数列の無限個の項を順番通りに足して得られる和を級数と呼びます。級数の値を特定する方法について解説します。
収束級数どうしの和として定義される級数は収束します。収束級数と発散級数の和として定義される級数は発散します。発散級数どうしの和として定義される級数は収束する場合と発散する場合の両方のパターンがあります。
アーベルの補題と呼ばれる式変形テクニックを利用すれば、数列の積として定義される数列の部分和を扱いやすい形に変形できます。アーベルの補題を踏まえた上で、クロネッカーの補題と呼ばれる命題を示します。
すべての項が非負の実数であるような数列の項の無限級数を正項級数と呼びます。
正項級数が収束ないし発散することを判定するために、収束ないし発散することが分かっている別の正項級数を持ってきて両者の項を比較する手法を比較判定法と呼びます。
数列のすべての項が正の実数であるとき、その項の無限級数が収束ないし発散するかを判定する際に、隣り合う項の比を一般項とする数列の極限を指標として利用することができます。
正項級数が収束ないし発散するかを判定する際に、その項のn乗根を一般項とする数列の極限を指標として利用することができます。
すべての項が非正の実数であるような数列の項の級数を負項級数と呼びます。負項級数の収束・発散判定は、それに対応する正項級数の収束・発散判定へ帰着させることができます。
与えられた級数の絶対値級数が収束する場合、もとの級数を絶対収束級数と呼びます。
与えられた級数の絶対値級数が収束する場合、もとの級数は絶対収束すると言います。絶対収束する級数は必ず収束する一方で、収束する級数は絶対収束するとは限りません。
代表的な級数を紹介するとともに、その収束可能性・発散可能性を検討します。
以下の分野の知識があると本セクションの内容を円滑に理解できます。
本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での土台になります。
1変数関数のリーマン積分について学びます。具体的には、積分の概念を定義した上で、積分の基本性質や初等関数の積分、微分と積分の関係、関連する諸定理について学びます。
長さや面積、体積などはいずれも同一種類の小さい量を加え合わせることでより大きな量をつくることができるという意味において外延的な量です。一般に、外延量は測度と呼ばれる概念として一般化されます。ここでは実数空間(数直線)の部分集合を測定対象とするルベーグ測度について解説します。