事象 A が事象 B の部分事象であるとき、A の確率は B の確率以下になります。これを単調性と呼びます。単調性を確率論の公理より証明します。

単調性

確率空間\((\Omega ,\mathcal{F},P)\)が与えられたとき、\(A\subset B\)を満たす事象\(A,B\in \mathcal{F}\)を任意に選びます。つまり、\(A\)は\(B\)の部分事象です。\(A\subset B\)が成り立つ場合には、\begin{equation}
B=A\cup (B\cap A^{c}) \tag{1}
\end{equation}という関係が成り立ちます。\(\sigma \)-代数\(\mathcal{F}\)は余事象\(c\)と積事象\(\cap \)のいずれについても閉じているため、\(B\cap A^{c}\in \mathcal{F}\)が成り立ちます。公理\(\left( P_{1}\right) \)より、\begin{equation}
P\left( B\cap A^{c}\right) \geq 0 \tag{2}
\end{equation}です。確率論の公理より、\(P\)は有限加法性を満たします。\(A\)と\(B\cap A^{c}\)は排反であるため、\begin{eqnarray*}
P\left( B\right) &=&P\left( A\cup (B\cap A^{c})\right) \quad \because
\left( 1\right) \\
&=&P\left( A\right) +P\left( B\cap A^{c}\right) \quad \because P\text{の有限加法性} \\
&\geq &P\left( A\right) \quad \because \left( 2\right)
\end{eqnarray*}すなわち\(P\left( B\right) -P\left( A\right) \geq 0\)が成り立ちます。これは単調性(monotonicity)と呼ばれる性質です。

確率論の公理について復習する 有限加法性について復習する
命題(単調性)
確率空間\((\Omega ,\mathcal{F},P)\)において、事象\(A,B\in \mathcal{F}\)を任意に選ぶと、\begin{equation*}
A\subset B\ \Rightarrow \ P\left( A\right) \leq P\left( B\right)
\end{equation*}が成り立つ。
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次回は差事象の確率に関する減法性と呼ばれる性質について解説します。

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