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対応(correspondence)の連続性についてのノート

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経済学でよく用いられる対応(correspondence)の連続性について、誤解が多いと思われる事実について整理します。
集合\(A\)から集合\(B\)への対応\(f:A\twoheadrightarrow B\)に対して, \(f\)が点\(a\in A\)においてupper hemi continuous (u.h.c.)を満たすとは,
\begin{equation*}
f\left( a\right) \subset U
\end{equation*}なる任意の開集合\(U\subset B\) について, ある\(a\)の近傍\(V\)があって,
\begin{equation*}
\forall v \in V : f\left( v\right) \subset U
\end{equation*}が成立することと定義されます。特に, 任意の\(A\)の点でu.h.c.ならば, \(f\)はu.h.c.と呼ばれます。この定義の名前をupper semi continuousと呼んでいる文献もあるため, 混乱しがちです。また他の文献によっては, \(f\)がupper semi continuousであるとは, \(f\)のグラフが閉であることと定義していたりします。閉グラフとu.h.c.の関係について一般に以下が成り立ちます。
「\(B\)はコンパクトかつハウスドルフ空間とします。このとき, \(f\)は閉グラフを持つことと, \(f\)はu.h.c.かつ閉値(closed value)であることは同値」
注意点として, このコンパクト性がなければ閉グラフを持つが, u.h.c.でない例が構成できます。u.h.c.と閉グラフを同値であると書いている記述には注意が必要です。

上で定義した対応\(f\)を引き続き考え, 特に\(B\)がベクトル空間(より厳密には, 局所凸(locally convex)なハウスドルフ空間を考えることが多い)であるとします。このとき, 別の連続性の概念を考えることがあります。まず, 「関数の逆像の対応版」を定義します。\(f\)について集合\(X\)のupper inverse とは, \(\left\lbrace x:f\left(x\right)\subset X\right\rbrace\)であり, lower inverseとは\(\left\lbrace x:f\left(x\right)\cap X\neq\emptyset\right\rbrace\)と定義するのが自然です(\(f\)を関数として考えれば, 拡張になっていることが分かります)。
\(f\)がupper demi continuousであるとは, すべての\(B\)のopen half spaceのupper inverseが\(A\)の開集合であること, と定義されます。同様に,
\(f\)がlower demi continuousであるとは, すべての\(B\)のopen half spaceのlower inverseが\(A\)の開集合であること, と定義されます。
ここで, \(B\)のopen half spaceとは\(\left\lbrace b:\varphi\left(b\right)>\alpha\right\rbrace\)です。ここで, \(\varphi\)は\(B\)の連続な線形汎関数(つまりBの双対の元です)で, \(^{}\alpha\in\mathbb{R}\)です。つまり任意のopen half spaceとは, これら\(\varphi\)と\(\alpha\)を任意にとったものを意味します。
定義から, u.h.c.ならばu.d.c.であり, l.h.c.ならばl.d.c.です。しかし逆は成り立ちません。

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