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CHALLENGE PROBLEM

【挑戦問題】シャーロック・ホームズによる推論の妥当性

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問題

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イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)が生み出した架空の名探偵シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)は、短編小説「白面の兵士(The adventure of teh Blanched Soldier)」において、事件の推理を行う上での原則を以下のように述べています。

不可能なものを除外していき最後に残ったものが、たとえ起こりそうもないようなことであったとしても、やはりそれが真実なのである。
When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.

ホームズの推理を検証してみましょう。長編小説「緋色の研究(A Study in Scarlet)」の終盤、ホームズは自身の推理を披露します。以下はその一部分です(一部意訳)。

さて、続いて問題になるのは今回の殺人の「動機」だ。殺人の目的は強盗ではない。なぜなら何も盗られていないからだ。思想犯だろうか、それとも私怨だろうか。それが僕の疑問だった。僕は最初から私怨だろうという気がしていた。思想犯が殺人を行う場合、目的を遂げたらすぐに逃亡するものだ。だが、本件の犯人はそれとは逆に、執拗に殺害を行ったためか部屋中に痕跡を残している。これは犯人はその間ずっと現場にとどまっていたことを意味する。本件の動機は私怨に違いない。

ホームズによる以上の推論が妥当であることを、命題論理の言語を用いて証明してください

プレミアム会員の方は下部にあるメールフォーム(ログインすると表示されます)から答案を送ってください(手書きの答案を撮影した画像を送ることもできます)答案の提出期限は2021年3月14日です。

 

結果

回答者 正解者
4名 1名

 

解答

以下の命題変数を導入します。\begin{eqnarray*}
P_{1} &:&\text{動機は強盗である} \\
P_{2} &:&\text{何かが盗まれた} \\
P_{3} &:&\text{動機は思想である} \\
P_{4} &:&\text{動機は私怨である} \\
P_{5} &:&\text{犯人はすぐに逃亡する} \\
P_{6} &:&\text{犯人は部屋中に痕跡を残す}
\end{eqnarray*}このとき、
$$\begin{array}{lllll}
\left( 1\right) & 強盗なら何かが盗まれているはずである & P_{1}\rightarrow P_{2} & & 前提 \\
\left( 2\right) & 何も盗まれていない & \lnot P_{2} & \quad & 前提 \\
\left( 3\right) & 強盗でないならば思想犯または私怨である & \lnot P_{1}\rightarrow \left( P_{3}\vee P_{4}\right) & \quad & 前提 \\
\left( 4\right) & 思想犯ならばすぐに逃亡する & P_{3}\rightarrow P_{5} & & 前提 \\
\left( 5\right) & 痕跡は犯人がすぐに逃げなかったことを意味する & P_{6}\rightarrow \lnot P_{5} & & 前提 \\
\left( 6\right) & 犯人は痕跡を残している & P_{6} & & 前提 \\
\left( 7\right) & 強盗ではない & \lnot P_{1} & & \left( 1\right) ,\left( 2\right) と後件否定 \\
\left( 8\right) & 思想犯または私怨である & P_{3}\vee P_{4} & & \left( 3\right) ,\left( 7\right) と含意除去 \\
\left( 9\right) & 犯人はすぐに逃げなかった & \lnot P_{5} & & \left( 5\right) ,\left( 6\right) と含意除去 \\
\left( 10\right) & 動機は思想ではない & \lnot P_{3} & & \left( 4\right) ,\left( 9\right) と後件否定 \\
\left( 11\right) & 私怨である & P_{4} & & \left( 8\right) ,\left( 10\right) と選言三段論法
\end{array}$$
という証明が存在するため、ホームズによる推論が妥当であることが示されました。

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