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単調関数・狭義単調関数

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単調関数

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)に関して、\begin{equation*}\forall x,x^{\prime }\in X:\left[ x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right)
\leq f\left( x^{\prime }\right) \right] \end{equation*}が成り立つ場合、つまり、変数\(x\)の値が大きくなるにつれて\(f\)が定める値\(f\left( x\right) \)が大きくなることはあっても小さくなることはない場合、この関数\(f\)を単調増加関数(monotonically increasing function)や単調非減少関数(monotonicallynon-decreasing function)などと呼びます。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が単調増加であることを示すための典型的な方法は、\(x^{\prime }>x\)すなわち\(x^{\prime }-x>0\)を満たす\(x,x^{\prime }\in X\)を任意に選んだ上で、\begin{equation*}f\left( x^{\prime }\right) -f\left( x\right) \geq 0
\end{equation*}を示すというものです。なぜなら、この場合には\(f\left( x^{\prime }\right) \geq f\left(x\right) \)となることが保証されるからです。

例(単調増加関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left\{ 1,2,3\right\} \rightarrow \left\{ 4,5\right\} \)が、\begin{equation*}f\left( 1\right) =4,\quad f\left( 2\right) =5,\quad f\left( 3\right) =5
\end{equation*}を満たす場合、任意の\(x,x^{\prime }\in \left\{ 1,2,3\right\} \)について、\begin{equation*}x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right) \leq f\left( x^{\prime }\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は単調増加関数です。
例(単調増加関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =6x+2
\end{equation*}を定めるものとします。\(x<x^{\prime }\)すなわち\(x^{\prime}-x>0\)を満たす\(x,x^{\prime }\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{eqnarray*}f\left( x^{\prime }\right) -f\left( x\right) &=&\left( 6x^{\prime }+2\right)
-\left( 6x+2\right) \quad \because f\text{の定義} \\
&=&6\left( x^{^{\prime }}-x\right) \\
&>&6\cdot 0\quad \because x^{\prime }-x>0 \\
&=&0
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation*}
f\left( x^{\prime }\right) >f\left( x\right)
\end{equation*}が成り立つため、この関数は単調増加です。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)に関して、\begin{equation*}\forall x,x^{\prime }\in X:\left[ x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right)
\geq f\left( x^{\prime }\right) \right] \end{equation*}が成り立つ場合、つまり、変数\(x\)の値が大きくなるにつれて\(f\)が定める値\(f\left( x\right) \)が小さくなることはあっても大きくなることはない場合、この関数\(f\)を単調減少関数(monotonically decreasing function)や単調非増加関数(monotonicallynon-increasing function)などと呼びます。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が単調減少であることを示すための典型的な方法は、\(x^{\prime }>x\)すなわち\(x^{\prime }-x>0\)を満たす\(x,x^{\prime }\in X\)を任意に選んだ上で、\begin{equation*}f\left( x^{\prime }\right) -f\left( x\right) \leq 0
\end{equation*}もしくは、\begin{equation*}
f\left( x\right) -f\left( x^{\prime }\right) \geq 0
\end{equation*}を示すというものです。なぜなら、いずれの場合にも\(f\left( x\right) \geq f\left( x^{\prime }\right) \)となることが保証されるからです。

例(単調減少関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left\{ 1,2,3\right\} \rightarrow \left\{ 4,5\right\} \)が、\begin{equation*}f\left( 1\right) =5,\quad f\left( 2\right) =5,\quad f\left( 3\right) =4
\end{equation*}を満たす場合、任意の\(x,x^{\prime }\in \left\{ 1,2,3\right\} \)について、\begin{equation*}x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right) \geq f\left( x^{\prime }\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は単調減少関数です。
例(単調減少関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =-\frac{1}{2}x+3
\end{equation*}を定めるものとします。\(x<x^{\prime }\)すなわち\(x^{\prime}-x>0\)を満たす\(x,x^{\prime }\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{eqnarray*}f\left( x\right) -f\left( x^{\prime }\right) &=&\left( -\frac{1}{2}x+3\right) -\left( -\frac{1}{2}x^{\prime }+3\right) \quad \because f\text{の定義} \\
&=&\frac{1}{2}\left( x^{\prime }-x\right) \\
&>&\frac{1}{2}\cdot 0\quad \because x^{\prime }-x>0 \\
&=&0
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation*}
f\left( x\right) >f\left( x^{\prime }\right)
\end{equation*}が成り立つため、この関数は単調減少です。

単調増加関数と単調減少関数を総称して単調関数(monotone function)と呼びます。言い換えると、ある関数が単調であることとは、その関数が単調増加もしくは単調減少の少なくとも一方であることを意味します。ちなみに以下の例のように、単調増加かつ単調減少であるような単調関数も存在します。

例(単調関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、定数\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =c
\end{equation*}と表されるものとします。この関数は単調増加かつ単調減少であるような単調関数です(演習問題にします)。

関数は単調であるとは限りません。以下は単調関数ではない関数の例です。

例(単調ではない関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数は単調ではありません(演習問題にします)。

 

