多変数のルベーグ可測関数とボレル可測関数の合成関数はルベーグ可測関数
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)および\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合族\(\mathfrak{M}_{\mu }\)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ^{n},\mathfrak{M}_{\mu }\right) \)が与えられているものとします。さらに、ルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)を選んだ上で、\(X\)を定義域とする多変数の実数値関数\begin{equation*}f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義します。加えて、\(f\)は定義域\(X\)上においてルベーグ可測関数であるものとします。
実数空間\(\mathbb{R} \)および\(\mathbb{R} \)上のボレル集合族\(\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ,\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \right) \)が与えられているものとします。さらに、ボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)を選んだ上で、\(Y\)を定義域とする拡大実数値関数\begin{equation*}g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}を定義します。加えて、\(g\)は定義域\(Y\)上において拡大実数値ボレル可測関数であるものとします。
関数\(f\)の値域が関数\(g\)の定義域の部分集合である場合には、つまり、\begin{equation*}f\left( X\right) \subset Y
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\begin{equation*}
g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}が定義可能であり、これはそれぞれのベクトル\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して、以下の拡大実数\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( \boldsymbol{x}\right) =g\left( f\left(
\boldsymbol{x}\right) \right)
\end{equation*}を値として定めます。
以上の状況において、合成関数\(g\circ f\)は定義域\(X\)上において拡大実数値ルベーグ可測関数になります。ルベーグ可測関数とボレル可測関数の合成関数はルベーグ可測関数になるということです。
命題(ルベーグ可測関数とボレル可測関数の合成関数はルベーグ可測関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)上に定義されたルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義された拡大実数値ボレル可測関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が与えられているものとする。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、これは\(X\)上の拡大実数値ルベーグ可測関数になる。
例(ルベーグ可測関数とボレル可測関数の合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)は\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測関数であるため\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義されたルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)をとることができ、全区間\(\mathbb{R} \)は\(\mathbb{R} \)上のボレル集合であるため\(\mathbb{R} \)上に定義された拡大実数値ボレル可測関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)をとることができます。この場合、明らかに合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、先の命題よりこれは\(\mathbb{R} ^{n}\)上の拡大実数値ルベーグ可測関数になります。
例(ルベーグ可測関数とボレル可測関数の合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)上に定義されたルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義されたボレル可測関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。実数値関数がボレル可測であることと、その実数値関数が拡大実数値ボレル可測であることは必要十分であるため、\(g\)は拡大実数値ボレル可測関数でもあります。すると先の命題より合成関数\(g\circ f\)は拡大実数値ルベーグ可測関数になります。ただし、\(g\circ f\)は実数値関数であるため、以上の事実は\(g\circ f\)がルベーグ可測関数であることを意味します。結論を整理すると、実数値関数であるルベーグ可測関数\(f\)とボレル可測関数\(g\)の合成関数である実数値関数\(g\circ f\)はルベーグ可測関数になるということです。
ボレル可測関数どうしの合成関数はボレル可測関数
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)および\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合族\(\mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ,\mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \right) \)が与えられているものとします。さらに、ボレル集合\(X\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)を選んだ上で、\(X\)を定義域とする多変数の実数値関数\begin{equation*}f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義します。加えて、\(f\)は定義域\(X\)上においてボレル可測関数であるものとします。
実数空間\(\mathbb{R} \)および\(\mathbb{R} \)上のボレル集合族\(\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ,\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \right) \)が与えられているものとします。さらに、ボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)を選んだ上で、\(Y\)を定義域とする拡大実数値関数\begin{equation*}g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}を定義します。加えて、\(g\)は定義域\(Y\)上において拡大実数値ボレル可測関数であるものとします。
関数\(f\)の値域が関数\(g\)の定義域の部分集合である場合には、つまり、\begin{equation*}f\left( X\right) \subset Y
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\begin{equation*}
g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}が定義可能であり、これはそれぞれのベクトル\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して、以下の拡大実数\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( \boldsymbol{x}\right) =g\left( f\left(
\boldsymbol{x}\right) \right)
\end{equation*}を値として定めます。
