論理式を生成するために部品となるすべての論理式をもとの論理式の部分論理式と呼びます。
< 前のページ
次のページ >

部分論理式

命題関数\(P\left( x,y\right) ,Q\left( x\right) \)から生成される、\begin{equation}
\forall x\in X\ \left( \lnot P\left( x,y\right) \wedge Q\left( x\right)
\right) \quad\cdots (1)
\end{equation}が論理式であることを順番に確認します。まず、命題関数は論理式とみなされるため、\begin{equation}
P\left( x,y\right) ,\ Q\left( x\right) \quad\cdots (2)
\end{equation}はいずれも論理式です。\(P\left( x,y\right) \)が論理式であるならば、それに論理演算子\(\lnot \)をさせて得られる、\begin{equation}
\lnot P\left( x,y\right) \quad\cdots (3)
\end{equation}は論理式です。\(Q\left( x\right) \)と\(\lnot P\left( x,y\right) \)が論理式であるならば、それらに論理演算子\(\wedge \)を作用させて得られる、\begin{equation}
\lnot P\left( x,y\right) \wedge Q\left( x\right) \quad\cdots (4)
\end{equation}は論理式です。\(\left( 4\right) \)が論理式であるならば、それに量化記号\(\forall \)を作用させて得られる\(\left( 1\right) \)は論理式です。

論理式\(\left( 1\right)\) を生成する過程において登場した\(\left( 2\right) ,\left( 3\right) ,\left( 4\right) \)の論理式に\(\left( 1\right)\) 自身を加えたものを\(\left( 1\right)\) の部分論理式(subformula)と呼びます。つまり、ある論理式の部分論理式とは、その論理式を生成するために部品となるすべての論理式を指します。また、論理式自身をその論理式の部分論理式とみなします。

論理式Aが与えられたとき、その部分論理式を以下のように再帰的に定義します。

  1. 論理式\(A\)自身は\(A\)の部分論理式である。
  2. 論理式\(A\)が論理式\(B\)を用いて\(\left( \lnot B\right) \)の形で表されているとき、\(B\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式でもある。
  3. 論理式\(A\)が論理式\(B,C\)を用いて\(\left( B\wedge C\right) \)の形で表されているとき、\(B,C\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
  4. 論理式\(A\)が論理式\(B,C\)を用いて\(\left( B\vee C\right) \)の形で表されているとき、\(B,C\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
  5. 論理式\(A\)が論理式\(B,C\)を用いて\(\left( B\veebar C\right)\)の形で表されているとき、\(B,C\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
  6. 論理式\(A\)が論理式\(B,C\)を用いて\(\left( B\rightarrow C\right)\)の形で表されているとき、\(B,C\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
  7. 論理式\(A\)が論理式\(B,C\)を用いて\(\left( B\leftrightarrow C\right)\)の形で表されているとき、\(B,C\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
  8. 論理式\(A\)が論理式\(B\)と変数\(x\in X\)を用いて\( \left( \forall x\in X\ B\right) \)の形で表されているとき、\(B\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
  9. 論理式\(A\)が論理式\(B\)と変数\(x\in X\)を用いて\( \left( \exists x\in X\ B\right) \)の形で表されているとき、\(B\)の部分論理式はすべて\(A\)の部分論理式である。
例(部分論理式)
命題関数\(P\left( x\right)\) から生成される論理式\(\lnot P\left( x\right) \)の部分論理式を特定します。下の表の左側の列には論理式が、右側の列にはその部分論理式が記されています。
$$\begin{array}{cc}
\hline
論理式 & 部分論理式 \\ \hline
P\left( x\right) & P\left( x\right) \\ \hline
\lnot P\left( x\right) & P\left( x\right) ,\ \lnot P\left( x\right) \\
\hline
\end{array}$$
例(部分論理式)
命題関数P\(\left( x\right) ,Q\left( y\right) \)から生成される論理式\(\lnot P\left( x\right) \wedge Q\left( y\right) \)の部分論理式を特定します。下の表の左側の列には論理式が、右側の列にはその部分論理式が記されています。
$$\begin{array}{cc}
\hline
論理式 & 部分論理式 \\ \hline
P\left( x\right) & P\left( x\right) \\ \hline
Q\left( x\right) & Q\left( x\right) \\ \hline
\lnot P\left( x\right) & P\left( x\right) ,\ \lnot P\left( x\right) \\ \hline
\lnot P\left( x\right) \wedge Q\left( y\right) & P\left( x\right) ,\ \lnot P\left( x\right) ,\ Q\left( x\right) ,\ \lnot P\left( x\right) \wedge Q\left( y\right) \\ \hline
\end{array}$$
例(部分論理式)
命題関数\(P\left( x\right) ,Q\left( y\right) \)から生成される論理式\(\forall x\in X\ \left( \lnot P\left( x\right) \right) \)の部分論理式を特定します。下の表の左側の列には論理式が、右側の列にはその部分論理式が記されています。
$$\begin{array}{cc}
\hline
論理式 & 部分論理式 \\ \hline
P\left( x\right) & P\left( x\right) \\ \hline
\lnot P\left( x\right) & P\left( x\right) ,\ \lnot P\left( x\right) \\ \hline
\forall x\in X\ \left( \lnot P\left( x\right) \right) & P\left( x\right) ,\ \lnot P\left( x\right) ,\ \forall x\in X\ \left( \lnot P\left( x\right) \right) \\ \hline
\end{array}$$