狭義単調関数

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)に関して、\begin{equation*}\forall x,x^{\prime }\in X:\left[ x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right)
<f\left( x^{\prime }\right) \right] \end{equation*}が成り立つ場合、つまり、変数\(x\)の値が大きくなるにつれて\(f\)が定める値\(f\left( x\right) \)が大きくなる場合、この関数\(f\)を狭義単調増加関数(strictly monotonically increasing function)と呼びます。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が狭義単調増加であることを示すための典型的な方法は、\(x^{\prime}>x\)すなわち\(x^{\prime }-x>0\)を満たす\(x,x^{\prime }\in X\)を任意に選んだ上で、\begin{equation*}f\left( x^{\prime }\right) -f\left( x\right) >0
\end{equation*}を示すというものです。なぜなら、この場合には\(f\left( x^{\prime }\right) >f\left(x\right) \)となることが保証されるからです。

例(狭義単調増加関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left\{ 1,2,3\right\} \rightarrow \left\{ 4,5,6\right\} \)が、\begin{equation*}f\left( 1\right) =4,\quad f\left( 2\right) =5,\quad f\left( 3\right) =6
\end{equation*}を満たす場合、任意の\(x,x^{\prime }\in \left\{ 1,2,3\right\} \)について、\begin{equation*}x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right) <f\left( x^{\prime }\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は狭義単調増加関数です。
例(狭義単調増加関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =6x+2
\end{equation*}を定めるものとします。先ほど、この関数が単調増加であることを示しましたが、これは狭義単調増加関数でもあります。実際、\(x<x^{\prime }\)を満たす\(x,x^{\prime }\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}f\left( x^{\prime }\right) >f\left( x\right)
\end{equation*}が成り立つからです。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)に関して、\begin{equation*}\forall x,x^{\prime }\in X:\left[ x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right)
>f\left( x^{\prime }\right) \right] \end{equation*}が成り立つ場合、つまり、変数\(x\)の値が大きくなるにつれて\(f\)が定める値\(f\left( x\right) \)が小さくなる場合、この関数\(f\)を狭義単調減少関数(strictly monotonically decreasing function)と呼びます。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が狭義単調減少であることを示すための典型的な方法は、\(x^{\prime}>x\)すなわち\(x^{\prime }-x>0\)を満たす\(x,x^{\prime }\in X\)を任意に選んだ上で、\begin{equation*}f\left( x^{\prime }\right) -f\left( x\right) <0
\end{equation*}もしくは、\begin{equation*}
f\left( x\right) -f\left( x^{\prime }\right) >0
\end{equation*}を示すというものです。なぜなら、この場合には\(f\left( x^{\prime }\right) <f\left(x\right) \)となることが保証されるからです。

例(狭義単調減少関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left\{ 1,2,3\right\} \rightarrow \left\{ 4,5,6\right\} \)が、\begin{equation*}f\left( 1\right) =6,\quad f\left( 2\right) =5,\quad f\left( 3\right) =4
\end{equation*}を満たす場合、任意の\(x,x^{\prime }\in \left\{ 1,2,3\right\} \)について、\begin{equation*}x<x^{\prime }\Rightarrow f\left( x\right) >f\left( x^{\prime }\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は狭義単調減少関数です。
例(狭義単調減少関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =-\frac{1}{2}x+3
\end{equation*}を定めるものとします。先ほど、この関数が単調減少であることを示しましたが、これは狭義単調減少関数でもあります。実際、\(x<x^{\prime }\)を満たす\(x,x^{\prime }\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}f\left( x\right) >f\left( x^{\prime }\right)
\end{equation*}が成り立つからです。

狭義単調増加関数と狭義単調減少関数を総称して狭義単調関数(strictly monotone function)と呼びます。狭義単調増加かつ狭義単調減少であるような関数は存在しないため(演習問題にします)、ある関数が狭義単調であることは、その関数が狭義単調増加もしくは狭義単調減少のどちらか一方であることを意味します。

 

単調関数と狭義単調関数の関係

狭義単調増加関数は単調増加であり、狭義単調減少関数は単調減少です(演習問題にします)。しかし、これらの逆は成立するとは限りません。つまり、単調増加関数は狭義単調増加であるとは限りませんし、単調減少関数は狭義単調減少であるとは限りません。以下の例から明らかです。

例(単調だが狭義単調ではない関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、定数\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =c
\end{equation*}と表されるものとします。この関数は単調増加かつ単調減少である一方、狭義単調増加と狭義単調減少のどちらでもありません。

 

演習問題

問題(単調関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、定数\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =c
\end{equation*}と表されるものとします。この関数は単調増加かつ単調減少であるような単調関数であることを証明してください。

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問題(単調ではない関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数は単調関数ではないことを証明してください。

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問題(狭義単調関数は単調関数)
狭義単調増加関数はいずれも単調増加関数であることを証明してください。また、狭義単調減少関数はいずれも単調減少関数であることを証明してください。

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問題(狭義単調関数)
狭義単調増加かつ狭義単調減少であるような関数は存在しないことを証明してください。

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次回は狭義単調関数の逆関数について解説します。

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