarrow Y\)の値域\(R\left( f\right) \)を上に図示しました。上図では\(R\left( f\right) \)に属する\(Y\)の点\(y\)に対して\(\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \)を満たす\(X\)の点\(x\)が必ず存在することを確認できます。一方、\(R\left( f\right) \)に属さない任意の\(Y\)の点\(y\)に対してはそのような\(X\)の点は存在しません。

次回から対応による集合の像、上逆像、下逆像などの概念について学びます。
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