リスクが存在する状況における選択肢をクジと呼ばれる概念として定式化します。
リスクが存在する状況における選択肢をクジと呼ばれる概念として表現しましたが、何らかの確率分布にもとづいてクジをランダムに選ぶことも考えられるため、そのような意思決定を複合クジと呼ばれる概念として表現します。
行動を選択した場合に起こり得る結果が数値として表現できる場合には、クジを選択すれば結果の期待値を計算できます。ただ、人は期待値を最大化するような選択を行うとは限りません。
意思決定主体が持つ不確実性に対する好みの体系を選好関係や効用関数、期待利得関数などとして定式化します。
リスクが存在する状況における意思決定は、その人が持つ不確実性に対する好みの体系によって左右されます。そこで、そのような好みをクジどうしを比較する選好関係として定式化します。
リスクが存在する状況において、意思決定主体がクジどうしを比較する選好を表現する効用関数が存在する場合には、クジの間の相対的な望ましさを、実数の大小関係として表現することができます。
リスクが存在する状況において、意思決定主体がクジどうしを比較する選好を表現する効用関数が線型性と呼ばれる性質を満たす場合、そのような効用関数を期待効用関数と呼びます。通常の効用関数とは異なり、期待効用関数は一定の基数性を満たします。
意思決定主体の選好関係を表す効用関数や期待効用関数が存在するための条件を明らかにします。
2つのクジを任意に選んだとき、意思決定主体が一方を他方以上に好むか、もしくは両者を同じ程度望ましいものと考えている場合には、主体の選好関係は完備性を満たすと言います。
不確実性に直面する意思決定主体がクジどうしを比較する選好が循環しないことを保証するために、選好関係に対して推移性と呼ばれる性質を要求します。選好関係を表す効用関数が存在する場合、その選好は推移性を満たします。
不確実性に直面する意思決定主体がクジどうしを比較する選好が連続的に変化することを保証するために、選好関係に対して連続性と呼ばれる性質を要求します。選好関係を表す連続な効用関数や期待効用関数が存在する場合、その選好は連続性を満たします。
準備中
世の中に存在する資源は有限であり、加えて消費者は所得をはじめとする様々な制約に直面しているため、好きなものを好きなだけ消費できるわけではありません。だからこそ消費者が何をどのように選ぶのかという問題について考える意味があります。消費者理論は、様々な制約に直面する消費者がどのような意思決定を行うかを明らかにしようとします。
本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での土台になります。