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RELATION

関係

OVERVIEW

関係とは何か

複数の物事が互いに関わり合っている状態を「関係」と呼びますが、これは数学的には2つの集合の直積の部分集合として定義されます。関係や二項関係、同値関係、順序関係など代表的な関係について解説します。

TABLE OF CONTENTS

目次

RELATION

関係

関係は2つの集合の直積の部分集合として定式化されます。

二項関係の定義と具体例

複数の物事が互いに関わり合っている状態を関係と呼びますが、数学において関係(二項関係)とは、2つの集合の直積の部分集合として定式化されます。

自己関係の定義と具体例

始集合と終集合が一致する関係を自己関係と呼びます。自己関係は与えられた集合の直積の部分集合として定義されます。

二項関係の逆関係

集合Aから集合Bへの二項関係Rが与えられたとき、Rの要素である順序対(a,b)の成分を入れ替えることにより得られる順序対(b,a)からなるBからAへの二項関係をもとの二項関係Rの逆関係と呼びます。

二項関係どうしの合成関係

2つの関係 R, S が与えられたとき、xRy と ySz がともに成り立つような y が存在するような順序対 (x,z) からなる集合を R と S の合成関係と呼び、これを S∘R で表します。

PROPERTIES OF RELATION

二項関係の性質

二項関係の基本的な性質について解説します。

二項関係の反射律

集合A上の二項関係Rのもとで、Aの任意の要素xがx自身と関係を持つ場合、Rは反射律を満たすと言います。反射律を満たす二項関係の例を挙げます。

二項関係の非反射律(無反射律)

集合A上の二項関係Rのもとで、Aの任意の要素xがx自身と関係を持たない場合、Rは非反射律を満たすと言います。非反射律を満たす二項関係の例を挙げます。

二項関係の対称律

集合A上の二項関係Rのもとで、Aの任意の要素x,yについて、Rのもとでxがyと関係を持つ場合にはyとxが関係を持つ場合、Rは対称律を満たすと言います。対称律を満たす二項関係の例を挙げます。

二項関係の反対称律

集合A上の二項関係Rのもとで、Aの任意の要素x,yについて、xがyと関係を持つとともにyがxと関係を持つ場合にはxとyが一致する場合、Rは反対称律を満たすと言います。反対称律を満たす二項関係の例を挙げます。

二項関係の非対称律

集合A上の二項関係Rのもとで、Aの任意の要素x,yについて、xがyと関係を持つ場合にはyがxと関係を持たない場合、Rは非対称律を満たすと言います。非対称律を満たす二項関係の例を挙げます。

二項関係の推移律

集合A上の二項関係Rのもとで、Aの任意の要素x,y,zについて、xがyと関係を持つとともにyがzと関係を持つ場合にxとzが関係を持つことが保証されるならば、Rは推移律を満たすと言います。推移律を満たす二項関係の例を挙げます。

二項関係の完備律・完全律・三分律

集合A上の二項関係Rが完備律、完全律、三分律を満たすことの意味をそれぞれ定義した上で、それらの関係を解説するとともに、具体例を挙げます。

EQUIVALENCE RELATION

同値関係

反射律、対称律、推移律を満たす関係を同値関係と呼びます。

同値関係の定義と具体例

反射律、対称律、推移律を満たす二項関係を同値関係と呼びます。また、同値関係のもとで 2 つの要素が関係を持つとき、それらの要素は同値であると言います。同値関係を定義した上で、同値関係の具体例を提示します。

同値類

集合 A 上の同値関係 R が与えられたとき、A の要素 x を任意に選べば、R のもとで x と同値であるような A のすべての要素からなる集合を構成できます。このような A の部分集合を x を代表元とする同値類と呼びます。

商集合

集合 A のそれぞれの要素 a に対して、それを代表元とする同値類 [a] を生成できますが、そのようなすべての同値類からなる A の部分集合族を商集合と呼びます。商集合は A の分割です。つまり、A の任意の要素は何らかの同値類に属するとともに、異なる複数の同値類に属することはありません。

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

REQUIRED KNOWLEDGE

前提知識

本節を学ぶ上で以下の知識が役に立ちます。

集合

集合論は数学の土台です。あらゆる数学的概念は集合を用いて記述できます。ここでは集合を定義した上で、集合演算とその性質について学び、さらには集合族や直積集合、関係などについて学びます。

ADVANCED KNOWLEDGE

発展知識

本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。

集合の濃度

集合の濃度とは要素の個数を一般化した概念であり、これを用いることにより無限どうしを比較できるようになります。

実数の定義

実数を無限小数として定義する場合、実数に関する議論はすべて無限小数に関する議論として行うことになり面倒です。そこで代替的な方法として公理主義的なアプローチのもとで実数を定義します。ここでは実数を特徴づける公理について解説します。

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