正接関数

それぞれのラジアンに対してその余弦(コサイン)を定める関数を余弦関数(コサイン関数)と呼びます。余弦関数のグラフを余弦曲線(コサイン・カーブ)と呼びます。
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正接関数

ラジアン\(\theta \)の正接は、\begin{equation*}
\tan \left( \theta \right) =\frac{\sin \left( \theta \right) }{\cos \left(
\theta \right) }
\end{equation*}と定義されるため、\(\cos \left( \theta \right) \not=0\)を満たすようなそれぞれのラジアン\(\theta \)に対して正接\(\tan \left( \theta \right) \)を値として定めるような関数\(\tan \)が定義可能です。このような関数を正接関数(tangent function)やタンジェント関数などと呼びます。正接の定義より、ラジアン\(\theta \)の動径と単位元が交わる点を\(P\)とするとき、\begin{equation*}
\tan \left( \theta \right) =\frac{\text{点}P\text{の}y\text{座標}}{\text{点}P\text{の}x\text{座標}}=\frac{\sin \left( \theta \right) }{\cos \left( \theta \right) }
\end{equation*}という関係が成り立ちます(下図)。

図:正弦関数
図:正弦関数

繰り返しになりますが、ラジアン\(\theta \)の正接は、\begin{equation*}
\tan \left( \theta \right) =\frac{\sin \left( \theta \right) }{\cos \left(
\theta \right) }
\end{equation*}と定義されるため、正接関数\(\tan \)は\(\cos \left( \theta \right) =0 \)を満たすような\(\theta \)の値において定義されません。より具体的には、余弦の定義\begin{equation*}
\cos \left( \theta \right) =\text{点}P\text{の}x\text{座標}
\end{equation*}より、点\(P\)の位置が単位円上の点\(\left( 0,1\right) \)もしくは\(\left( 0,-1\right) \)の場合に\(\cos \left( \theta \right) =0\)となりますが、このような条件を満たす\(\theta \)は、\begin{equation*}
\theta =\frac{\pi }{2}+2n\pi \quad \left( n\in \mathbb{Z} \right)
\end{equation*}となります。以上を踏まえると、正接関数の定義域は、\begin{equation*}
\mathbb{R} \backslash \left\{ \frac{\pi }{2}+2n\pi \in
\mathbb{R} \ |\ n\in \mathbb{Z} \right\}
\end{equation*}となります。

例(正接関数)
正接関数\(\tan \)に関して、\begin{eqnarray*}
\tan \left( 0\right) &=&\frac{\sin \left( 0\right) }{\cos \left( 0\right) }=\frac{0}{1}=0 \\
\tan \left( \frac{\pi }{6}\right) &=&\frac{\sin \left( \frac{\pi }{6}\right) }{\cos \left( \frac{\pi }{6}\right) }=\frac{\frac{1}{2}}{\frac{\sqrt{3}}{2}}=\frac{1}{\sqrt{3}} \\
\tan \left( \frac{\pi }{3}\right) &=&\frac{\sin \left( \frac{\pi }{3}\right) }{\cos \left( \frac{\pi }{3}\right) }=\frac{\frac{\sqrt{3}}{2}}{\frac{1}{2}}=\sqrt{3} \\
\tan \left( \pi \right) &=&\frac{\sin \left( \pi \right) }{\cos \left( \pi
\right) }=\frac{0}{-1}=0
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

 

正接曲線

正接関数のグラフを正接曲線(tangent curve)やタンジェントカーブなどと呼びます。ラジアン\(\theta \)が\(0\)から\(\frac{\pi }{2}\)まで増加するとき、\(\cos \left( \theta \right) \)は正の値をとりながら減少し続け最終的に\(0\)へ至る一方で、\(\sin \left( \theta \right) \)は正の値をとりながら増加し続けるため、それらの比\(\frac{\sin \left( \theta \right) }{\cos \left( \theta \right) }\)として定義される\(\tan \left( \theta \right) \)は正の値をとりながら増加し続け最終的に正の無限大になります。同様に考えると、ラジアン\(\theta \)が\(0\)から\(-\frac{\pi }{2}\)まで減少するとき、\(\tan \left( \theta \right) \)は負の値をとりながら減少し続け最終的に負の無限大になります。さらに\(\tan \left( 0\right) =0\)です。したがって、ラジアン\(\theta \)が区間\(\left( -\frac{\pi }{2},\frac{\pi }{2}\right) \)上の値をとり得るとき、正接曲線は下図のような形状になります。

図:正接関数のグラフ
図:正接関数のグラフ

ラジアン\(\theta \in \mathbb{R} \)を任意に選びます。ただし、\(\cos \left( \theta +\pi \right) \not=0\)であるものとします。このとき、\begin{eqnarray*}
\tan \left( \theta +\pi \right) &=&\frac{\sin \left( \theta +\pi \right) }{\cos \left( \theta +\pi \right) }\quad \because \tan \text{の定義} \\
&=&\frac{-\sin \left( \theta \right) }{-\cos \left( \theta \right) }\quad
\because \sin ,\cos \text{の性質} \\
&=&\frac{\sin \left( \theta \right) }{\cos \left( \theta \right) } \\
&=&\tan \left( \theta \right) \quad \because \tan \text{の定義}
\end{eqnarray*}すなわち、\begin{equation*}
\tan \left( \theta +\pi \right) =\tan \left( \theta \right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。この関係を繰り返し利用することにより、任意のラジアン\(\theta \in \mathbb{R} \)と整数\(n\in \mathbb{Z} \)に対して、\(\cos \left( \theta +n\pi \right) \not=0\)である場合には、\begin{equation*}
\tan \left( \theta +n\pi \right) =\tan \left( \theta \right)
\end{equation*}が成り立つことが示されます。つまり、正接関数は周期\(\pi \)の周期関数であるということです。したがって、正接関数数のグラフは下図のように\(\pi \)ごとに同じ形が繰り返される形状をしています。ただし、\(\theta =\frac{\pi }{2}+2n\pi \)において正接関数は定義されていないことに注意が必要です。

図:正接関数のグラフ
図:正接関数のグラフ
命題(正接関数の周期性)
正接関数\(\tan :\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は任意の\(\theta \in X\)と任意の\(n\in \mathbb{Z} \)に対して、\begin{equation*}
\tan \left( \theta +n\pi \right) =\tan \left( \theta \right)
\end{equation*}を満たす。ただし、正接関数の定義域は、\begin{equation*}
X=\left\{ \frac{\pi }{2}+2n\pi \in
\mathbb{R} \ |\ n\in \mathbb{Z} \right\}
\end{equation*}である。
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正接関数のグラフより、正接\(\tan \left( \theta \right) \)は任意の実数を値としてとり得るため、正接関数の値域は実数空間\(\mathbb{R} \)です。

次回は三角関数に関する公式について解説します。

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