ベクトル値関数のリーマン積分と定積分
有界な閉区間上に定義された有界な1変数のベクトル値関数(曲線)がリーマン積分可能であることの意味を定義するとともに、関連して定積分と呼ばれる概念を定義します。
1変数のベクトル値関数のリーマン積分を定義します。
有界な閉区間上に定義された有界な1変数のベクトル値関数(曲線)がリーマン積分可能であることの意味を定義するとともに、関連して定積分と呼ばれる概念を定義します。
微分積分学の基本定理を中心に、ベクトル値関数の微分と積分の間に成立する関係について解説します。
1変数のベクトル値関数(曲線)に関しても微分積分学の第2基本定理は成立します。つまり、有界閉区間上に定義されたベクトル値関数がリーマン積分可能であり、原始関数であるような連続なベクトル値関数を持つ場合、原始関数が区間の端点に対して定めるベクトルの差は、もとの関数の定積分と一致します。
1変数のベクトル値関数の導関数を区間上でリーマン積分した場合、得られた定積分の値は、もとの関数の区間上での変化と一致することが保証されます。これを純変化量定理と呼びます。
1変数のベクトル値関数(曲線)に関しても微分積分学の第2基本定理は成立します。つまり、有界な閉区間上に定義されたベクトル値関数が連続である場合には、その関数の定積分を特定するベクトル値関数を微分すればもとのベクトル値関数が得られます。
1変数のベクトル値関数(曲線)の原始関数および不定積分と呼ばれる概念を定義するとともに、区間上に定義された連続なベクトル値関数に関しては両者は一致することを示します。
ベクトル値関数によって定義される曲線の長さを積分を用いて求める方法を解説します。
空間上に存在する曲線が滑らかなベクトル値関数によって定義される場合には、そのベクトル値関数の導関数のノルムを積分することにより曲線の長さが得られます。
空間上に存在する曲線が滑らかでない場合でも、それを有限個の滑らかな弧に分割できる場合には、個々の弧の長さの総和をとることにより、もとの曲線の長さを特定できます。
本節を学ぶ上で以下の知識が役に立ちます。
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本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。
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