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LEBESGUE MEASURE

ルベーグ測度

OVERVIEW

ルベーグ測度

長さや面積、体積などはいずれも同一種類の小さい量を加え合わせることでより大きな量をつくることができるという意味において外延的な量です。一般に、外延量は測度と呼ばれる概念として一般化されます。ここでは実数空間(数直線)の部分集合を測定対象とするルベーグ測度について解説します。
TABLE OF CONTENTS

目次

LENGTH OF INTERVAL

区間の長さ

数直線上に存在する区間と呼ばれる集合の外延量を定義します。

区間の集合族

区間の長さと、その区間を分割して得られる小区間の長さの関係は、数直線の部分集合どうしの外延量の関係として捉えることができます。つまり、「区間の長さ」という外延量は数直線の部分集合族に導入されるということです。この集合族は集合半環としての性質を満たします。

区間の長さ

区間の外延量を表現する集合関数を定義します。この集合関数はσ-加法測度としての性質を満たすことを示します。

LENGTH OF FIGURE

区間塊の長さ

数直線上に存在する区間塊と呼ばれる集合の外延量を定義します。

区間塊(基本集合)

有限個の互いに素な区間の和集合として表される点集合を区間塊と呼びます。すべての区間塊からなる集合族は集合環としての性質を満たします。

区間塊(基本集合)の長さ

区間塊は有限個の互いに素な区間の和集合として表される点集合ですが、それらの区間の長さの総和として区間塊の長さを定義します。区間塊の長さはσ-加法測度としての性質を満たします。

LEBESGUE MEASURE

ルベーグ測度

ルベーグ可測集合と呼ばれる数直線の部分集合を定義するとともに、その外延量であるルベーグ測度について解説します。

カラテオドリ拡張とルベーグ外測度

区間の長さを拡張することにより、任意の点集合の外延量を測定可能な測度概念を定義します。このような操作をカラテオドリ拡張と呼び、こうして得られる測度をルベーグ外測度やカラテオドリ外測度などと呼びます。ルベーグ外測度は外測度としての性質を満たします。

ルベーグ可測集合の定義と具体例

ルベーグ外測度はσ-加法性を満たさないため、その定義域を適当なRの部分集合族へ縮小することを考えます。そのようなRの部分集合族の候補としてルベーグ集合族と呼ばれるものを導入します。これはσ-代数としての性質を満たします。

ルベーグ測度の定義

ルベーグ外測度の定義域をルベーグ可測集合族に制限して得られる写像をルベーグ測度と呼びます。ルベーグ外測度とは異なり、ルベーグ測度はσ-加法測度としての性質を満たします。

ヴィタリの被覆定理

点集合のヴィタリ被覆の中から有限個の互いに素な区間を上手く選んだ上で、選んだ区間の和集合ともとの集合との差集合をとることにより、その差集合の測度をいくらでも小さくすることができます。これをヴィタリの被覆定理と呼びます。

BOREL MEASURE

ボレル測度

開集合族を部分集合として持つ最小のσ-代数をボレル集合族と呼びます。ルベーグ測度の定義域をボレル集合族に制限することにより得られる写像をボレル測度と呼びます。

ボレル集合の定義と具体例

ルベーグ可測集合族は実数空間Rの開集合系を部分集合として持つσ-代数ですが、他にも同様の性質を満たすRの部分集合族は存在するのでしょうか。ボレル集合族はそのような性質を満たすRの部分集合族の中で最小のものです。

ボレル測度の定義

ルベーグ外測度の定義域をボレル集合族に制限することにより得られる写像をボレル測度と呼びます。ルベーグ測度と同様に、ボレル測度もまたσ-加法測度としての性質を満たします。

拡大実数系上のボレル集合

拡大実数系上の開集合系から生成される最小のσ-代数をボレル集合族と呼びます。ボレル集合族は拡大実数系上の近傍系や特定の近傍系から生成することもできます。

カントール集合

カントール集合を定義するとともに、3進展開を用いてカントール集合を特徴づけます。カントール集合は非空なコンパクト集合であるとともに、非可算集合であるような零集合でもあります。

EXERCISE

確認テスト

ルベーグ測度に関する確認テストです。

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

REQUIRED KNOWLEDGE

前提知識

本節を学ぶ上で以下の知識が役に立ちます。

実数

実数を特徴づける公理を出発点とした上で、実数空間上に定義された演算、順序、そして実数の連続性などについて議論します。さらに、数列や収束列、実数空間上の位相、実数空間上に定義された関数の性質などについて議論します。

ADVANCED KNOWLEDGE

発展知識

本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。

ルベーグ可測関数

ルベーグ集合上に定義された関数によるボレル集合の逆像がルベーグ可測であることが保証される場合、そのような関数をルベーグ可測関数と呼びます。代表的な可測関数について、その性質を解説します。

ルベーグ積分

ルベーグ積分とは測度論を用いてより一般的な関数に対して積分を定義する手法です。ルベーグ積分を用いることにより、リーマン積分では積分できなかった様々な関数が積分可能になります。

ディニ微分

微分を一般化したディニ微分と呼ばれる微分概念を導入するとともに、ルベーグ積分との関係について解説します。

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