各点収束する(確実に収束する)確率変数列
関数変数列が各点収束することの意味を定義するとともに、その場合の確率変数列の極限、すなわち極限関数を具体的に特定する方法を解説します。
各点収束と呼ばれる確率変数列の収束概念について解説します。
関数変数列が各点収束することの意味を定義するとともに、その場合の確率変数列の極限、すなわち極限関数を具体的に特定する方法を解説します。
概収束と呼ばれる確率変数列の収束概念について解説します。
関数変数列が各点収束する標本点からなる事象の確率が1である場合、その確率変数列は概収束するとか、ほとんど確率に収束するなどと言います。
関数変数列が概収束することの意味を様々な形で表現します。これらの表現は概収束の性質について理解を深めたり、他の収束概念との関係を調べる上で有用です。
ボレル・カンテリの補題を利用すれば確率変数列が概収束する、ないし概収束しないことを比較的容易に示すことができます。
各点収束する確率変数列は概収束する一方で、概収束する確率変数列は各点収束するとは限りません。
確率収束と呼ばれる確率変数列の収束概念について解説します。
関数変数列が確率収束することの意味を定義します。
概収束する確率変数列は確率収束する一方で、確率収束する確率変数列は概収束するとは限りません。
平均収束と呼ばれる確率変数列の収束概念について解説します。
関数変数列が平均収束することの意味を定義します。
平均収束する確率変数列は確率収束する一方で、確率収束する確率変数列は平均収束するとは限りません。
平均収束する確率変数列は概収束するとは限らず、逆に、概収束する確率変数列は平均収束するとは限りません。
分布収束(法則収束)と呼ばれる確率変数列の収束概念について解説します。
関数変数列を構成する確率変数の分布関数の形状が何らかの確率変数の分布関数の形状へ限りなく近づく場合、その確率変数列はその確率変数へ分布収束(法則収束)すると言います。
確率収束する確率変数列は分布収束する一方で、分布収束する確率変数列は確率収束するとは限りません。ただし、分布収束する確率変数列の確率極限が定数関数である場合、その確率変数列は分布収束します。
大数の法則について解説します。
確率変数列が独立同一分布にしたがう場合、標本平均の列はもとの確率変数列が共有する期待値に確率収束します。つまり、各回の結果が同一かつ独立な確率分布から決定される試行を繰り返す場合、試行回数を限りなく増やすにつれて、結果の平均は、各回の試行の期待値に限りなく近づきます。
有限かつ独立な確率変数列を構成する個々の確率変数の期待値がゼロであるとともに分散が有限である場合、その確率変数列の部分和として定義される確率変数がある値以上の値をとる確率の上限を特定できます。コルモゴロフの不等式はチェビシェフの不等式の一般化です。
確率変数列が独立であるとともに個々の確率変数の期待値がゼロであり、なおかつ分散の総和が有限である場合、その確率変数列のもとでの実現値に関する無限級数はほとんど確実に収束します。これをヒンチン=コルモゴロフの収束定理と呼びます。
独立な確率変数列の無限級数が収束するという事象はその確率変数列の末尾事象であるため、コルモゴロフの0-1法則より、その事象の確率は0または1のどちらか一方に定まります。その確率が1であるための必要十分条件を与えるのがコルモゴロフの三級数定理です。
確率変数列が独立同一分布にしたがう場合、標本平均の列はもとの確率変数列が共有する期待値に概収束します。これをコルモゴロフの大数の強法則と呼びます。
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