集合 X から集合 Y への関係 R が与えられたとき、R の要素である順序対 (x,y) の要素を入れ替えて得られる順序対 (y,x) からなる Y から X への関係を R の逆関係と呼びます。

2019年3月21日:公開

逆関係

\(X\)から\(Y\)への関係\(R\)が与えられたとき、逆に\(Y\)から\(X\)への関係\(R^{-1}\)が存在し、任意の順序対\(\left( y,x\right) \in Y\times X\)に対して、\begin{equation*}
\left( y,x\right) \in R^{-1}\Leftrightarrow \left( x,y\right) \in R
\end{equation*}すなわち、\begin{equation*}
yR^{-1}x\Leftrightarrow xRy
\end{equation*}という関係が成り立つ場合には、\(R^{-1}\)を\(R\)の逆関係(inverse relation)と呼びます。

逆関係の定義より、\begin{equation*}
R^{-1}=\{\left( y,x\right) \in X\times Y\ |\ xRy\}
\end{equation*}となります。つまり、\(xRy\)が成り立つような順序対\(\left( x,y\right) \)の成分を入れ替えた順序対\(\left( y,x\right) \)からなる集合が\(R^{-1}\)です。

例(大小関係の逆関係)
\(X=\{1,2,3\}\)から\(Y=\{2,3,4\}\)への関係\(R\)を、任意の順序対\(\left( x,y\right) \in X\times Y\)に対して、\begin{equation*}
xRy\ \Leftrightarrow \ x<y
\end{equation*}を満たすものとして定義します。ただし、\(<\)は実数どうしを比較する通常の大小関係です。このとき、\begin{equation*} R=\{\left( 1,2\right) ,\left( 1,3\right) ,\left( 1,4\right) ,\left( 2,3\right) ,\left( 2,4\right) ,\left( 3,4\right) \} \end{equation*}となります。\(R\)の逆関係\(R^{-1}\)は、任意の順序対\(\left( y,x\right) \in Y\times X\)に対して、\begin{equation*} yR^{-1}x\ \Leftrightarrow \ y>X
\end{equation*}を満たすため、\begin{equation*}
R^{-1}=\{\left( 2,1\right) ,\left( 3,1\right) ,\left( 4,1\right) ,\left( 3,2\right) ,\left( 4,2\right) ,\left( 4,3\right) \}
\end{equation*}となります。つまり、\(<\)の逆関係は\(>\)です。
例(婚姻関係の逆関係)
男性の集合\(M=\{m_{1},m_{2},m_{3}\}\)から女性の集合\(W=\{w_{1},w_{2},w_{3}\}\)への関係\(R\subset M\times W\)を、任意の順序対\(\left( m,w\right) \in M\times W\)に対して、\begin{equation*}
mRw\ \Leftrightarrow \ m\text{は}w\text{の夫である}
\end{equation*}を満たすものとして定義します。このとき、\(m_{1}\)と\(w_{2}\)、\(m_{2}\)と\(w_{3}\)がそれぞれ夫婦であり、他の全員が独身ならば、\begin{equation*}
R=\{(m_{1},w_{2}),(m_{2},w_{3})\}
\end{equation*}となります。\(R\)の逆関係\(R^{-1}\)は、任意の順序対\(\left( w,m\right) \in W\times M\)に対して、\begin{equation*}
wR^{-1}m\ \Leftrightarrow \ w\text{は}m\text{の妻である}
\end{equation*}を満たすため、\begin{equation*}
R^{-1}=\{(w_{2},m_{1}),(w_{3},m_{2})\}
\end{equation*}となります。つまり、「男性は女性の夫である」の逆関係は「女性は男性の妻である」です。

 

二項関係の逆関係

二項関係の逆関係を考えることもできます。\(X\)上の二項関係\(R\)の逆関係\(R^{-1}\)もまた\(X\)上の二項関係であり、任意の順序対\(\left( y,x\right) \in X\times X\)に対して、\begin{equation*}
\left( y,x\right) \in R^{-1}\Leftrightarrow \left( x,y\right) \in R
\end{equation*}すなわち、\begin{equation*}
yR^{-1}x\Leftrightarrow xRy
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

例(包含関係の逆関係)
集合系\(\mathfrak{A}\)上の二項関係\(R\)を、任意の順序対\(\left( X,Y\right) \in \mathfrak{A}\times \mathfrak{A}\)に対して、\begin{equation*}
XRY\ \Leftrightarrow \ X\subset Y
\end{equation*}を満たすものとして定義します。ただし、\(\subset \)は集合どうしの包含関係です。\(R\)の逆関係\(R^{-1}\)は、任意の順序対\(\left( Y,X\right) \in \mathfrak{A}\times \mathfrak{A}\)に対して、\begin{equation*}
YR^{-1}X\ \Leftrightarrow \ Y\supset X
\end{equation*}を満たします。つまり、\(\subset \)の逆関係は\(\supset \)です。

次回は逆関係の定義域と値域について解説します。
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