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実数空間における外部を用いた閉集合の判定

目次

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閉集合であることの判定

実数空間\(\mathbb{R} \)の部分集合\(A\)が与えられたとき、その外部\(A^{e}\)は、\begin{equation}A^{e}\subset A^{c} \quad \cdots (1)
\end{equation}という関係を常に満たす一方で、\begin{equation}
A^{c}\subset A^{e} \quad \cdots (2)
\end{equation}を満たすとは限りません。一方、\(A\)が\(\mathbb{R} \)上の閉集合である場合、そしてその場合にのみ\(\left( 2\right) \)が成り立ちます。つまり、\(\left(2\right) \)が成り立つことと\(A\)が閉集合であることは必要十分です。したがって、\(\mathbb{R} \)の部分集合\(A\)が閉集合であることを示すためには、\(A\)の補集合の任意の点が\(A\)の外点であることを示せばよいということになります。\(\left( 1\right) \)は常に成り立つことを踏まえると、\(\left( 2\right) \)は、\begin{equation*}A^{c}=A^{e}
\end{equation*}と必要十分です。したがって、\(\mathbb{R} \)の部分集合\(A\)が閉集合であることを示すためには、\(A\)の外部\(A^{e}\)を特定した上で、それが\(A^{c}\)と一致することを示してもよいということになります。

例(有界閉区間は閉集合)
\(a<b\)を満たす\(a,b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、これらを端点とする有界な閉区間\begin{equation*}\left[ a,b\right] =\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a\leq x\leq b\right\}
\end{equation*}について考えます。この集合の外部は、\begin{equation*}
\left[ a,b\right] ^{e}=\left[ a,b\right] ^{c}
\end{equation*}であるため、\(\left[ a,b\right] \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合です。
例(無限半閉区間は閉集合)
\(a,b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、無限半閉区間

\begin{eqnarray*}
\lbrack a,+\infty ) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a\leq x<+\infty \right\} \\
(-\infty ,b] &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ -\infty <x\leq b\right\}
\end{eqnarray*}について考えます。これらの集合の外部は、\begin{eqnarray*}
\lbrack a,+\infty )^{e} &=&\left( -\infty ,a\right) \\
(-\infty ,b]^{e} &=&\left( b,+\infty \right)
\end{eqnarray*}となります。つまり、\begin{eqnarray*}
\lbrack a,+\infty )^{e} &=&[a,+\infty )^{c} \\
(-\infty ,b]^{e} &=&(-\infty ,b]^{c}
\end{eqnarray*}となるため、\([a,+\infty )\)と\((-\infty ,b]\)はともに\(\mathbb{R} \)上の閉集合です。

例(実数空間は閉集合)
実数空間\(\mathbb{R} \)の外部は、\begin{equation*}\mathbb{R} ^{e}=\phi \end{equation*}です。つまり、\begin{equation*}\mathbb{R} ^{c}=\mathbb{R} ^{e}
\end{equation*}となるため、\(\mathbb{R} \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合です。

 

閉集合ではないことの判定

逆に、\(\mathbb{R} \)の部分集合\(A\)が与えられたとき、\begin{equation*}A^{c}\not\subset A^{e}
\end{equation*}が成り立つことや、もしくは、\begin{equation*}
A^{c}\not=A^{e}
\end{equation*}が成り立つことはいずれも\(A\)が\(\mathbb{R} \)上の閉集合ではないことと必要十分です。したがって、\(A\)が閉集合でないことを示すためには、\(A^{c}\)の点の中に\(A\)の外点でないものが存在することを示せばよいということです。もしくは、\(A\)の外部が\(A^{c}\)と一致しない場合にも\(A\)は閉集合ではありません。

ちなみに、閉集合でないことは開集合であることを必ずしも意味しないため注意が必要です。

例(有界開区間は閉集合ではない)
\(a<b\)を満たす\(a,b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、これらを端点とする有界な開区間\begin{equation*}\left( a,b\right) =\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a<x<b\right\}
\end{equation*}について考えます。この集合の外部は、\begin{equation*}
\left( a,b\right) ^{e}=\left[ a,b\right] ^{c}
\end{equation*}となります。つまり、\begin{equation*}
\left( a,b\right) ^{e}\not=\left( a,b\right) ^{c}
\end{equation*}となるため、\(\left( a,b\right) \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合ではありません。
例(有界半開区間は閉集合ではない)
\(a<b\)を満たす\(a,b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、これらを端点とする有界な半開区間\begin{eqnarray*}\lbrack a,b) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a\leq x<b\right\} \\
(a,b] &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a<x\leq b\right\}
\end{eqnarray*}について考えます。これらの集合の外部は、\begin{equation*}
\lbrack a,b)^{e}=(a,b]^{e}=\left[ a,b\right] ^{c}
\end{equation*}となります。つまり、\begin{eqnarray*}
\lbrack a,b)^{e} &\not=&[a,b)^{c} \\
(a,b]^{e} &\not=&(a,b]^{c}
\end{eqnarray*}となるため、\([a,b)\)と\((a,b]\)はともに\(\mathbb{R} \)上の閉集合ではありません。
例(無限半開区間は閉集合ではない)
\(a,b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、無限半開区間\begin{eqnarray*}\left( a,+\infty \right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a<x<+\infty \right\} \\
\left( -\infty ,b\right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ -\infty <x<b\right\}
\end{eqnarray*}について考えます。これらの集合の外部は、\begin{eqnarray*}
\left( a,+\infty \right) ^{e} &=&\left( -\infty ,a\right) \\
\left( -\infty ,b\right) ^{e} &=&\left( b,+\infty \right)
\end{eqnarray*}となります。つまり、\begin{eqnarray*}
\left( a,+\infty \right) ^{e} &\not=&\left( a,+\infty \right) ^{c} \\
\left( -\infty ,b\right) ^{e} &\not=&\left( -\infty ,b\right) ^{c}
\end{eqnarray*}を満たすため、\(\left( a,+\infty\right) \)と\(\left( -\infty ,b\right) \)はともに\(\mathbb{R} \)上の閉集合ではありません。
例(有理数空間は閉集合ではない)
すべての有理数からなる集合\(\mathbb{Q} \)の外部は、\begin{equation*}\mathbb{Q} ^{e}=\phi \end{equation*}です。つまり、\begin{equation*}\mathbb{Q} ^{e}\not=\mathbb{Q} ^{c}
\end{equation*}となるため、\(\mathbb{Q} \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合ではありません。
例(無理数空間は閉集合ではない)
すべての無理数からなる集合\(\mathbb{R} \backslash \mathbb{Q} \)の外部は、\begin{equation*}\left( \mathbb{R} \backslash \mathbb{Q} \right) ^{e}=\phi
\end{equation*}です。つまり、\begin{equation*}
\left( \mathbb{R} \backslash \mathbb{Q} \right) ^{e}\not=\left( \mathbb{R} \backslash \mathbb{Q} \right) ^{c}
\end{equation*}となるため、\(\mathbb{R} \backslash \mathbb{Q} \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合ではありません。

次回は実数空間の部分集合の境界点や境界などについて解説します。

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