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有理関数の連続性

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有理関数の連続性

有理関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、2つの多項式関数\begin{eqnarray*}g &:&\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \\
h &:&\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\}
\end{eqnarray*}を用いて、\begin{equation*}
f\left( x\right) =\frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }
\end{equation*}と表されるということです。

有理関数\(f\)の定義域上の点\(a\in X\)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)において連続であることが保証されます。したがって、\(f\)は\(X\)上で連続です。

命題(有理関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、多項式関数である\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と\(h:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }
\end{equation*}と表されるものとする。定義域上の点\(a\in X\)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)において連続である。したがって、\(f\)は\(X\)上で連続である。
証明

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例(有理関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{3x^{2}+5x-9}{2x}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数であるため、先の命題より\(f\)は\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)上で連続です。ちなみに、\(f\)は点\(0\)において定義されないため、\(f\)は点\(0\)において連続ではありません。
例(有理関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ \pm \sqrt{3}\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ \pm \sqrt{3}\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{x^{2}+7x-\pi }{2\left( x^{2}-3\right) }
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数であるため、先の命題より\(f\)は\(\mathbb{R} \backslash \left\{ \pm \sqrt{3}\right\} \)上で連続です。ちなみに、\(f\)は点\(\pm \sqrt{3}\)において定義されないため、\(f\)は点\(\pm \sqrt{3}\)において連続ではありません。

 

有理関数の片側連続性

片側連続性に関しても同様の命題が成り立ちます。

命題(有理関数の片側連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、多項式関数である\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と\(h:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }
\end{equation*}と表されるものとする。定義域上の点\(a\in X\)を任意に選ぶ。\(f\)が点\(a\)以上の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において右側連続である。また、\(f\)が点\(a\)以下の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において左側連続である。
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例(有理関数の片側連続性)
関数\(f:\left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{2x}{3x-1}
\end{equation*}を定めるものとします。定義域の内点\(a\in \left(0,1\right) \)を任意に選んだとき、有理関数の連続性より、\(f\)は点\(a\)において連続です。定義域の端点\(0\)に注目すると、\(f\)は点\(0\)を含めそれ以上の周辺の任意の点において定義されているため、有理関数の右側連続性より、\(f\)は点\(a\)において右側連続です。定義域のもう一方の端点\(1\)に注目すると、\(f\)は点\(1\)を含めそれ以下の周辺の任意の点において定義されているため、有理関数の左側連続性より、\(f\)は点\(a\)において左側連続です。以上より、\(f\)は\(\left[0,1\right] \)上において連続です。

 

演習問題

問題(有理関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ -\frac{1}{2}\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ -\frac{1}{2}\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{x+1}{2x+1}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)が連続な点を特定してください。
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問題(有理関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ \pm 2\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ \pm 2\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{2x^{2}+3x-1}{x^{2}-4}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)が連続な点を特定してください。
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