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FUNCTION

1変数関数

OVERVIEW

本節の内容

関数と呼ばれる概念を定義した上で、代表的な関数を紹介します。また、関数の極限や連続性などの概念について解説します。これらの知識は後に関数の微分を学ぶ上での土台となります。
TABLE OF CONTENTS

目次

FUNCTION

関数

それぞれの実数に対して実数を1つずつ定める規則を関数と呼びます。

関数の定義と具体例

実数空間もしくはその部分集合を始集合とし、実数空間を終集合とする写像を関数と呼びます。つまり、関数とはそれぞれの実数に対して実数を1つずつ定める規則です。

関数のグラフ

関数 f が与えられたとき、実数を成分とする順序対 (x,y) の中でも y=f(x) を満たすようなものからなる集合を f のグラフと呼びます。

関数による像と関数の値域

関数が始集合のそれぞれの要素に対して定める実数を、その要素の像と呼びます。関数がとり得るすべての値からなる集合を関数の値域と呼びます。

関数による逆像と関数の定義域

関数による実数の逆像や、関数による実数集合の逆像、また、関数の定義域などについて解説した上で、それらの概念が満たす性質について整理します。

合成関数

関数 f の値域が関数 g の定義域の部分集合である場合には、f の定義域のそれぞれの値 x に対して g(f(x)) を定めるような関数が定義可能であり、これを f と g の合成写像と呼びます。

逆関数の定義と求め方

関数が全単射である場合には、終集合のそれぞれの要素に対して、その逆像に含まれる唯一の要素を値として定める関数が定義可能であるため、これを逆関数と呼びます。

有界関数・局所有界関数・有限関数

関数の値域が上に有界である場合、その関数は上に有界であると言います。関数の値域が下に有界である場合、その関数は下に有界であると言います。上に有界かつ下に有界な関数を有界な関数と呼びます。

単調関数・狭義単調関数

変数の値が大きくなるにつれて関数の値が大きくなり続けたり小さくなり続ける場合、そのような関数を単調関数と呼びます。

狭義単調関数の逆関数

狭義単調関数は全単射であるため、終集合を値域に制限すれば全単射になります。したがって、その逆関数が必ず存在します。特に、狭義単調増加関数の逆関数は狭義単調増加であり、狭義単調減少関数の逆関数は狭義単調減少です。

POLYNOMIALS

多項式関数

多項式関数について解説します。

定数関数の定義と具体例

変数の値によらず常に一定の実数を値として定める関数を定数関数と呼びます。定数関数のグラフは水平な直線です。

恒等関数の定義と具体例

入力した値に等しい値を返す関数を恒等関数と呼びます。恒等関数は狭義単調増加関数であるとともに、定義域と値域は一致します。したがって、全区間上に定義された恒等関数は逆関数を持ち、それもまた恒等関数になります。また、恒等関数と任意の関数の合成関数もまた恒等関数になります。

多項式関数の定義と具体例

実数の定数と非負の整数個の変数の積として表される関数を単項式関数と呼び、単項式関数の和として定義される関数を多項式関数と呼びます。

EXPONENTIAL AND LOGARITHM

指数関数・対数関数

指数関数や対数関数などを定義します。

指数関数の定義と具体例

正の実数であるような底を所与としたとき、指数を変数とし、累乗を値として定めるような関数を指数関数と呼びます。特に、ネイピア数を底とする指数関数を自然指数関数と呼びます。指数関数は正の実数を値としてとる狭義単調関数です。

対数関数の定義と具体例

指数関数の逆関数を対数関数と呼びます。特に、自然指数関数の逆関数を自然対数関数と呼びます。対数関数は狭義単調関数です。

相乗平均(幾何平均)

n個の正の実数の積のn乗根を相乗平均や幾何平均などと呼びます。相乗平均の導出方法と応用例について解説します。

POWER FUNCTION

ベキ関数

ベキ関数について解説します。

自然数ベキ関数(自然数指数の累乗関数)の定義と具体例

次数が自然数であるようなベキ関数を自然数ベキ関数と呼びます。次数が奇数である場合、自然数ベキ関数は狭義単調増加関数になります。次数が偶数である場合、非正の区間において狭義単調減少になり、非負の区間において狭義単調増加になります。

