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多変数の多項式関数の連続性

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多変数の多項式関数の連続性

多変数関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が多項式関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、非負の整数\(n\in \mathbb{Z} _{+}\)と実数\(c_{k_{1},\cdots ,k_{n}}\in \mathbb{R} \ \left( k_{i}=0,1,\cdots ,n\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sum_{k_{1}=0}^{n}\cdots \sum_{k_{n}=0}^{n}c_{k_{1},\cdots
,k_{n}}x_{1}^{k_{1}}\cdots x_{n}^{k_{n}}
\end{equation*}という形で表すことができるということです。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されている場合、点\(a\)において連続であることが保証されます。

命題(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、非負の整数\(n\in \mathbb{Z} _{+}\)と実数\(c_{k_{1},\cdots ,k_{n}}\in \mathbb{R} \ \left( k_{i}=0,1,\cdots ,n\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sum_{k_{1}=0}^{n}\cdots \sum_{k_{n}=0}^{n}c_{k_{1},\cdots
,k_{n}}x_{1}^{k_{1}}\cdots x_{n}^{k_{n}}
\end{equation*}と表されるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)の周辺の任意の点において定義されているならば、\(f\)は点\(a\)において連続である。
証明

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例(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} ^{n}\)に対して定める値が、非負の整数\(n\in \mathbb{Z} _{+}\)と実数\(c_{k_{1},\cdots ,k_{n}}\in \mathbb{R} \ \left( k_{i}=0,1,\cdots ,n\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sum_{k_{1}=0}^{n}\cdots \sum_{k_{n}=0}^{n}c_{k_{1},\cdots
,k_{n}}x_{1}^{k_{1}}\cdots x_{n}^{k_{n}}
\end{equation*}と表されるものとします。\(\mathbb{R} ^{n}\)は開集合であるため、点\(a\in \mathbb{R} ^{n}\)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)の周辺の任意の点において定義されており、したがって上の命題より\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} ^{n}\)上の任意の点において同様の議論が成立します。つまり、\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義された多変数の多項式関数は\(\mathbb{R} ^{n}\)上で連続であるということです。
例(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =x^{4}+y^{4}-4x^{2}y^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は\(\mathbb{R} ^{2}\)上に定義された多項式関数であるため\(\mathbb{R} ^{2}\)上で連続です。
例(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{3}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y,z\right) \in \mathbb{R} ^{3}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y,z\right) =3x^{3}+2x^{2}y-xy+xyz+z^{3}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は\(\mathbb{R} ^{3}\)上に定義された多項式関数であるため\(\mathbb{R} ^{3}\)上で連続です。
例(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\sin \left( x^{2}+xy+y^{2}\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多変数の多項式関数\(x^{2}+xy+y^{2}\)と正弦関数\(\sin \left( x\right) \)の合成関数です。多変数の多項式関数と正弦関数はともに連続であるため、それらの合成関数である\(f\)は\(\mathbb{R} ^{2}\)上で連続です。
例(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\ln \left( x^{2}+y^{2}+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多変数の多項式関数\(x^{2}+y^{2}+1\)と対数関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数です。多変数の多項式関数と対数関数はともに連続であるため、それらの合成関数である\(f\)は\(\mathbb{R} ^{2}\)上で連続です。

 

演習問題

問題(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\left( 1-\frac{x^{2}}{9}-\frac{y^{2}}{4}\right) ^{\frac{1}{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(f\)の定義域は、\begin{equation*}X=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ 1-\frac{x^{2}}{9}-\frac{y^{2}}{4}\geq 0\right\}
\end{equation*}です。\(f\)が連続な点を明らかにしてください。
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問題(多変数の多項式関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} ^{3}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y,z\right) \in \mathbb{R} ^{3}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y,z\right) =\left\vert 1-\frac{x^{2}}{9}-\frac{y^{2}}{4}+z^{2}\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)が連続な点を明らかにしてください。
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