実数の特別な部分集合である区間という概念を定義します。

2019年7月20日:区間の特徴づけに関する記述を追加
2018年11月28日:公開

有界区間

\(a\leq b\)を満たす実数\(a,b\in \mathbb{R}\)に対して、以下のように定義される\(\mathbb{R}\)の部分集合\begin{equation*}
\lbrack a,b]=\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ a\leq x\leq b\right\}
\end{equation*}を閉区間(closed interval)と呼びます。特に\(a=b\)の場合には、\begin{equation*}
\lbrack a,b]=\left\{ a\right\} =\left\{ b\right\}
\end{equation*}となるため、1つの実数だけを要素として持つ1点集合は特別な閉区間です。

\(a\leq b\)を満たす実数\(a,b\in \mathbb{R}\)に対して、以下のように定義される\(\mathbb{R}\)の部分集合\begin{equation*}
(a,b)=\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ a<x<b\right\}
\end{equation*}を開区間(open interval)と呼びます。特に\(a=b\)の場合には、\begin{equation*}
\left( a,b\right) =\phi
\end{equation*}となるため、空集合は特別な開区間です。

\(a\leq b\)を満たす実数\(a,b\in \mathbb{R}\)に対して、以下のように定義される\(\mathbb{R}\)の部分集合\begin{equation*}
\lbrack a,b)=\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ a\leq x<b\right\}
\end{equation*}を右半開区間(right half open interval)呼び、\begin{equation*}
(a,b]=\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ a<x\leq b\right\}
\end{equation*}を左半開区間(left half open interval)と呼びます。また、これらを総称して半開区間(half open interval)と呼びます。特に、\(a=b\)の場合には、\begin{equation*}
\lbrack a,b)=(a,b]=\phi
\end{equation*}となるため、空集合は特別な半開区間です。

閉区間、開区間、半開区間はいずれも\(\mathbb{R}\)の有界な部分集合です。そこで、これらを総称して有界区間(bounded interval)と呼びます。

 

無限区間

実数\(a,b\in \mathbb{R}\)に対して、以下のように定義される\(\mathbb{R}\)の部分集合\begin{align*}
\lbrack a,+\infty )& =\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ a\leq x\right\} \\
(-\infty ,b]& =\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ x\leq b\right\}
\end{align*}を無限閉区間(infinite closed interval)と呼び、\begin{align*}
(a,+\infty )& =\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ a<x\right\} \\
(-\infty ,b)& =\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ x<b\right\}
\end{align*}を無限開区間(infinite open interval)と呼びます。

\([a,+\infty )\)と\((a,+\infty )\)はともに下に有界ですが上に有界ではありません。一方、\((-\infty ,b]\)と\((-\infty ,b)\)はともに上に有界ですが下に有界ではありません。つまり、無限開区間と無限閉区間はいずれも有界区間ではないため、これらを非有界区間(unbounded interval)や無限区間(infinite interval)などと呼びます。

 

区間

有界区間\([a,b],(a,b),[a,b),(a,b]\)と無限区間\([a,+\infty ),(-\infty ,b],(a,+\infty ),(-\infty ,b)\)、それと、\begin{equation*}\mathbb{R}=\left( -\infty ,+\infty \right)
\end{equation*}を総称して区間(interval)と呼びます。なお、\(\mathbb{R}\)を全区間(total interval)と呼ぶこともあります。

 

区間の特徴づけ

1点集合ではない\(\mathbb{R}\)の区間\(I\)が与えられたとき、\(I\)に属する異なる2つの実数\(a,b\in I\)を任意に選びます。このとき、\(a<c<b\)を満たす任意の実数\(c\)もまた明らかに区間\(I\)の要素です。つまり、区間に属する異なる2つの実数を任意に選んだとき、それらの間にある任意の実数もまたその区間に属します。

命題(区間の性質)
2つ以上の要素を持つ\(\mathbb{R}\)の任意の区間\(I\)は以下の条件\begin{equation*}
\forall a,b\in I:\left[ a<b\ \Rightarrow \ \forall x\in \left( a,b\right) :x\in I\right] \end{equation*}を満たす。

実は、この逆の関係もまた成立します。つまり、\(\mathbb{R}\)の部分集合に属する異なる2つの実数を任意に選んだとき、それらの間にある実数がいずれもその部分集合に属するならば、その部分集合は区間となります。

命題(区間であるための条件)
2つ以上の要素を持つ\(\mathbb{R}\)の部分集合\(A\)が以下の条件\begin{equation*}
\forall a,b\in A:\left[ a<b\ \Rightarrow \ \forall x\in \left( a,b\right) :x\in A\right] \end{equation*}を満たすならば、\(A\)は区間である。
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以上を踏まえると、区間を以下のように特徴づけることができます。

系(区間の特徴づけ)
2つ以上の要素を持つ\(\mathbb{R}\)の部分集合\(A\)について、\begin{equation*}
\forall a,b\in A:\left[ a<b\ \Rightarrow \ \forall x\in \left( a,b\right) :x\in A\right] \end{equation*}が成り立つことは、\(A\)が\(\mathbb{R}\)の区間であるための必要十分条件である。

次回からは実数を特徴づける演算と順序の関係を規定する公理について解説します。
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