整数ベキ関数(整数指数の累乗関数)の定義と具体例

次数が整数であるようなベキ関数を整数ベキ関数と呼びます。次数が負の奇数である場合、整数ベキ関数は狭義単調減少関数になります。次数が負の偶数である場合、負の区間において狭義単調増加であり、正の区間において狭義単調減少です。

絶対値関数の定義と具体例

入力した実数に対して、その絶対値を値として定める関数を絶対値関数と呼びます。絶対値関数は数直線上に定義可能です。

TRIGONOMETRIC FUNCTION

三角関数・逆三角関数

三角関数について解説します。

度数法と弧度法(度とラジアン)

角および角度の概念を定義した上で、角度を表現する手法である度数法と弧度法について解説します。度数法は私たちになじみ深い「度」を単位に角度を測る手法である一方、弧度法では「ラジアン」を利用します。

正弦関数(sin関数)の定義と具体例

それぞれのラジアンに対してその正弦(サイン)を定める関数を正弦関数(サイン関数)と呼びます。正弦関数のグラフを正弦曲線(サイン・カーブ)と呼びます。

余弦関数(cos関数)の定義と具体例

それぞれのラジアンに対してその余弦(コサイン)を定める関数を余弦関数(コサイン関数)と呼びます。余弦関数のグラフを余弦曲線(コサイン・カーブ)と呼びます。

正接関数(tan関数)の定義と具体例

余弦の値が非ゼロになるようなそれぞれのラジアンに対してその正接(タンジェント)を定める関数を正接関数(タンジェント関数)と呼びます。正接関数のグラフを正接曲線(タンジェント・カーブ)と呼びます。

逆正弦関数(arcsin関数)の定義

正弦関数(サイン関数)の定義域を適当な形で制限すれば全単射になるため、その逆関数である逆正弦関数(アークサイン関数)を定義することができます。

逆余弦関数(arccos関数)の定義

余弦関数(コサイン関数)の定義域を適当な形で制限すれば全単射になるため、その逆関数である逆余弦関数(アークコサイン関数)を定義することができます。

逆正接関数(arctan関数)の定義

正接関数(タンジェント関数)の定義域を適当な形で制限すれば全単射になるため、その逆関数である逆正接関数(アークタンジェント関数)を定義することができます。

LIMIT OF FUNCTIONS

関数の極限

関数の極限について解説します。

関数の極限(収束する関数)

実数の点集合上に定義された実数値関数を議論の対象とした上で、そのような関数が収束することの直感的な意味を解説し、さらにイプシロン・デルタ論法を用いて厳密に定義します。

数列を用いた関数の収束判定

関数が収束することをイプシロン・デルタ論法を用いて証明するのは困難です。関数が収束する・収束しないことを数列を用いて判定する方法を解説します。

ONE-SIDED LIMIT OF FUNCTIONS

関数の片側極限

関数の片側極限について解説します。

関数の片側極限(右側極限・左側極限)

関数が点において収束することの定義において、変数がその点に近づいていく際の経路に関して特に制約は設けられていません。一方、変数が点に近づいていく際の経路を指定する形で関数の極限を定義することも可能であり、その場合の極限を片側極限と呼びます。

数列を用いた関数の片側収束判定

関数が片側から収束することを示すためにイプシロン・デルタ論法を用いるのは面倒です。数列を用いて片側収束可能性を判定する方法について解説します。

関数の片側無限極限

関数の変数がある点に右側もしくは左側から近づくときに、変数の値が無限大や無限小へ発散する場合には、それらの極限を片側無限極限と呼びます。

LIMIT AT INFINITY

無限大における関数の極限

変数が限りなく大きく(小さく)なる場合の関数の極限について解説します。

無限大における関数の極限

実数の点集合上に定義された実数値関数について、変数の値が限りなく大きくなる場合や限りなく小さくなる場合の関数の極限を定義します。

無限大における関数の無限極限

関数の変数が限りなく大きくなる(限りなく小さくなる)ときに、関数の値が限りなく大きくなる(限りなく小さくなる)状況について考えます。

PROPERTIES OF LIMIT OF FUNCTIONS

関数の極限の性質

関数の極限に関する性質について解説します。

有界関数と収束関数の関係

有限な実数へ収束する関数は有界であるとは限りませんが、局所有界であることは保証されます。逆に、局所有界な関数は有限な実数へ収束するとは限りません。

有界単調関数の収束定理

区間上に定義された上に有界な単調増加関数や下に有界な単調減少関数は区間の右側の端点において左側収束します。また、下に有界な単調増加関数や上に有界な単調減少関数は区間の左側の端点において右側収束します。

