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ノルム関数の連続性

ノルム関数\begin{equation*}
\left\Vert x\right\Vert :\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義域上の点\(a\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されている場合、点\(a\)において連続であることが保証されます。

命題(ノルム関数の連続性)
ノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert :\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義域上の点\(a\in X\)の周辺の任意の点において定義されているならば、\(\left\Vert x\right\Vert \)は点\(a\)において連続である。
証明

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例(ノルム関数の連続性)
ノルム関数は\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義可能であるため、関数\(\left\Vert x\right\Vert :\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} ^{n}\)は開集合であるため、点\(a\in \mathbb{R} ^{n}\)を任意に選んだとき、\(\left\Vert x\right\Vert \)は点\(a\)の周辺の任意の点において定義されており、したがって先の命題より\(\left\Vert x\right\Vert \)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} ^{n}\)上の任意の点において同様の議論が成立します。つまり、\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義されたノルム関数は\(\mathbb{R} ^{n}\)上で連続であるということです。

 

ベクトル値関数とノルム関数の合成関数の連続性

ベクトル値関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ^{n}\)を任意に選んだとき、その値域はノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert :\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)の定義域の部分集合であるため、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}g\left( x\right) &=&\left\Vert f\left( x\right) \right\Vert \\
&=&\left\Vert f_{1}\left( x\right) ,\cdots ,f_{n}\left( x\right) \right\Vert
\\
&=&\sqrt{\left[ f_{1}\left( x\right) \right] ^{2}+\cdots +\left[ f_{n}\left(
x\right) \right] ^{2}} \\
&=&\sqrt{\sum_{i=1}^{n}\left[ f_{i}\left( x\right) \right] ^{2}}
\end{eqnarray*}を定める合成関数\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。ただし、\(f_{i}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \ \left( i=1,\cdots ,n\right) \)はベクトル値関数\(f\)の成分関数です。

ベクトル値関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ^{n}\)が定義域上の点\(a\in X\)の周辺の任意の点において定義されているとともに点\(a\)において連続であるものとします。\(f\left( a\right) \in \mathbb{R} ^{n}\)ゆえにノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert :\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)は点\(f\left( a\right) \)の周辺の任意の点において定義されているため点\(f\left(a\right) \)において連続です。すると、ベクトル値関数と多変数関数の合成関数の連続性より、合成関数\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)もまた点\(a\)において連続であることが保証されます。

例(ベクトル値関数とノルム関数の合成関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\Vert \left( x+1,x^{2}+1\right) \right\Vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)はベクトル値関数\(\left( x+1,x^{2}+1\right) \)とノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert \)の合成関数です。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、ベクトル値関数\(\left(x+1,x^{2}+1\right) \)は点\(a\)において連続です。加えて、ノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert \)は点\(\left( a+1,a^{2}+1\right) \)において連続であるため、合成関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \)上の任意の点について同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(ベクトル値関数とノルム関数の合成関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\Vert \left( \frac{1}{x},\frac{1}{x^{2}}\right)
\right\Vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)はベクトル値関数\(\left( \frac{1}{x},\frac{1}{x^{2}}\right) \)とノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert \)の合成関数です。点\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)を任意に選んだとき、ベクトル値関数\(\left( \frac{1}{x},\frac{1}{x^{2}}\right) \)は点\(a\)において連続です。加えて、ノルム関数\(\left\Vert x\right\Vert \)は点\(\left( \frac{1}{a},\frac{1}{a^{2}}\right) \)において連続であるため、合成関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)上の任意の点について同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)上で連続です。

 

演習問題

問題(ノルム関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ -1,0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ -1,0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\Vert \left( \frac{x-1}{x+1},\frac{e^{x}-1}{x},2x^{2}-\pi \right) \right\Vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)が連続な点をすべて明らかにしてください。
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問題(ノルム関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\Vert \left( \sin \left( \frac{1}{x}\right) ,\cos
\left( \frac{1}{x}\right) \right) \right\Vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)が連続な点をすべて明らかにしてください。
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