逆写像の定義域と値域

逆写像の定義域と値域について解説します。逆写像の定義域はもとの写像の値域と、逆写像の値域はもとの写像の定義域とそれぞれ一致します。

逆写像 定義域 値域

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逆写像の定義域

写像\(f:X\rightarrow Y\)の逆写像\(f^{-1}:Y\rightarrow X\)は\(Y\)から\(X\)への写像であることから、その定義域を定義できます。具体的には、逆写像\(f^{-1}\)の定義域とは、\(x=f^{-1}\left( y\right) \)を満たすような要素\(x\in X\)が少なくとも1つ存在するような\(Y\)の要素からなる集合\begin{equation*}
D\left( f^{-1}\right) =\{y\in Y\ |\ \exists x\in X:x=f^{-1}\left( y\right) \}
\end{equation*}として定義されます。

例(逆写像の定義域)
実数の区間\([1,+\infty )\subset \mathbb{R}\)上に定義された写像\(f:[1,+\infty )\rightarrow \mathbb{R}\)がそれぞれの\(x\in \lbrack 1,+\infty )\)に対して\(f\left( x\right) =\left( x-1\right) ^{2}\)を像として定めるものとします。\(f\)は全単射であるため(演習問題にします)逆写像\(f^{-1}:\mathbb{R}\rightarrow \lbrack 1,+\infty )\)が存在します。\(y=f\left( x\right) =\left( x-1\right) ^{2}\)を\(x\)について解くと、\begin{eqnarray*}
y=\left( x-1\right) ^{2} &\Leftrightarrow &\sqrt{y}=x-1\quad \because x\geq 1 \\
&\Leftrightarrow &x=\sqrt{y}+1
\end{eqnarray*}となるため、\(f^{-1}\)がそれぞれの\(y\in \mathbb{R}\)に対して定める像は\(f^{-1}\left( y\right) =\sqrt{y}+1\)です。さらに\(f^{-1}\)の定義域は、\begin{equation*}
D\left( f^{-1}\right) =\{y\in \mathbb{R}\ |\ \exists x\in \lbrack 1,+\infty ):x=\sqrt{y}+1\}=[0,+\infty )
\end{equation*}となります。

 

逆写像の定義域は写像の値域と一致する

逆写像の定義域は写像の値域と一致します。

命題(逆写像の定義域)
写像\(f:X\rightarrow Y\)に対してその逆写像\(f^{-1}:Y\rightarrow X\)が存在するとき、\begin{equation*}
D\left( f^{-1}\right) =R\left( f\right)
\end{equation*}という関係が成り立つ。
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例(逆写像の定義域)
先ほどの例について再考します。実数の区間\([1,+\infty )\subset \mathbb{R}\)上に定義された写像\(f:[1,+\infty )\rightarrow \mathbb{R}\)がそれぞれの\(x\in \lbrack 1,+\infty )\)に対して\(f\left( x\right) =\left( x-1\right) ^{2}\)を像として定めるものとします。このとき、\begin{equation*}
R\left( f\right) =\{y\in \mathbb{R}\ |\ \exists x\in \lbrack 1,+\infty ):y=\left( x-1\right) ^{2}\}=[0,+\infty )
\end{equation*}となります。他方で、先に示したように逆写像\(f^{-1}:\mathbb{R}\rightarrow \lbrack 1,+\infty )\)が存在して\(D\left( f^{-1}\right) =[0,+\infty )\)となるため、\(R\left( f\right) =D\left( f^{-1}\right) \)であることが示されました。この結果は上の命題と整合的です。

 

逆写像の値域

写像\(f:X\rightarrow Y\)の逆写像\(f^{-1}:Y\rightarrow X\)は\(Y\)から\(X\)への写像であることから、その値域を定義できます。具体的には、逆写像\(f^{-1}\)の値域とは、\(x=f^{-1}\left( y\right) \)を満たすような要素\(y\in Y\)が少なくとも1つ存在するような\(X\)の要素からなる集合\begin{equation*}
R\left( f^{-1}\right) =\{x\in X\ |\ \exists y\in T:x=f^{-1}\left( y\right) \}
\end{equation*}として定義されます。

例(逆写像の値域)
先ほどの例について再考します。実数の区間\([1,+\infty )\subset \mathbb{R}\)上に定義された写像\(f:[1,+\infty )\rightarrow \mathbb{R}\)がそれぞれの\(x\in \lbrack 1,+\infty )\)に対して\(f\left( x\right) =\left( x-1\right) ^{2}\)を像として定めるものとします。先に示したように逆写像\(f^{-1}:\mathbb{R}\rightarrow \lbrack 1,+\infty )\)が存在して、それぞれの\(y\in \mathbb{R}\)に対して\(f^{-1}\left( y\right) =\sqrt{y}+1\)となります。したがって\(f^{-1}\)の値域は、\begin{equation*}
R\left( f^{-1}\right) =\{x\in \lbrack 1,+\infty )\ |\ \exists y\in \mathbb{R}:x=\sqrt{y}+1\}=[1,+\infty )
\end{equation*}となります。

 

逆写像の値域は写像の定義域と一致する

逆写像の値域は写像の定義域と一致します。

命題(逆写像の値域)
写像\(f:X\rightarrow Y\)に対してその逆写像\(f^{-1}:Y\rightarrow X\)が存在するとき、\begin{equation*}
R\left( f^{-1}\right) =D\left( f\right)
\end{equation*}という関係が成り立つ。
証明を見る(プレミアム会員限定)
例(逆写像の値域)
先ほどの例について再考します。実数の区間\([1,+\infty )\subset \mathbb{R}\)上に定義された写像\(f:[1,+\infty )\rightarrow \mathbb{R}\)がそれぞれの\(x\in \lbrack 1,+\infty )\)に対して\(f\left( x\right) =\left( x-1\right) ^{2}\)を像として定めるものとします。このとき、\begin{equation*}
D\left( f\right) =\{x\in \lbrack 1,+\infty )\ |\ \exists y\in \mathbb{R}:y=\left( x-1\right) ^{2}\}=[1,+\infty )
\end{equation*}となります。他方で、先に示したように逆写像\(f^{-1}:\mathbb{R}\rightarrow \lbrack 1,+\infty )\)が存在して\(R\left( f^{-1}\right) =[1,+\infty )\)となるため、\(D\left( f\right) =R\left( f^{-1}\right) \)であることが示されました。この結果は上の命題と整合的です。

次回から合成写像について学びます。
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