定数関数の極限

定数関数は定義域上の任意の点において有限な極限・右側極限・左側極限を持ちます。また、正の無限大や負の無限大においても有限な極限を持ちます。

恒等関数の極限

恒等関数は定義域上の任意の点において有限な実数へ収束する一方、正の無限大において正の無限大へ発散し、負の無限大において負の無限大に発散します。

関数の定数倍の極限(定数倍の法則)

収束する関数を定数倍して得られる関数もまた収束し、新たな関数の極限はもとの関数の極限の定数倍になります。また、このような関係は無限極限に関しても拡張可能です。

関数の和の極限

収束する関数どうしの和として得られる関数もまた収束し、新たな関数の極限はもとの関数の極限の和になります。また、このような関係は無限極限に関しても拡張可能です。

関数の差の極限

収束する関数どうしの差として得られる関数もまた収束し、新たな関数の極限はもとの関数の極限の差になります。また、このような関係は一定の条件のもとで無限極限に関しても拡張可能です。

関数の積の極限

収束する関数どうしの積として得られる関数もまた収束し、新たな関数の極限はもとの関数の極限の積になります。また、このような関係は一定の条件のもとで無限極限に関しても拡張可能です。

関数の商の極限

収束する関数どうしの商として得られる関数もまた収束し、新たな関数の極限はもとの関数の極限の商になります。また、このような関係は一定の条件のもとで無限極限に関しても拡張可能です。

多項式関数の極限

多項式関数の極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

有理関数の極限

有理関数の極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

合成関数の極限

合成関数が有限な実数へ収束するための条件を明らかにするとともに、その極限を具体的に求める方法を解説します。

関数の極限と順序(はさみうちの定理)

定義域を共有する2つの収束関数について、一方の関数が定める値が他方の関数が定める値以上であるとき、両者の極限についても同様の大小関係が成り立ちます。また、はさみうちの定理と呼ばれる有益な命題についても解説します。

変数変換を用いた関数の極限の特定

関数の極限をそのままでは特定するのが難しい場合、変数を変換することにより極限を容易に特定できるようになる場合があります。変数を変換した上で関数の極限を特定する方法について解説します。

LIMIT OF ELEMENTARY FUNCTIONS

初等関数の極限

代表的な関数の極限について解説します。

指数関数の極限

指数関数や自然指数関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

対数関数の極限

対数関数や自然対数関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

自然数ベキ関数の極限

自然数を指数として持つベキ関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

整数ベキ関数の極限

整数を指数として持つベキ関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

無理関数の極限

無理関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

有理数ベキ関数の極限

有理数ベキ関数(累乗関数)について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

絶対値関数の極限

絶対値関数の極限、片側極限、無限大における極限を求める方法について解説します。

実数ベキ関数の極限

無理数を含めた実数を指数として持つベキ関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

正弦関数(sin関数)の極限

正弦関数(sin関数・サイン関数)について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

余弦関数(cos関数)の極限

余弦関数(cos関数・コサイン関数)について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

正接関数(tan関数)の極限

正接関数(tan関数・タンジェント)の極限について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

三角関数の極限公式

関数 sin(x)/x の点0における極限および無限大における極限を求めます。この関数の極限を利用することにより正弦関数に関する様々な関数の極限を容易に導出できるようになります。加えて、三角関数の微分について考える際にもこの関数は重要な役割を果たします。

逆正弦関数(arcsin関数)の極限

逆正弦関数(arcsin関数・アークサイン関数)や逆正弦関数との合成関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

逆余弦関数(arccos関数)の極限

逆余弦関数(arccos関数・アークコサイン関数)や逆余弦関数との合成関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

逆正接関数(arctan関数)の極限

逆正接関数(arctan関数・アークタンジェント関数)や逆正接関数との合成関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

INDETERMINATE FORM

不定形の極限

不定形と呼ばれるタイプの極限を定義するとともに、不定形を解消する方法を解説します。

不定形の極限(0/0型)