次回は閉論理式と開論理式について学びます。

次へ進む 質問・コメント(プレミアム会員限定) 演習問題(プレミアム会員限定)
Share on facebook
Share on twitter
Share on email
< 前のページ
次のページ >

プレミアム会員になると、質問やコメントの投稿と閲覧、プレミアムコンテンツ(命題の証明や演習問題とその解答)へのアクセスなどが可能になります。プレミアム会員の方は以下からログインしてください。

会員登録 | パスワードを忘れましたか?

有料のプレミアム会員になると、質問やコメントの投稿と閲覧、プレミアムコンテンツ(命題の証明や演習問題とその解答)へのアクセスなどが可能になります。

ワイズのユーザーは年齢・性別・学歴・社会的立場などとは関係なく「学ぶ人」として対等であり、お互いを人格として尊重することが求められます。ユーザーが快適かつ安心して「学ぶ」ことに集中できる環境を整備するため、広告やスパム投稿、他のユーザーを貶めたり威圧する発言、学んでいる内容とは関係のない不毛な議論などはブロックすることになっています。詳細はガイドラインをご覧ください。

本サイトは MathJax を実装しているため、コメント文中で LaTex コマンドを利用することで美しい数式を入力できます。その際、インライン数式は\(数式\)で、ディスプレイ数式は$$数式$$という形式でそれぞれ入力してください。 例えば、\(ax^{2}+bx+c=0\)と入力すると\(ax^{2}+bx+c=0\)と表示され、$$ax^{2}+bx+c=0$$と入力すると$$ax^{2}+bx+c=0$$と表示されます。MathJax(LaTex)の文法については次のサイト( https://easy-copy-mathjax.xxxx7.com )などを参照してください。 紙に手書きした数式や図をカメラやスマホで撮影した上で、コメント欄に張り付けることもできます。その場合、コメント入力欄にある「ファイルを選択」ボタンをクリックした上で画像をアップロードしてください。アップロード可能な画像フォーマットは jpg, gif, png の 3 種類、ファイルサイズの上限は 5 MB です。PDF ファイルの添付も可能です。

誤字脱字、リンク切れ、内容の誤りを発見した場合にはコメントに投稿するのではなく、以下のフォームからご連絡をお願い致します。

プレミアム会員だけが質問やコメントを投稿・閲覧できます。

述語論理