ベクトル値関数の積分

1変数のベクトル値関数(曲線)について、そのリーマン積分を定義した上で、積分に関して成り立つ様々な性質を解説します。

学習内容

ベクトル値関数のリーマン積分

1変数のベクトル値関数のリーマン積分を定義します。

ベクトル値関数のリーマン積分と定積分

有界な閉区間上に定義された有界な1変数のベクトル値関数(曲線)がリーマン積分可能であることの意味を定義するとともに、関連して定積分と呼ばれる概念を定義します。

単調なベクトル値関数のリーマン積分可能性

1変数のベクトル値関数がリーマン積分可能であるための十分条件として、成分ごとの単調性を解説します。各成分が独立して単調増加または単調減少であれば、ベクトル全体として積分可能です。

連続なベクトル値関数のリーマン積分可能性

1変数のベクトル値関数がリーマン積分可能であるための十分条件として、連続性を解説します。各成分が連続であれば、ベクトル全体として積分可能です。

ベクトル値関数の定積分の加法性

分割して足すという定積分の基本性質「加法性」に焦点を当て、ベクトル値関数ならではの活用法を解説します。

ベクトル値関数のスカラー倍の定積分(スカラー倍の法則)

リーマン積分可能なベクトル値関数のスカラー倍もまた積分可能であるという定積分の基本性質「スカラー倍の法則」に焦点を当て、ベクトル値関数ならではの活用法を解説します。

ベクトル値関数のベクトル和の定積分(ベクトル和の法則)

リーマン積分可能なベクトル値関数どうしのベクトル和もまた積分可能であるという定積分の基本性質「ベクトル和の法則」に焦点を当て、ベクトル値関数ならではの活用法を解説します。

ベクトル値関数のベクトル差の定積分(ベクトル差の法則)

リーマン積分可能なベクトル値関数どうしのベクトル差もまた積分可能であるという定積分の基本性質「ベクトル差の法則」に焦点を当て、ベクトル値関数ならではの活用法を解説します。

ベクトル値関数と線形写像の合成関数の定積分(内積や外積の積分)

リーマン積分可能なベクトル値関数と線形写像の合成写像がリーマン積分可能であることを示します。その特殊例として、ベクトルとベクトル値関数の内積や外積の定積分を求める方法を解説します。

ベクトル値関数のノルムと定積分(積分不等式)

ベクトル値関数の積分の大きさは、大きさの積分以下になることを証明します。ベクトル値関数が物体の速度ベクトルである場合、これは出発点から到達点への直線距離が道のり以下であることを意味します。

微分と積分の関係

微分積分学の基本定理を中心に、ベクトル値関数の微分と積分の間に成立する関係について解説します。

ベクトル値関数に関する微分積分学の第2基本定理(求積分定理)

1変数のベクトル値関数(曲線)に関しても微分積分学の第2基本定理は成立します。つまり、有界閉区間上に定義されたベクトル値関数がリーマン積分可能であり、原始関数であるような連続なベクトル値関数を持つ場合、原始関数が区間の端点に対して定めるベクトルの差は、もとの関数の定積分と一致します。

純変化量としてのベクトル値関数の定積分(純変化量定理)

1変数のベクトル値関数の導関数を区間上でリーマン積分した場合、得られた定積分の値は、もとの関数の区間上での変化と一致することが保証されます。これを純変化量定理と呼びます。

ベクトル値関数に関する微分積分学の第1基本定理

1変数のベクトル値関数(曲線)に関しても微分積分学の第2基本定理は成立します。つまり、有界な閉区間上に定義されたベクトル値関数が連続である場合には、その関数の定積分を特定するベクトル値関数を微分すればもとのベクトル値関数が得られます。

ベクトル値関数の原始関数と不定積分

1変数のベクトル値関数(曲線)の原始関数および不定積分と呼ばれる概念を定義するとともに、区間上に定義された連続なベクトル値関数に関しては両者は一致することを示します。

ベクトル値関数の積分の性質

微分積分学の基本定理を踏まえた上で、不定積分や定積分に関する基本的な性質を提示します。

連続なベクトル値関数のスカラー倍の原始関数・不定積分・定積分(スカラー倍の法則)

区間上に定義された連続なベクトル値関数と、そのスカラー倍として定義されるベクトル値関数について、両者の原始関数、不定積分、定積分の間に成立する関係について解説します。

連続なベクトル値関数のベクトル和の原始関数・不定積分・定積分(ベクトル和の法則)

区間上に定義された連続な2つのベクトル値関数と、それらのベクトル和として定義されるベクトル値関数について、両者の原始関数、不定積分、定積分の間に成立する関係について解説します。

連続なベクトル値関数のベクトル差の原始関数・不定積分・定積分(ベクトル差の法則)

区間上に定義された連続な2つのベクトル値関数と、それらのベクトル差として定義されるベクトル値関数について、両者の原始関数、不定積分、定積分の間に成立する関係について解説します。

連続なベクトル値関数のスカラー関数倍の積分(スカラー関数倍の部分積分)