2つの関数の商として定義されている関数について、分子の関数と分母の関数がともにゼロへ収束する場合、もとの関数の極限を0/0型の不定形と呼びます。不定形の極限は有限な実数として定まる場合とそうでない場合の両方が起こり得ます。

不定形の極限(∞/∞型)

2つの関数の商として定義されている関数について、分子の関数と分母の関数がともに無限大へ発散する場合、もとの関数の極限を∞/∞型の不定形と呼びます。不定形の極限は有限な実数として定まる場合とそうでない場合の両方が起こり得ます。

不定形の極限(0×∞型)

2つの関数の積として定義されている関数について、一方がゼロへ収束する一方で他方が無限大へ発散する場合、もとの関数の極限を0×∞型の不定形と呼びます。不定形の極限は有限な実数として定まる場合とそうでない場合の両方が起こり得ます。

不定形の極限(∞-∞型)

2つの関数の差として定義されている関数について、2つの関数がともに正の無限大へ発散する場合、もしくはともに負の無限大へ発散する場合、もとの関数の極限を∞-∞型の不定形と呼びます。不定形の極限は有限な実数として定まる場合とそうでない場合の両方が起こり得ます。

不定形の極限(1^∞型)

関数の関数べき乗として定義される関数について、底に相当する関数が1へ収束する一方で指数に相当する関数が無限大へ発散する場合、もとの関数の極限を1^∞型の不定形と呼びます。

不定形の極限(0^0型)

関数の関数べき乗として定義される関数について、底に相当する関数と指数に相当する関数がともに0へ収束する場合、もとの関数の極限を00型の不定形と呼びます。

不定形の極限(∞^0型)

関数の関数べき乗として定義される関数について、底に相当する関数が無限大へ発散する一方で指数に相当する関数が0へ収束する場合、もとの関数の極限を∞0型の不定形と呼びます。

不定形の極限の解消:式変形を用いる方法

関数の極限が不定形である場合でも、関数を変形してから極限をとることにより不定形を解消できる場合があります。約分、因数分解、有理化などを通じて不定形を解消する方法を解説します。

不定形の極限の解消:極限公式を用いる方法

関数の極限が不定形である場合でも、関数の極限公式を用いることにより不定形を解消できる場合があります。三角関数やネイピア数に関する極限公式を用いて不定形を解消する方法を解説します。

CONTINUITY OF FUNCTIONS

関数の連続性

関数が連続であることの意味を解説します。

関数の連続性

関数の変数が定義域上のある点に限りなく近づくにつれて関数の値が有限な極限へ収束するとともに、その点における関数の値が先の極限と一致する場合、関数はその点において連続であると言います。

位相を用いた関数の連続性の判定

関数による任意の開集合の逆像が開集合であることは、その関数が定義域上において連続であるための必要十分条件です。また、関数による任意の有界開区間の逆像が開集合であることもまた、関数が連続であるための必要十分条件です。

ONE-SIDED CONTINUITY OF FUNCTIONS

関数の片側連続性

代表的な関数の連続性を示すとともに、連続関数の性質を解説します。

関数の片側連続性

関数が定義域上の点において右側極限を持つとともに、それがその点における関数の値と一致する場合、その関数はその点において右側連続であると言います。また、関数が定義域上の点において左側極限を持つとともに、それがその点における関数の値と一致する場合、その関数はその点において左側連続であると言います。

関数の連続点と不連続点

関数が定義域上の点において連続であるとき、その点を連続点と呼びます。一方、関数が定義域上の点において連続ではないとき、その点を不連続点と呼びます。不連続点は第1種と第2種の2種類に分類され、さらに第1種の不連続点は除去可能な不連続点と跳躍不連続点に分類されます。

