実数\(x\in \mathbb{R}\)と自然数\(n\in \mathbb{N}\)に関して、\(x\)の\(n\)乗を\(n\)個の\(x\)の積として定義し、これを\(x^{n}=x\cdot \cdots \cdot x\)で表します。また、そこから拡張して、実数の整数乗という概念を定義します。

累乗

乗法\(\cdot \)は結合律を満たすため、3 個の実数\(x_{1},x_{2},x_{3}\)に対して、\begin{equation*}
\left( x_{1}\cdot x_{2}\right) \cdot x_{3}=x_{1}\cdot \left( x_{2}\cdot x_{3}\right)
\end{equation*}という関係が成立します。つまり、3 個の実数の中の隣り合うどの 2 つを先に掛けても得られる結果は変わらないため、得られる結果を区別せずに\(x_{1}\cdot x_{2}\cdot x_{3}\)で表します。

4 個の実数\(x_{1},x_{2},x_{3},x_{4}\)に対しても、結合律を繰り返し適用することにより、\begin{align*}
\left[ \left( x_{1}\cdot x_{2}\right) \cdot x_{3}\right] \cdot x_{4}& =\left[ x_{1}\cdot \left( x_{2}\cdot x_{3}\right) \right] \cdot x_{4} \\
& =x_{1}\cdot \left[ \left( x_{2}\cdot x_{3}\right) \cdot x_{4}\right] \\
& =x_{1}\cdot \left[ x_{2}\cdot \left( x_{3}\cdot x_{4}\right) \right] \end{align*}という関係が成り立ちます。つまり、4 個の実数の中の隣り合うどの 2 つを先に掛けても得られる結果は変わらないため、得られる結果を区別せずに\(x_{1}\cdot x_{2}\cdot x_{3}\cdot x_{4}\)で表します。

実数の個数\(n\)に関する数学的帰納法より、\(n\)個の実数\(x_{1},\cdots ,x_{n}\in \mathbb{R}\)の中の隣り合うどの 2 つを先に足しても得られる結果は変わらないため、得られる結果を区別せずに\(x_{1}\cdot \cdots \cdot x_{n}\)で表します。

以上を踏まえた上で、実数\(x\in \mathbb{R}\)と自然数\(n\in \mathbb{N}\)に関して、\(x\)の\(n\)乗(\(x\) to the \(n\)-th power)を\(n\)個の\(x\)の積として定義し、これを\(x^{n}=x\cdot \cdots \cdot x\)で表します。また、\(x^{n}\)の\(n\)を指数(exponent)と呼び、\(x\)を(base)と呼びます。

 

指数法則

実数\(x\in \mathbb{R}\)と正の整数\(n\in \mathbb{Z}\)に対して、\(x\)の\(n\)乗(\(x\) to the \(n\)-th power)を\(n\)個の\(x\)の積として定義し、これを\(x^{n}=x\cdot \cdots \cdot x\)で表します。

非ゼロの実数\(x\in \mathbb{R}\backslash \{0\}\)と負の整数\(-n\in \mathbb{Z}\)に対して、\(x\)の\(-n\)乗(\(x\) to the \(-n\)-th power)を\(n\)個の\(x^{-1}\)の積として定義し、これを\(x^{-n}=(x^{-1})^{n}=\left( x^{-1}\right) \cdot \cdots \cdot (x^{-1})\)で表します。

非ゼロの実数\(x\in \mathbb{R}\backslash \{0\}\)とゼロ\(0\)に対して、\(x\)の\(0\)乗(\(x\) to the \(0\)-th power)を\(1\)として定義し、これを\(x^{0}=1\)で表します。ゼロ乗や負の整数乗について考える際には、底は非ゼロの実数でなければなりません。

実数の整数乗に関して以下が成り立ちます。これを指数法則(law of exponent)と呼びます。

命題(指数法則)
以下が成り立つ。\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ \forall x\in \mathbb{R}\backslash \{0\}:x^{(-1)}=x^{-1} \\
&&\left( b\right) \ \forall x\in \mathbb{R}\backslash \{0\},\ \forall n\in \mathbb{N}:x^{-n}=\left( x^{n}\right) ^{-1} \\
&&\left( c\right) \ \forall x\in \mathbb{R}\backslash \{0\},\ \forall m,n\in \mathbb{Z}:x^{m}\cdot x^{n}=x^{m+n} \\
&&\left( d\right) \ \forall x\in \mathbb{R}\backslash \{0\},\ \forall m,n\in \mathbb{Z}:\left( x^{n}\right) ^{m}=x^{nm} \\
&&\left( e\right) \ \forall x,y\in \mathbb{R}\backslash \{0\},\ \forall n\in \mathbb{Z}:\left( x\cdot y\right) ^{n}=x^{n}\cdot y^{n}
\end{eqnarray*}
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次回からは順序に関する公理について解説します。
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