区間上に定義された連続なベクトル値関数のスカラー関数倍として定義されるベクトル値関数を積分する方法について解説するとともに、応用例を紹介します。

連続なベクトル値関数の内積の積分(内積の部分積分)

区間上に定義された連続な2つのベクトル値関数の内積として定義される実数値関数を積分する方法について解説するとともに、応用例を紹介します。

連続なベクトル値関数の外積の積分(外積の部分積分)

区間上に定義された連続な2つのベクトル値関数の外積として定義される実数値関数を積分する方法について解説するとともに、応用例を紹介します。

応用例

ベクトル値関数の積分の応用例です。

平面運動の解析:ベクトル値関数の微積分の応用例

平面上を動く点の位置・変位・速度・加速度・速さ・道のりなどの概念を定義するとともに、それらの概念の関係をベクトル値関数の微分と積分を用いて表現します。

放物運動(斜方投射)

物体を斜め上方に射出し、あとは重力に任せて落下させるような運動を斜方投射と呼びます。ベクトル値関数の微分および積分を用いて斜方投射を分析します。

空間上を動く点の位置・変位・速度・加速度・速さ

空間上を動く点の位置・変位・速度・加速度などの概念を定義するとともに、それらの概念の関係をベクトル値関数の微分と積分を用いて表現します。

円運動の解析:ベクトル値関数の微積分の応用例

円運動のもとでの速度、加速度、速さ、道のりについて解説します。等速円運動、非等速円運動、3次元空間における斜面上での円運動も扱います。さらに、円運動を弧長パラメータ表示した上で曲率などを求めます。

楕円運動の解析:ベクトル値関数の微積分の応用例

楕円運動のもとでの速度、加速度、速さ、道のりについて解説します。等角速楕円運動、非等角速楕円運動、3次元空間における斜面上での楕円運動も扱います。

ケプラーの法則:ベクトル値関数の微積分の応用例

ケプラーの第1法則・第2法則・第3法則を、ベクトル解析とニュートン力学を用いて厳密に解説します。面積速度一定の法則、楕円軌道、離心率ベクトル、極座標表示、ニュートン力学との関係を導出します。

学習ガイド

大学の数学カリキュラムとWIISのカリキュラムは何が違うのか

多くの大学では入学後すぐに微分積分学や線形代数学を学び、その後に実数論や位相空間論などの理論的な科目へ進みます。一方、WIISでは論理学・集合論の後に実数論を学び、その上で微分積分学へ進むカリキュラムを採用しています。本記事では、それぞれの考え方とWIISの学習順序のメリットについて解説します。

最新の議論

現在、活発な議論はありません。

関連分野

論理学

論理学は、数学における証明や推論の基礎となる分野です。命題論理や述語論理を通じて、論理式、真理値、量化記号、証明の考え方を体系的に解説します。大学数学や理論的な学問を学ぶための出発点となる教材を提供しています。

集合論

集合論は現代数学の共通言語です。集合、写像、関係、濃度、順序関係を中心に、数学のさまざまな分野を理解するための基礎概念を体系的に解説します。実数論、線形代数学、位相空間論などへ進むための土台を築きます。

実数論

実数論では、実数の連続性や極限の概念を基礎から学びます。実数の定義、数列、関数、級数、関数列、数直線の位相、拡大実数系を通じて、解析学の理論的基盤を体系的に理解することを目指します。

ユークリッド空間

ユークリッド空間は、現代数学における解析学と幾何学の出発点です。点列、位相、ベクトル値関数、多変数関数を通じて、高次元空間における極限・連続性・収束の概念を学びます。位相空間論や最適化理論へ進むための重要な基礎を体系的に解説します。

1変数関数の微分

1変数関数の微分の概念を定義した上で、微分の基本性質や初等関数の微分、平均値の定理、高階の微分、テイラーの定理などについて学びます。これらの知識は後に1変数関数を目的関数とする最適化について学ぶ上での基盤になります。

1変数関数の積分

1変数関数のリーマン積分について学びます。具体的には、積分の概念を定義した上で、積分の基本性質や初等関数の積分、微分と積分の関係、関連する諸定理について学びます。

ベクトル値関数の微分

曲線(1変数のベクトル値関数)について、その微分を定義した上で、微分に関して成り立つ様々な性質を解説します。

多変数関数の微分

多変数関数(スカラー場)について、偏微分、方向微分、全微分などの様々な微分概念を定義するとともに、これらの微分概念の性質について解説します。

多変数関数の積分

多変数関数について、そのリーマン積分を定義した上で、積分に関して成り立つ様々な性質を解説します。

多変数ベクトル値関数の微分

多変数のベクトル値関数(ベクトル場)の偏微分や方向微分、全微分などの概念について解説します。

関数の最適化

与えられた制約条件のもとで関数の値を最大化または最小化する変数の値を求めることを最適化と呼びます。ここでは微分可能な関数を対象とする様々な最適化問題の解法を解説します。

微分積分の応用例

微分積分の現実社会における具体的な応用例について解説します。

このページの目次