収束関数と距離の関係

実数の点集合上に定義された実数値関数が点において収束することはユークリッド距離の概念を用いて表現することもできます。

収束関数 収束数列

収束関数と距離の関係

\(\mathbb{R}\)における距離について簡単に復習します。2つの実数\(x,y\in \mathbb{R}\)の間の距離は、\begin{equation*}
d\left( x,y\right) =\left\vert x-y\right\vert
\end{equation*}と定義されます。さらに、点\(a\in \mathbb{R}\)からの距離が\(\varepsilon >0\)よりも小さいような\(\mathbb{R}\)のすべての点からなる集合を、\begin{eqnarray*}
U_{\varepsilon }\left( a\right) &=&\{x\in \mathbb{R} \ |\ d\left( x,a\right) <\varepsilon \} \\
&=&\{x\in \mathbb{R} \ |\ \left\vert x-a\right\vert <\varepsilon \}
\end{eqnarray*}で表し、これを点\(a\)の\(\varepsilon \)-近傍と呼びます。特に、近傍\(U_{\varepsilon }\left( a\right) \)から点\(a\)を除いた集合は、\begin{eqnarray*}
U_{\varepsilon }\left( a\right) \backslash \{a\} &=&\{x\in \mathbb{R} \ |\ 0<d\left( x,a\right) <\varepsilon \} \\
&=&\{x\in \mathbb{R} \ |\ 0<\left\vert x-a\right\vert <\varepsilon \}
\end{eqnarray*}となります。これを点\(a\)の除外\(\varepsilon \)-近傍と呼びます。

距離について復習する

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)が点\(\alpha \in \mathbb{R}\)において\(\beta \in \mathbb{R}\)へ収束することの定義は、\begin{equation*}
\forall \varepsilon >0,\ \exists \delta >0,\ \forall x\in X:\left( 0<|x-\alpha |<\delta \ \Rightarrow \ \left\vert f\left( x\right) -\beta \right\vert <\varepsilon \right)
\end{equation*}です。距離を用いてこの定義を書き換えると、\begin{equation*}
\forall \varepsilon >0,\ \exists \delta >0,\ \forall x\in X:\left[ x\in U_{\delta }\left( a\right) \backslash \{a\}\ \Rightarrow \ f\left( x\right) \in U_{\varepsilon }\left( \beta \right) \right] \end{equation*}となります。これは、\(f\)による\(U_{\delta }\left( a\right) \backslash \{a\}\)の像\(f\left( U_{\delta }\left( a\right) \backslash \{a\}\right) \)が\(U_{\varepsilon }\left( \beta \right) \)の部分集合であること、すなわち、\begin{equation*}
\forall \varepsilon >0,\ \exists \delta >0:f\left( U_{\delta }\left( \alpha \right) \backslash \{\alpha \}\right) \subset U_{\varepsilon }\left( \beta \right)
\end{equation*}が成り立つことを意味します。

命題(収束関数と距離)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)と実数\(\alpha ,\beta \in \mathbb{R}\)が与えられたとき、\begin{equation*}
\forall \varepsilon >0,\ \exists \delta >0:f\left( U_{\delta }\left( \alpha \right) \backslash \{\alpha \}\right) \subset U_{\varepsilon }\left( \beta \right)
\end{equation*}が成り立つことは、\(\lim\limits_{x\rightarrow \alpha }f\left( x\right) =\beta \)が成り立つための必要十分条件である。

次回は関数の発散について解説します。
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