多変数関数の多重リーマン積分可能性と定積分の定義
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された有界な多変数関数が多重リーマン積分可能であることの意味を定義するとともに、多重リーマン積分可能であること、ないし多重リーマン積分可能ではないことを判定する方法を解説します。
ユークリッド空間上に存在する有界かつ閉な超直方体領域上に定義された有界な関数が多重積分可能であることの意味を定義するとともに、多重積分可能性を判定するための方法を解説します。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された有界な多変数関数が多重リーマン積分可能であることの意味を定義するとともに、多重リーマン積分可能であること、ないし多重リーマン積分可能ではないことを判定する方法を解説します。
n次元空間上に存在する直方体領域上に定義された有界な多変数関数の上リーマン積分と下リーマン積分を定義するとともに、極限を用いて上リーマン積分や下リーマン積分を特定する方法を解説します。
n次元空間上に存在する直方体領域上に定義された有界な多変数関数の上リーマン積分と下リーマン積分が一致することは、その関数が多重リーマン積分可能であるための必要十分条件です。
多重積分の基本性質について解説します。
n次元空間上に存在する直方体領域上に定義された多変数関数が単調関数である場合、すなわち単調増加または単調減少である場合、その関数は領域上で多重リーマン積分可能です。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された多変数関数が連続関数である場合、その関数は領域上で多重リーマン積分可能です。
直方体上に定義された不連続な多変数関数が多重リーマン積分可能であるための条件について解説します。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された多変数関数が多重リーマン積分可能であることと、その関数がすべての小直方体領域において多重リーマン積分可能であることは必要十分です。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された多変数関数が多重リーマン積分可能である場合、その関数の定数倍として定義される多変数関数もまた多重リーマン積分可能です。
n次元空間上に存在する有界かつ閉な直方体領域上に定義された2つの多変数関数が多重リーマン積分可能である場合、それらの和として定義される多変数関数もまた多重リーマン積分可能です。
多変数関数を個々の変数について順番にルベーグ積分する手続きを逐次積分と呼びます。一定の条件のもとでは逐次積分の値は多重積分の値と一致します。
多変数関数を1変数関数とみなした上でリーマン積分をとり、得られた関数を再び1変数関数とみなした上でリーマン積分をとる、という操作をすべての変数に対して繰り返すことにより得られる値を逐次積分と呼びます。
有界かつ閉な直方体上に定義された多変数関数が連続である場合、関数は多重積分かつ逐次積分可能であるとともに、逐次積分の値は多重積分の値と一致します。これをフビニの定理と呼びます。
直方体とは限らない一般の集合上に定義された多変数関数の多重積分を導出する方法について解説します。
直方体域とは限らない一般の領域上に定義された多変数関数が多重リーマン積分可能であるための条件を特定するとともに、多重リーマン積分を具体的に導出する方法を解説します。
長方形領域とは限らない一般の領域上に定義された2変数関数が2重リーマン積分可能であるための条件を特定するとともに、2重リーマン積分を具体的に導出する方法を解説します。
直方体領域とは限らない一般の領域上に定義された3変数関数が3重リーマン積分可能であるための条件を特定するとともに、3重リーマン積分を具体的に導出する方法を解説します。
与えられた関数の多重積分を特定するのが困難である場合、座標系を変換すれば問題を解決できることがあります。
平面上の領域に定義された2変数関数を2重積分するのが困難である場合、積分領域と被積分関数を円座標(平面極座標)に変換してから2重積分をとることにより計算が簡単になることがあります。
空間上の領域に定義された3変数関数を3重積分するのが困難である場合、積分領域と被積分関数を円筒座標(空間極座標)に変換してから3重積分をとることにより計算が簡単になることがあります。
空間上の領域に定義された3変数関数を3重積分するのが困難である場合、積分領域と被積分関数を球面座標(空間極座標)に変換してから3重積分をとることにより計算が簡単になることがあります。
本節を学ぶ上で以下の知識が役に立ちます。
実数空間すなわち数直線の位相に関するテキストと演習問題です。実数空間上の開集合や閉集合など、位相を規定する概念について解説します。
実数空間もしくはその部分集合を定義とし、ユークリッド空間を終集合とする写像を曲線やベクトル値関数などと呼びます。ここでは曲線の収束や連続性などについて解説します。
曲線(1変数のベクトル値関数)について、その微分を定義した上で、微分に関して成り立つ様々な性質を解説します。
1変数関数のリーマン積分について学びます。具体的には、積分の概念を定義した上で、積分の基本性質や初等関数の積分、微分と積分の関係、関連する諸定理について学びます。
本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。
与えられた制約条件のもとで関数の値を最大化または最小化する変数の値を求めることを最適化と呼びます。ここでは微分可能な関数を対象とする様々な最適化問題の解法を解説します。