1変数関数の微分を定義します。
関数の点における微分係数は極限を用いて定義されますが、その点が区間の境界点である場合などには通常の意味での極限が定義不可能であるため、片側極限を用いて微分可能性を定義します。このようにして定義された微分係数を片側微分係数と呼びます。
関数が点において右側微分可能かつ左側微分可能であるとともに左右の片側微分係数が一致することは、その関数がその点において微分可能であることと必要十分であるとともに、その場合、微分係数は片側微分係数と一致します。
微分に関して議論を行う上で最低限必要となる性質について解説します。
代表的な関数の微分について解説するとともに、それらの知識を利用してより広範な関数を微分する方法を解説します。
関数の導関数が微分可能である場合には導関数の導関数が得られますがこれを2階の導関数と呼びます。同様に、3階の導関数、4階の導関数なども定義可能です。これらを高階の導関数と呼びます。
高階微分可能な関数どうしの積として定義される関数もまた高階微分であり、その高階導関数はライプニッツの公式と呼ばれる命題より導出可能です。
関数が微分可能であることに加えて導関数が連続である場合、その関数は連続微分可能であると言います。連続微分可能な関数は微分可能ですが、その逆は成立するとは限りません。
準備中です。
有界な閉区間上に定義された連続関数が定義域の内部において微分可能であるとともに定義域の端点において等しい値をとる場合、その関数は定義域の内部に停留点を持つことが保証されます。これをロルの定理と呼びます。
関数が全単射でない場合でも、一定の条件のもとでは、関数の定義域を点の近傍に制限することにより局所的な逆関数の存在を保証できるとともに、その逆関数を微分できます。
有界な閉区間上に定義された連続関数が定義域の内部において微分可能である場合には、そのグラフの両端の点を結んだ線分と平行な接線をグラフ上に引くことができます。
区間上に定義された微分可能な関数を対象とした場合、その導関数を観察することにより、もとの関数の値の挙動(定数関数・単調関数・狭義単調関数)に関する情報を得ることができます。
コーシーの平均値の定理とは、有界閉区間上に定義された2つの関数について、関数の値の区間を通じた変化量と瞬間的な変化量の関係を規定する命題です。コーシーの平均値の定理はラグランジュの平均値の定理の一般化です。
関数を微分することとは、もとの複雑な関数をシンプルな1次の多項式で近似することを意味します。それとは逆に、微分可能な関数を多項式によって近似することで近似の精度を高めようとするのがテイラーの定理の背景にある考え方です。
関数を微分することとは複雑な関数を1次の多項式によって近似することを意味します。それとは逆に、微分可能な関数を多項式を用いて近似することで近似の精度を高める考え方もあります。
関数が高階微分可能である場合に、その関数をテイラーの近似多項式によって近似できることの根拠を与えるのがテイラーの定理です。
テイラーの定理は関数の値が有限次数の多項式と剰余項の和として表せることを保証する命題ですが、次数が限りなく大きくなるにつれて剰余項はゼロへ収束する場合、関数の値を無限次数の多項式として表現できます。
自然対数関数にはテイラーの定理を適用できる一方、点0において定義されていないためマクローリンの定理を適用できません。関数 ln(x+1) は点0において定義されており、マクローリン展開可能です。
正弦関数(sin関数)はテイラー(マクローリン)展開可能です。正弦関数のテイラー(マクローリン)級数を特定します。
余弦関数(cos関数)はテイラー(マクローリン)展開可能です。余弦関数のテイラー(マクローリン)級数を特定します。
本節の内容を理解するためには以下の分野の知識が必要です。
本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での土台になります。