以上の状況において、合成関数\(g\circ f\)は定義域\(X\)上において拡大実数値ボレル可測関数になります。ボレル可測関数どうしの合成関数はボレル可測関数になるということです。
命題(ボレル可測関数どうしの合成関数はボレル可測関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合\(X\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)上に定義されたボレル可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義された拡大実数値ボレル可測関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が与えられているものとする。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、これは\(X\)上の拡大実数値ボレル可測関数になる。
例(ボレル可測関数どうしの合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)は\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合であるため\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義されたボレル可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)をとることができ、全区間\(\mathbb{R} \)は\(\mathbb{R} \)上のボレル集合であるため\(\mathbb{R} \)上に定義された拡大実数値ボレル可測関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)をとることができます。この場合、明らかに合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、先の命題よりこれは\(\mathbb{R} ^{n}\)上の拡大実数値ボレル可測関数になります。
例(ボレル可測関数どうしの合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合\(X\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)上に定義されたボレル可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義されたボレル可測関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。実数値関数がボレル可測であることと、その実数値関数が拡大実数値ボレル可測であることは必要十分であるため、\(g\)は拡大実数値ボレル可測関数でもあります。すると先の命題より合成関数\(g\circ f\)は拡大実数値ボレル可測関数になります。ただし、\(g\circ f\)は実数値関数であるため、以上の事実は\(g\circ f\)がボレル可測関数であることを意味します。結論を整理すると、実数値関数であるボレル可測関数\(f,g\)どうしの合成関数である実数値関数\(g\circ f\)はボレル可測関数になるということです。
ルベーグ可測関数と連続関数の合成関数はルベーグ可測関数
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)および\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合族\(\mathfrak{M}_{\mu }\)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ^{n},\mathfrak{M}_{\mu }\right) \)が与えられているものとします。さらに、ルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)を選んだ上で、\(X\)を定義域とする多変数の実数値関数\begin{equation*}f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義します。加えて、\(f\)は定義域\(X\)上においてルベーグ可測関数であるものとします。
実数空間\(\mathbb{R} \)および\(\mathbb{R} \)上のボレル集合族\(\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ,\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \right) \)が与えられているものとします。さらに、ボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)を選んだ上で、\(Y\)を定義域とする拡大実数値関数\begin{equation*}g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}を定義します。加えて、\(g\)は定義域\(Y\)上において連続関数であるものとします。
関数\(f\)の値域が関数\(g\)の定義域の部分集合である場合には、つまり、\begin{equation*}f\left( X\right) \subset Y
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\begin{equation*}
g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}が定義可能であり、これはそれぞれのベクトル\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して、以下の拡大実数\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( \boldsymbol{x}\right) =g\left( f\left(
\boldsymbol{x}\right) \right)
\end{equation*}を値として定めます。
以上の状況において、合成関数\(g\circ f\)は定義域\(X\)上において拡大実数値ルベーグ可測関数になります。ルベーグ可測関数と連続関数の合成関数はルベーグ可測関数になるということです。
命題(ルベーグ可測関数と連続関数の合成関数はルベーグ可測関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)上に定義されたルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義された拡大実数値連続関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が与えられているものとする。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、これは\(X\)上の拡大実数値ルベーグ可測関数になる。
例(ルベーグ可測関数と連続関数の合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)は\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合であるため\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義されたルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)をとることができ、全区間\(\mathbb{R} \)は\(\mathbb{R} \)上のボレル集合であるため\(\mathbb{R} \)上に定義された拡大実数値連続関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)をとることができます。この場合、明らかに合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、先の命題よりこれは\(\mathbb{R} ^{n}\)上の拡大実数値ルベーグ可測関数になります。
例(ルベーグ可測関数と連続関数の合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)上に定義されたルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義された連続関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。実数値関数が連続であることと、その実数値関数が拡大実数値連続であることは必要十分であるため、\(g\)は拡大実数値連続関数でもあります。すると先の命題より合成関数\(g\circ f\)は拡大実数値ルベーグ可測関数になります。ただし、\(g\circ f\)は実数値関数であるため、以上の事実は\(g\circ f\)がルベーグ可測関数であることを意味します。結論を整理すると、実数値関数であるルベーグ可測関数\(f\)と連続関数\(g\)の合成関数である実数値関数\(g\circ f\)はルベーグ可測関数になるということです。
