単調数列と連続性

有界単調数列の収束定理を連続性の公理として採用しても問題ありません。
有界単調数列の収束定理 実数の連続性
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連続性の公理としての単調有界数列の収束定理

\(\mathbb{R}\)上の演算\(+,\cdot \)と大小関係\(\leq \)が\(\left( A\right) \)から\(\left( Q\right) \)までの公理に加えて連続性の公理に相当する上限性質\(\left( R\right) \)を満たす場合には、\begin{equation*}
\left( S\right) \ \text{上に有界な単調増加数列は収束する}
\end{equation*}という命題が成り立つことが明らかになりました。具体的には、上に有界な単調増加数列\(\{x_{n}\}\)はその上限\(\sup \{x_{n}\in \mathbb{R}\ |\ n\in \mathbb{N} \}\)に収束します。

一方、\(\mathbb{R}\)を特徴づける公理として\(\left( A\right) \)から\(\left( Q\right) \)を採用すると同時に、連続性の公理として\(\left( R\right) \)の代わりに\(\left( S\right) \)を採用したらどうなるでしょうか。実は、この場合には上限性質\(\left( R\right) \)が成り立つことを証明することができます。つまり、上限性質を公理として採用せず、上に有界な単調増加数列が収束することを公理として採用したときに、そこから上限性質が成り立つことを証明できるということです。したがって、実数の連続性の公理として上限性質\(\left( R\right) \)の代わりに単調有界数列の収束定理\(\left( S\right) \)を採用してもかまいません。

定理(連続性の公理としての単調有界数列の収束定理)
\(\mathbb{R}\)上の演算\(+,\cdot \)と大小関係\(\leq \)が\(\left( A\right) \)から\(\left( Q\right) \)までの公理に加えて、\begin{equation*}
\left( S\right) \ \text{上に有界な単調増加数列は収束する}
\end{equation*}を公理として満たす場合には、\begin{equation*}
\left( R\right) \ \forall A\subset \mathbb{R}:\left[ \left( A\not=\phi \ \wedge \ U\left( A\right) \not=\phi \right) \ \Rightarrow \ \exists \sup A\right] \end{equation*}が成り立つ。
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\(\mathbb{R}\)上の演算\(+,\cdot \)と大小関係\(\leq \)が\(\left( A\right) \)から\(\left( Q\right) \)までの公理に加えて連続性の公理に相当する下限性質\(\left( R^{\prime }\right) \)を満たす場合には、\begin{equation*}
\left( S^{\prime }\right) \ \text{下に有界な単調減少数列は収束する}
\end{equation*}という命題が成り立つことが明らかになりました。具体的には、下に有界な単調減少数列\(\{x_{n}\}\)はその下限\(\inf \{x_{n}\in \mathbb{R}\ |\ n\in \mathbb{N} \}\)に収束します。

\(\mathbb{R}\)を特徴づける公理として\(\left( A\right) \)から\(\left( Q\right) \)を採用すると同時に、連続性の公理として\(\left( R^{\prime }\right) \)の代わりに\(\left( S^{\prime }\right) \)を採用すると、そこから\(\left( R^{\prime }\right) \)が成り立つことを証明することができます。つまり、下限性質を公理として採用せず、下に有界な単調減少数列が収束することを公理として採用したときに、そこから下限性質が成り立つことを証明できるということです。したがって、実数の連続性の公理として下限性質\(\left( R^{\prime }\right) \)の代わりに単調有界数列の収束定理\(\left( S^{\prime }\right) \)を採用してもかまいません。

定理(連続性の公理としての単調有界数列の収束定理)
\(\mathbb{R}\)上の演算\(+,\cdot \)と大小関係\(\leq \)が\(\left( A\right) \)から\(\left( Q\right) \)までの公理に加えて、\begin{equation*}
\left( S^{\prime }\right) \ \text{下に有界な単調減少数列は収束する}
\end{equation*}を公理として満たす場合には、\begin{equation*}
\left( R^{\prime }\right) \ \forall A\subset \mathbb{R}:\left[ \left( A\not=\phi \ \wedge \ L\left( A\right) \not=\phi \right) \ \Rightarrow \ \exists \inf A\right] \end{equation*}が成り立つ。

以上の議論を踏まえると、実数の連続性の公理として以下の4つの命題の中のどれを採用してもよいということになります。\begin{eqnarray*}
&&\left( R\right) \ \forall A\subset \mathbb{R}:\left[ \left( A\not=\phi \ \wedge \ U\left( A\right) \not=\phi \right) \ \Rightarrow \ \exists \sup A\right] \\
&&\left( R^{\prime }\right) \ \forall A\subset \mathbb{R}:\left[ \left( A\not=\phi \ \wedge \ L\left( A\right) \not=\phi \right) \ \Rightarrow \ \exists \inf A\right] \\
&&\left( S\right) \ \text{上に有界な単調増加数列は収束する} \\
&&\left( S^{\prime }\right) \ \text{下に有界な単調減少数列は収束する}
\end{eqnarray*}

次回からは区間列と呼ばれる概念について学びます。
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