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級数

等比級数とその収束可能性

目次

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等比級数

数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、定数\(a,r\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x_{n}=ar^{n-1}
\end{equation*}として表される場合、このような数列を等比数列(geometric progression)や幾何数列と呼びます。等比数列の項を具体的に列挙すると、\begin{eqnarray*}
x_{1} &=&a \\
x_{2} &=&ar \\
x_{3} &=&ar^{2} \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}となります。つまり、等比数列とは初項が\(a\)であり、なおかつ隣り合う項が共通の比\(r\)を持つ数列です。この\(r\)を公比(common ratio)と呼びます。

等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の項の無限級数は、\begin{eqnarray*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n} &=&\sum_{n=1}^{\infty }ar^{n-1}\quad \because
\left\{ x_{n}\right\} \text{の定義} \\
&=&a+ar+ar^{2}+\cdots
\end{eqnarray*}となりますが、このような無限級数を等比級数(geometric series)と呼びます。

例(等比級数)
初項が\(3\)で公比が\(2\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=3\cdot 2^{n-1}
\end{equation*}です。この数列の項を無限級数は、\begin{equation*}
\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\sum_{n=1}^{\infty }\left( 3\cdot 2^{n-1}\right)
\end{equation*}ですが、これは等比級数です。

例(等比級数)
初項が\(-3\)で公比が\(-2\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=\left( -3\right) \left( -2\right) ^{n-1}
\end{equation*}です。この数列の項を無限級数は、\begin{equation*}
\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\sum_{n=1}^{\infty }\left( -3\right) \left(
-2\right) ^{n-1}
\end{equation*}ですが、これは等比級数です。

例(等比級数)
初項が\(a\)で公比が\(1\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{eqnarray*}x_{n} &=&a\cdot 1^{n-1} \\
&=&a
\end{eqnarray*}です。この数列の項を無限級数は、\begin{equation*}
\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\sum_{n=1}^{\infty }a
\end{equation*}ですが、これは等比級数です。つまり、定数級数は特別な等比級数であるということです。

 

等比級数の収束可能性と発散可能性

数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)が等比数列であるものとします。つまり、その一般項が、定数\(a,r\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x_{n}=ar^{n-1}
\end{equation*}と表されるということです。この数列の部分和は、\begin{equation*}
s_{n}=\left\{
\begin{array}{cc}
\dfrac{a\left( 1-r^{n}\right) }{1-r} & \left( if\ r\not=1\right) \\
na & \left( if\ r=1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}であることを踏まえた上で、等比級数の収束可能性を検討します。

等比数列の初項が\(0\)である場合、等比級数は収束します。

命題(等比級数が収束するための条件)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、定数\(a,r\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x_{n}=ar^{n-1}
\end{equation*}と表されるものとする。\(a=0\)が成り立つ場合には無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するとともに、その和は、\begin{equation*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=0
\end{equation*}となる。

証明

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等比数列の初項が\(0\)ではない場合、等比級数が収束するための条件および和は以下の通りです。

命題(等比級数が収束するための条件)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、定数\(a,r\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x_{n}=ar^{n-1}
\end{equation*}と表されるものとする。\(a\not=0\)かつ\(-1<r<1\)が成り立つ場合には無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するとともに、その和は、\begin{equation*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\frac{a}{1-r}
\end{equation*}となる。

証明

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等比数列の初項が\(0\)ではない場合、等比級数が発散するための条件は以下の通りです。

命題(等比級数が発散するための条件)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、定数\(a,r\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x_{n}=ar^{n-1}
\end{equation*}と表されるものとする。\(a\not=0\)であるとともに\(r\leq -1\)または\(r\geq 1\)が成り立つ場合、無限級数\(\sum x_{n}\)は発散する。
証明

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例(等比級数の収束・発散可能性)
初項が\(3\)で公比が\(\frac{1}{2}\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=3\left( \frac{1}{2}\right) ^{n-1}
\end{equation*}です。\(3\not=0\)かつ\(-1<\frac{1}{2}<1\)であるため、上の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するとともに、その和は、\begin{equation*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\frac{3}{1-\frac{1}{2}}=6
\end{equation*}です。

例(等比級数の収束・発散可能性)
初項が\(-3\)で公比が\(-\frac{1}{2}\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=\left( -3\right) \left( -\frac{1}{2}\right) ^{n-1}
\end{equation*}です。\(-3\not=0\)かつ\(-1<-\frac{1}{2}<1\)であるため、上の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するとともに、その和は、\begin{equation*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\frac{-3}{1-\left( -\frac{1}{2}\right) }=-2
\end{equation*}です。

例(等比級数収束・発散可能性)
初項が\(3\)で公比が\(2\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=3\cdot 2^{n-1}
\end{equation*}です。\(3\not=0\)かつ\(2>1\)であるため、上の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は発散します。
例(等比級数の収束・発散可能性)
初項が\(-3\)で公比が\(-2\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=\left( -3\right) \left( -2\right) ^{n-1}
\end{equation*}です。\(-3\not=0\)かつ\(-2\leq -1\)であるため、上の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は発散します。
例(等比級数の収束・発散可能性)
初項が\(3\)で公比が\(\frac{1}{2}\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{equation*}x_{n}=3\left( \frac{1}{2}\right) ^{n-1}
\end{equation*}です。\(3\not=0\)かつ\(-1<\frac{1}{2}<1\)であるため、上の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するとともに、その和は、\begin{equation*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=\frac{3}{1-\frac{1}{2}}=6
\end{equation*}です。

例(等比級数の収束・発散可能性)
初項が\(a\)で公比が\(1\)であるような等比数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項は、\begin{eqnarray*}x_{n} &=&a\cdot 1^{n-1} \\
&=&a
\end{eqnarray*}です。\(a=0\)の場合、先の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するとともに、その和は、\begin{equation*}\sum_{n=1}^{\infty }x_{n}=0
\end{equation*}となります。一方、\(a\not=0\)の場合、公比が\(1\geq 1\)を満たすため、先の命題より、無限級数\(\sum x_{n}\)は発散します。

 

演習問題

問題(等比級数)
等比級数は正項級数でしょうか。議論してください。

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問題(等比級数)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)が等比数列であるとともに、\begin{eqnarray*}x_{1} &=&3 \\
x_{2} &=&6
\end{eqnarray*}が成り立つものとします。無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するでしょうか。議論してください。
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問題(等比級数)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}x_{n}=\left( \sqrt{2}\right) ^{n}
\end{equation*}で与えられているものとします。無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するでしょうか。議論してください。
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問題(等比級数)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}x_{n}=\left( -3\right) ^{n}
\end{equation*}で与えられているものとします。無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するでしょうか。議論してください。
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問題(等比級数)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}x_{n}=\left( -\frac{1}{3}\right) ^{n}
\end{equation*}で与えられているものとします。無限級数\(\sum x_{n}\)は収束するでしょうか。議論してください。
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