収束列と収束数列の関係

ユークリッド空間上の点列が収束することは、点列の成分を要素とするすべての数列が収束することとして特徴づけられます。

点列から生成される数列

ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)の点列\(\{x_{v}\}\)の各項\(x_{1},x_{2},\cdots ,x_{v},\cdots \)を成分を特定する形で表記すると、\begin{eqnarray*}
x_{1} &=&\left( x_{1}^{1},x_{2}^{1},\cdots ,x_{n}^{1}\right) \\
x_{2} &=&\left( x_{1}^{2},x_{2}^{2},\cdots ,x_{n}^{2}\right) \\
&&\vdots \\
x_{v} &=&\left( x_{1}^{v},x_{2}^{v},\cdots ,x_{n}^{v}\right) \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}となります。ここで、それぞれの項\(x_{1},x_{2},\cdots ,x_{v},\cdots \)から第\(k\in \{1,\cdots ,n\}\)成分を抽出すれば、\begin{equation*}
x_{k}^{1},x_{k}^{2},\cdots ,x_{k}^{v},\cdots
\end{equation*}という数列\(\{x_{k}^{v}\}_{v\in \mathbb{N}}\)が得られます。つまり、\(\{x_{k}^{v}\}_{v\in \mathbb{N}}\)は点列\(\{x_{v}\}\)の各項の第\(k\)成分からなる数列であり、点列\(\{x_{v}\}\)の各項から何番目の成分を取り出すかによって、このような数列は\(n\)個存在します。

例(点列から構成される数列)
\(3\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{3}\)における点列\(\{x_{v}\}\)の各項が、\begin{eqnarray*}
x_{1} &=&\left( x_{1}^{1},x_{2}^{1},x_{3}^{1}\right) =\left( 1,1^{2},1^{3}\right) \\
x_{2} &=&\left( x_{1}^{2},x_{2}^{2},x_{3}^{2}\right) =\left( 2,2^{2},2^{3}\right) \\
&&\vdots \\
x_{v} &=&\left( x_{1}^{v},x_{2}^{v},x_{3}^{v}\right) =\left( v,v^{2},v^{3}\right) \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}であるとき、この点列から得られる3つの数列は、\begin{eqnarray*}
\{x_{1}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} } &=&1,2,\cdots ,v,\cdots \\
\{x_{2}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} } &=&1^{2},2^{2},\cdots ,v^{2},\cdots \\
\{x_{3}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} } &=&1^{3},2^{3},\cdots ,v^{3},\cdots
\end{eqnarray*}となります。
例(点列から構成される数列)
\(2\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{2}\)における点列\(\{x_{v}\}\)の一般項が、\begin{equation*}
x_{v}=\left( x_{1}^{v},x_{2}^{v}\right) =\left( 1+\frac{1}{2v},2-\frac{1}{2v}\right)
\end{equation*}で与えられるとき、この点列からは、\begin{equation*}
x_{1}^{v}=1+\frac{2}{2v}
\end{equation*}を一般項とする数列\(\{x_{1}^{v}\}_{v\in \mathbb{N}}\)と、\begin{equation*}
x_{2}^{v}=2-\frac{1}{2v}
\end{equation*}を一般項とする数列\(\{x_{2}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} }\)が得られます。

 

収束列と収束数列の関係

ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)の点列\(\{x_{v}\}\)がある点\(\alpha =\left( \alpha _{1},\cdots ,\alpha _{n}\right) \in \mathbb{R} ^{n}\)に収束することは、\(\{x_{v}\}\)から得られるそれぞれの数列\(\{x_{k}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} }\ \left( k=1,2,\cdots ,n\right) \)が、点\(\alpha \)の第\(k\)成分である実数\(\alpha _{k}\)に収束することとして特徴づけられます。

命題(収束列と収束数列の関係)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)の点列\(\{x_{v}\}\)が与えられたとき、その一般項\(x_{v}\)の第\(k\in \{1,2,\cdots ,n\}\)成分である\(x_{k}^{v}\)を一般項とする数列を\(\{x_{k}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} }\)で表す。このとき、点\(\alpha =\left( \alpha _{1},\alpha _{2},\cdots ,\alpha _{n}\right) \in \mathbb{R} ^{n}\)に対して、\begin{equation*}
\forall k\in \{1,2,\cdots ,n\}:\lim_{v\rightarrow \infty }x_{k}^{v}=\alpha _{k}
\end{equation*}が成り立つことは、\(\lim\limits_{v\rightarrow \infty }x_{v}=\alpha \)が成り立つための必要十分条件である。
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上の命題は、収束点列に関する議論は収束数列に関する議論へと帰着させることができることを示唆します。

例(点列から構成される数列)
\(2\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{2}\)における点列\(\{x_{v}\}\)の一般項が、\begin{equation*}
x_{v}=\left( x_{1}^{v},x_{2}^{v}\right) =\left( 1+\frac{1}{2v},2-\frac{1}{2v}\right)
\end{equation*}で与えられるとき、数列\(\{x_{1}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} }\)に関しては、\begin{equation*}
\lim_{v\rightarrow \infty }x_{1}^{v}=\lim_{v\rightarrow \infty }\left( 1+\frac{1}{2v}\right) =1
\end{equation*}が成り立ち、数列\(\{x_{2}^{v}\}_{v\in \mathbb{N} }\)に関しては、\begin{equation*}
\lim_{v\rightarrow \infty }x_{2}^{v}=\lim_{v\rightarrow \infty }\left( 2-\frac{1}{2v}\right) =2
\end{equation*}が成り立ちます。したがって先の命題より\(\lim\limits_{v\rightarrow \infty }x_{v}=\left( 1,2\right) \)が成り立ちます。

次回は有界な点列の性質について解説します。
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