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無理関数

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無理関数

関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)は自然数ベキ関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値は、自然数\(n\in \mathbb{N} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{n}
\end{equation*}という形で表されるということです。自然数ベキ関数の定義域を\(\mathbb{R} _{+}\)に縮小して\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)とすると狭義単調増加関数になります。狭義単調関数は単射であるため\(f\)は単射です。さらに、\(f\)の値域は、\begin{eqnarray*}f\left( \mathbb{R} _{+}\right) &=&\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in \mathbb{R} _{+}\right\} \\
&=&\left\{ x^{n}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \mathbb{R} _{+}\right\} \\
&=&\mathbb{R} _{+}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)の終集合を値域に制限して\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)とすれば全射になります。単射の終集合を制限しても単射のままであるため\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)は全単射です。したがって逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)が存在することが保証されます。この逆関数\(f^{-1}\)がそれぞれの\(y\in \mathbb{R} _{+}\)に対して定める値を、\begin{equation*}f^{-1}\left( y\right) =y^{\frac{1}{n}}=\sqrt[n]{y}
\end{equation*}などで表記します。逆関数の定義より、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}\times \mathbb{R} _{+}\)を任意に選んだとき、\begin{equation*}y=x^{n}\Leftrightarrow x=y^{\frac{1}{n}}
\end{equation*}という関係が成立します。

繰り返しになりますが、定義域および終集合を\(\mathbb{R} _{+}\)に制限した自然数ベキ関数\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)は逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)を持ちます。そこで、この逆関数\(f^{-1}\)の独立変数\(y\)と従属変数\(x\)を入れ替えて得られる関数を無理関数(radical function)と呼びます。無理関数を\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)で表記するならば、これはそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{+}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{\frac{1}{n}}
\end{equation*}を定める関数です。定義域および終集合を\(\mathbb{R} _{+}\)に制限した自然数ベキ関数は狭義単調増加です。狭義単調増加関数の逆関数は狭義単調増加であるため、自然数ベキ関数の逆関数である無理関数もまた狭義単調増加です。加えて、逆関数の逆関数はもとの関数と一致するため、無理関数\(f\)の逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)は自然数ベキ関数であり、これはそれぞれの\(y\in \mathbb{R} _{+}\)に対して、\begin{equation*}f^{-1}\left( y\right) =y^{n}
\end{equation*}を定めます。逆関数の定義より、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}\times \mathbb{R} _{+}\)を任意に選んだとき、\begin{equation*}y=x^{\frac{1}{n}}\Leftrightarrow x=y^{n}
\end{equation*}という関係が成立します。

例(無理関数)
関数\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{+}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{\frac{1}{3}}
\end{equation*}を定めるものとします。これは無理数関数です。その逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)はそれぞれの\(y\in \mathbb{R} _{+}\)に対して、\begin{equation*}f^{-1}\left( y\right) =y^{3}
\end{equation*}を定める自然数ベキ関数です。

 

無理関数の定義域と値域

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、自然数\(n\in \mathbb{N} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{\frac{1}{n}}
\end{equation*}と表されるものとします。これは無理関数ですが、その定義域\(X\)は自由な範囲をとれるわけではありません。無理関数\(x^{\frac{1}{n}}\)は定義域および値域を\(\mathbb{R} _{+}\)に制限した自然数ベキ関数\(y^{n}\)の逆関数として定義されるため、上の関数\(f\)の定義域\(X\)は\(\mathbb{R} _{+}\)の部分集合である必要があり、\(f\)の値域\(f\left(X\right) \)もまた\(\mathbb{R} _{+}\)の部分集合になります。

例(無理関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset (0,2]\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in (0,2]\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{\frac{1}{4}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は無理関数ですが、その定義域\((0,2]\)は\(\mathbb{R} _{+}\)の部分集合であるため問題ありません。無理関数は狭義単調増加かつ連続に変化することを踏まえると、\(f\)の値域は、\begin{equation*}f\left( (0,2]\right) =(f\left( 0\right) ,f\left( 2\right) ]=(0,2^{\frac{1}{4}}] \end{equation*}となります。

 

無理関数との合成関数

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ^{+}\)を任意に選びます。\(f\)は値として非負の実数をとる点に注意してください。任意の無理関数は\(\mathbb{R} _{+}\)上に定義可能であるため、これを\(g:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)で表記します。\(g\left( x\right)=x^{\frac{1}{n}}\)かつ\(n\in \mathbb{N} \)です。\(f\)の終集合が\(\mathbb{R} ^{+}\)であることから合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) &=&g\left( f\left( x\right) \right)
\quad \because g\circ f\text{の定義} \\
&=&\left[ f\left( x\right) \right] ^{\frac{1}{n}}\quad \because g\text{の定義} \\
&=&\sqrt[n]{f\left( x\right) }
\end{eqnarray*}を定めます。

例(多項式関数との合成)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)は非負の実数を値としてとる多項式関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、非負の整数\(m\in \mathbb{Z} _{+}\)と実数\(c_{k}\ \left( k=0,1,\cdots ,m\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sum_{k=0}^{m}c_{k}x^{k}\geq 0
\end{equation*}で表されるということです。先の議論より、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =\left[ f\left( x\right) \right] ^{\frac{1}{n}}=\left[
\sum\limits_{k=0}^{m}c_{k}x^{k}\right] ^{\frac{1}{n}}
\end{equation*}を定める関数\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。ただし\(n\in \mathbb{N} \)です。これは多項式関数\(y=f\left( x\right) \)と無理関数\(y^{\frac{1}{n}}\)の合成関数です。例えば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =\left( \sqrt{2}x^{4}+2x^{2}+1\right) ^{\frac{1}{5}}
\end{equation*}を定める関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はこのような合成関数の例です。なぜなら、任意の\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}\sqrt{2}x^{4}+2x^{2}+1\geq 0
\end{equation*}が成り立つからです。
例(有理関数との合成)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} _{+}\)は非負の実数を値としてとる有理関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、多項式関数である\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)と\(h:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }\geq 0
\end{equation*}で表されるということです。先の議論より、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}i\left( x\right) =\left[ f\left( x\right) \right] ^{\frac{1}{n}}=\left[
\frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }\right] ^{\frac{1}{n}}
\end{equation*}を定める関数\(i:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。ただし\(n\in \mathbb{N} \)です。これは有理関数\(y=f\left( x\right) \)と無理関数\(y^{\frac{1}{n}}\)の合成関数です。例えば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( \frac{x^{4}+7}{x^{2}+1}\right) ^{\frac{1}{5}}
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はこのような合成関数の例です。なぜなら、任意の\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}\frac{x^{4}+7}{x^{2}+1}\geq 0
\end{equation*}が成り立つからです。

 

演習問題

問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( x-1\right) ^{\frac{1}{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( -x-1\right) ^{\frac{1}{7}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( x^{2}-1\right) ^{\frac{1}{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( x^{2}+10\right) ^{\frac{1}{5}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left[ \frac{\left( x+2\right) \left( x-3\right) }{x-1}\right] ^{\frac{1}{3}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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次回は有理ベキ関数について学びます。

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関連知識

無理関数

無理関数の微分

無理関数は正の実数であるような任意の点において微分可能です。したがって、正の実数を値としてとる関数と無理関数の合成関数は微分可能です。

DISCUSSION

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