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有限集合の直積集合の濃度

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2つの有限集合の直積の濃度

2つの集合\(A,B\)がともに有限集合である場合、直積\(A\times B\)もまた有限集合になるとともに、これらの集合の濃度の間には、\begin{equation*}\left\vert A\times B\right\vert =\left\vert A\right\vert \left\vert
B\right\vert
\end{equation*}という関係が成り立つことが保証されます。つまり、有限集合どうしの直積の濃度は、個々の集合の濃度の積に等しいということです。有限集合\(A\)の濃度\(\left\vert A\right\vert \)は自然数であるため、\(\left\vert A\right\vert \)に関する数学的帰納法を用いて証明します。

命題(2つの有限集合の直積の濃度)
集合\(A,B\)がともに有限集合であるならば、直積集合\(A\times B\)もまた有限集合であるとともに、\begin{equation*}\left\vert A\times B\right\vert =\left\vert A\right\vert \left\vert
B\right\vert
\end{equation*}という関係が成り立つ。

証明

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例(2つの有限集合の直積の濃度)
以下の2つの集合\begin{eqnarray*}
A &=&\left\{ 1,2,3\right\} \\
B &=&\left\{ a,b,c,d\right\}
\end{eqnarray*}はともに有限集合であるため、先の命題より直積\(A\times B\)もまた有限集合であるとともに、\begin{eqnarray*}\left\vert A\times B\right\vert &=&\left\vert A\right\vert \left\vert
B\right\vert \\
&=&3\cdot 4 \\
&=&12
\end{eqnarray*}が成り立ちます。実際、\begin{eqnarray*}
A\times B &=&\left\{ \left( a,b\right) \ |\ a\in A\wedge b\in B\right\}
\quad \because \text{直積の定義} \\
&=&\{\left( 1,a\right) ,\left( 1,b\right) ,\left( 1,c\right) ,\left(
1,d\right) ,\left( 2,a\right) ,\left( 2,b\right) ,\left( 2,c\right) ,\left(
2,d\right) , \\
&&\left( 3,a\right) ,\left( 3,b\right) ,\left( 3,c\right) ,\left( 3,d\right)
,\left( 4,a\right) ,\left( 4,b\right) ,\left( 4,c\right) ,\left( 4,d\right)
\}
\end{eqnarray*}であり、\begin{equation*}
\left\vert A\times B\right\vert =12
\end{equation*}が確かに成立しています。

例(2つの有限集合の直積の濃度)
空集合\(\phi \)は有限集合です。したがって、有限集合\(A\)が任意に与えられたとき、先の命題より\(A\times \phi \)と\(\phi \times A\)はいずれも有限集合であり、\begin{eqnarray*}\left\vert A\times \phi \right\vert &=&\left\vert A\right\vert \left\vert
\phi \right\vert =\left\vert A\right\vert 0=0 \\
\left\vert \phi \times A\right\vert &=&\left\vert \phi \right\vert
\left\vert A\right\vert =0\left\vert A\right\vert =0
\end{eqnarray*}が成り立ちます。

例(2つの有限集合の直積の濃度)
有限集合\(A\)が任意に与えられたとき、先の命題より\(A\times A\)は有限集合であり、\begin{equation*}\left\vert A\times A\right\vert =\left\vert A\right\vert \left\vert
A\right\vert =\left\vert A\right\vert ^{2}
\end{equation*}が成り立ちます。

 

有限個の有限集合の直積は有限集合

先の命題は3個以上の有限集合に関しても拡張可能です。証明では集合の個数\(n\)に関する数学的帰納法を利用します。

命題(有限個の有限集合の直積は有限集合)
有限\(n\)個の集合\(A_{1},A_{2},\cdots ,A_{n}\)がいずれも有限集合であるならば、直積集合\(A_{1}\times A_{2}\times \cdots \times A_{n}\)もまた有限集合であるとともに、\begin{equation*}\left\vert A_{1}\times A_{2}\times \cdots \times A_{n}\right\vert
=\left\vert A_{1}\right\vert \left\vert A_{2}\right\vert \cdots \left\vert
A_{n}\right\vert
\end{equation*}という関係が成り立つ。

証明

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集合族\(\left\{ A_{\lambda }\right\} _{\lambda \in \lambda }\)の添字集合\(\Lambda \)が有限集合であるとともに、この集合族の任意の要素\(A_{\lambda }\)が有限集合である場合、この集合族の直積もまた有限集合になります。証明では直前の命題を利用します。

命題(有限有限集合族の直積は有限集合)
集合族\(\left\{ A_{\lambda }\right\} _{\lambda \in \Lambda }\)の任意の要素\(A_{\lambda }\ \left(\lambda \in \Lambda \right) \)は有限集合であり、なおかつ添字集合\(\Lambda \)が有限集合であるならば、直積集合\begin{equation*}\prod_{\lambda \in \Lambda }A_{\lambda }
\end{equation*}もまた有限集合であり、\begin{equation*}
\left\vert \prod_{\lambda \in \Lambda }A_{\lambda }\right\vert
=\prod_{\lambda \in \Lambda }\left\vert A_{\lambda }\right\vert
\end{equation*}という関係が成り立つ。

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