ルベーグ可測関数の定義
ルベーグ集合上に定義された関数によるボレル集合の逆像がルベーグ可測であることが保証される場合、そのような関数はルベーグ可測であると言います。
ルベーグ可測関数やボレル可測関数などの概念を定義します。
ルベーグ集合上に定義された関数によるボレル集合の逆像がルベーグ可測であることが保証される場合、そのような関数はルベーグ可測であると言います。
ルベーグ集合上に定義された拡大実数値関数によるボレル集合の逆像がルベーグ可測であることが保証される場合、そのような関数はルベーグ可測であると言います。
ボレル集合上に定義された関数によるボレル集合の逆像がボレル可測であることが保証される場合、そのような関数はボレル可測であると言います。
ボレル集合上に定義された拡大実数値関数によるボレル集合の逆像がボレル可測であることが保証される場合、そのような関数はボレル可測であると言います。
可測関数の基本的な性質について解説します。
ルベーグ測度空間は完備です。つまり、零集合であるようなルベーグ可測集合を任意に選んだとき、その任意の部分集合がルベーグ可測になります。したがって、ルベーグ可測関数とほとんどいたるところで等しい関数もまたルベーグ可測になります。
ルベーグ可測集合上に定義された連続な実数値関数や拡大実数値関数はルベーグ可測です。また、ボレル集合上に定義された連続な実数値関数や拡大実数値関数はボレル可測です。
ルベーグ可測集合上に定義された単調増加関数や単調減少関数はルベーグ可測です。また、ボレル集合上に定義された単調増加関数や単調減少関数はボレル可測です。
ルベーグ可測関数の定数倍として定義される関数はルベーグ可測関数です。また、ボレル可測関数の定数倍として定義される関数はボレル可測関数です。
ルベーグ可測関数どうしの和として定義される関数はルベーグ可測関数です。また、ボレル可測関数どうしの和として定義される関数はボレル可測関数です。
ルベーグ可測関数どうしの差として定義される関数はルベーグ可測関数です。また、ボレル可測関数どうしの差として定義される関数はボレル可測関数です。
ルベーグ可測関数どうしの積として定義される関数はルベーグ可測関数です。また、ボレル可測関数どうしの積として定義される関数はボレル可測関数です。
ルベーグ可測関数どうしの商として定義される関数はルベーグ可測関数です。また、ボレル可測関数どうしの商として定義される関数はボレル可測関数です。
有限個の可測関数の値の最大値や最小値を値として定める写像は可測関数です。また、有限個の拡大実数値可測関数の値の最大値や最小値を値として定める写像は拡大実数値可測関数です。
可算個の可測関数の値の上限や下限を値として定める写像は可測関数ないし拡大実数値可測関数です。また、可算個の拡大実数値可測関数の値の上限や下限を値として定める写像は拡大実数値可測関数です。
可測関数列が定める値からなる数列の上極限や下極限や極限を与える写像は可測関数です。また、拡大実数値可測関数列が定める値からなる拡大実数列の上極限や下極限や極限を与える写像は拡大実数値可測関数です。
可測関数列の各点極限もまた可測関数です。特に、ルベーグ測度空間は完備であるため、ほとんどいたるところで各点収束するルベーグ可測関数列の極限もまたルベーグ可測関数になります。
可測関数列の一様極限もまた可測関数です。つまり、可測関数列が何らかの関数へ一様収束する場合、その極限もまた可測関数になります。
カントール集合の要素はいずれも小数点以下が0または2であるような3進数として一意的に表現されますが、それを2進数に変換する関数をカントール関数と呼びます。カントール関数は全射かつ単調増加かつ連続です。
単関数と呼ばれるクラスの可測関数について解説します。単関数はルベーグ積分を定義する際に重要な役割を果たします。
実数空間の部分集合が与えられれば、変数がその集合に属する場合には1を返し、変数がその集合に属さない場合には0を返す関数が定義可能です。これを特性関数と呼びます。特性関数が可測であることと、特性関数を定義する集合が可測であることは必要十分です。
ルベーグ可測集合上に定義された実数値関数がルベーグ可測であるとともに、その値域が有限集合である場合、そのような関数を単関数と呼びます。
単関数の定数倍として定義される関数もまた単関数になることが保証されます。
単関数どうしの和として定義される関数もまた単関数になることが保証されます。
単関数どうしの差として定義される関数もまた単関数になることが保証されます。
ルベーグ可測関数は単関数を用いて近似的に表現することができます。この事実は後にルベーグ積分の概念を定義する際に役に立ちます。
本節を学ぶ上で必要となる前提知識はありません。
本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。
命題論理の基本単位が命題変数であったのに対し、述語論理では命題関数と呼ばれる概念が基本単位となります。それにより扱うことのできる言明の範囲が広がるとともに、量化と呼ばれる操作が可能になります。