ボレル可測関数と連続関数の合成関数はボレル可測関数
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)および\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合族\(\mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ,\mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \right) \)が与えられているものとします。さらに、ボレル集合\(X\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)を選んだ上で、\(X\)を定義域とする多変数の実数値関数\begin{equation*}f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義します。加えて、\(f\)は定義域\(X\)上においてボレル可測関数であるものとします。
実数空間\(\mathbb{R} \)および\(\mathbb{R} \)上のボレル集合族\(\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)からなる可測空間\(\left( \mathbb{R} ,\mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \right) \)が与えられているものとします。さらに、ボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)を選んだ上で、\(Y\)を定義域とする拡大実数値関数\begin{equation*}g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}を定義します。加えて、\(g\)は定義域\(Y\)上において連続関数であるものとします。
関数\(f\)の値域が関数\(g\)の定義域の部分集合である場合には、つまり、\begin{equation*}f\left( X\right) \subset Y
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\begin{equation*}
g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }
\end{equation*}が定義可能であり、これはそれぞれのベクトル\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して、以下の拡大実数\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( \boldsymbol{x}\right) =g\left( f\left(
\boldsymbol{x}\right) \right)
\end{equation*}を値として定めます。
以上の状況において、合成関数\(g\circ f\)は定義域\(X\)上において拡大実数値ボレル可測関数になります。ボレル可測関数と連続関数の合成関数はボレル可測関数になるということです。
命題(ボレル可測関数と連続関数の合成関数はボレル可測関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合\(X\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)上に定義されたボレル可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義された拡大実数値連続関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が与えられているものとする。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、これは\(X\)上の拡大実数値ボレル可測関数になる。
例(ボレル可測関数と連続関数の合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)は\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合であるため\(\mathbb{R} ^{n}\)上に定義されたボレル可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \mathbb{R} \)をとることができ、全区間\(\mathbb{R} \)は\(\mathbb{R} \)上のボレル集合であるため\(\mathbb{R} \)上に定義された拡大実数値連続関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)をとることができます。この場合、明らかに合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\rightarrow \overline{\mathbb{R} }\)が定義可能であるとともに、先の命題よりこれは\(\mathbb{R} ^{n}\)上の拡大実数値ボレル可測関数になります。
例(ボレル可測関数と連続関数の合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のボレル集合\(X\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} ^{n}\right) \)上に定義されたボレル可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のボレル集合\(Y\in \mathcal{B}\left( \mathbb{R} \right) \)上に定義された連続関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。実数値関数が連続であることと、その実数値関数が拡大実数値連続であることは必要十分であるため、\(g\)は拡大実数値連続関数でもあります。すると先の命題より合成関数\(g\circ f\)は拡大実数値ボレル可測関数になります。ただし、\(g\circ f\)は実数値関数であるため、以上の事実は\(g\circ f\)がボレル可測関数であることを意味します。結論を整理すると、実数値関数であるボレル可測関数\(f\)と連続関数\(g\)の合成関数である実数値関数\(g\circ f\)はボレル可測関数になるということです。
演習問題
問題(ルベーグ可測関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれのベクトル\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、以下の実数\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\sin \left( x+y\right)
\end{equation*}を値として定めるものとします。この関数\(f\)はルベーグ可測でしょうか。議論してください。
問題(ルベーグ可測関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれのベクトル\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、以下の実数\begin{equation*}f\left( x,y\right) =e^{x+y+1}
\end{equation*}を値として定めるものとします。この関数\(f\)はルベーグ可測でしょうか。議論してください。
問題(ルベーグ可測関数どうしの合成関数)
ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のルベーグ可測集合\(X\in \mathfrak{M}_{\mu }\)上に定義された多変数のルベーグ可測関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と、実数空間\(\mathbb{R} \)上のルベーグ可測集合\(Y\in \mathfrak{M}_{\mu }\)上に定義されたルベーグ可測関数\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。\(f\left( X\right) \subset Y\)の場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能ですが、この合成関数もまたルベーグ可測関数になることが保証されるでしょうか。議論してください。
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