PROPERTIES OF LIMIT OF FUNCTIONS

連続関数の性質

代表的な関数の連続性を示すとともに、連続関数の性質を解説します。

関数の定数倍の連続性

連続な関数の定数倍として定義される関数もまた連続です。同様に、片側連続(右側連続・左側連続)な関数の定数倍として定義される関数もまた片側連続です。

関数の和の連続性

連続な関数どうしの和として定義される関数もまた連続です。同様に、片側連続(右側連続・左側連続)な関数どうしの和として定義される関数もまた片側連続です。

関数の差の連続性

連続な関数どうしの差として定義される関数もまた連続です。同様に、片側連続(右側連続・左側連続)な関数どうしの差として定義される関数もまた片側連続です。

関数の積の連続性

連続な関数どうしの積として定義される関数もまた連続です。同様に、片側連続(右側連続・左側連続)な関数どうしの積として定義される関数もまた片側連続です。

中間値の定理

有界な閉区間上に定義された連続関数が定義域の左右の端点において異なる値をとるとき、中間値の定理と呼ばれる命題が成立します。

最大値・最小値の定理

有界な閉区間上に定義された連続関数は定義域上の点において最大値や最小値を取ります。これを最大値・最小値の定理と呼びます。

連続関数による区間の像

有界な閉区間上に定義された連続関数による定義域の像もまた有界な閉区間になります。また、区間上に定義された連続関数による定義域の像もまた区間になります。

逆関数の連続性

区間上に定義された連続な狭義単調関数の逆関数もまた区間上に定義された連続な狭義単調関数になります。定義域が区間ではない場合、同様の主張は成り立つとは限りません。

関数に関するタルスキの不動点定理

有界閉区間上に定義された関数の値域が定義域の部分集合であるとともに、その関数が連続である場合や、単調増加である場合などには、その関数は不動点を持つことが保証されます。

CONTINUITY OF ELEMENTARY FUNCTIONS

初等関数の連続性

様々な初等関数が連続であることを示します。
UNIFORM CONTINUITY OF FUNCTIONS

一様連続関数

関数が一様連続であることの意味を定義します。

一様連続関数

1変数関数が一様連続であることの意味を定義するとともに、関数が一様連続であること、ないし一様連続ではないことを判定する方法について解説します。

数列を用いた関数の一様連続性の判定

1変数関数が一様連続であること、ないし一様連続ではないことを数列を用いて判定する方法を解説します。また、一様連続関数によるコーシー列の像はコーシー列になることを示します。

一様連続関数と連続関数の関係

一様連続な1変数関数は連続である一方、連続関数は一様連続であるとは限りません。ただ、連続関数の定義域がコンパクト集合である場合、その関数が一様連続であることが保証されます。

ABSOLUTE CONTINUITY OF FUNCTIONS

絶対連続関数

関数が絶対連続であることの意味を定義します。

絶対連続関数

有界閉区間上に定義された関数が絶対連続であることの意味を定義するとともに、関数が絶対連続であること、ないし絶対連続ではないことを判定する方法を解説します。

絶対連続関数と一様連続関数の関係

有界閉区間上に定義された絶対連続関数は一様連続であることが保証される一方で、一様連続関数は絶対連続関数であるとは限りません。一様連続関数は連続であるため、絶対連続関数は連続です。

LIPSCHITZ FUNCTION

リプシッツ関数

リプシッツ関数を定義します。

リプシッツ関数

リプシッツ関数(リプシッツ連続関数)の概念を定義するとともに、その意味を解説します。加えて、関数がリプシッツ連続であること、リプシッツ連続ではないことを判定する方法を解説します。

リプシッツ関数と絶対連続関数の関係

有界閉区間上に定義されたリプシッツ関数は絶対連続関数であることが保証される一方で、絶対連続関数はリプシッツ関数であるとは限りません。絶対連続関数は一様連続であり、一様連続関数は連続であるため、リプシッツ関数は一様連続かつ連続です。

BOUNDED VARIATION

有界変動関数

有界変動関数を定義します。

有界変動関数

関数の定義域である有界閉区間をどのような形で分割した場合においても、それぞれの小区間における関数の値の差の総和が有限な値に収まる場合、その関数は有界変動であると言います。

有界変動関数と有界関数の関係

有界変動関数は有界関数です。対偶より、有界ではない関数は有界変動関数ではありません。その一方で、有界関数は有界変動関数であるとは限りません。

有界変動関数の定数倍

有界変動関数の定数倍として定義される関数もまた有界変動です。さらに、もとの関数の全変動の定数倍をとれば、その関数の定数倍の全変動が得られます。

有界変動関数どうしの和

有界変動関数どうしの和として定義される関数もまた有界変動です。さらに、その関数の全変動は、個々の関数の全変動の和以下になります。

有界変動関数どうしの差

有界変動関数どうしの差として定義される関数もまた有界変動です。さらに、その関数の全変動は、個々の関数の全変動の和以下になります。

有界変動関数どうしの商

有界変動関数の逆数として定義される関数や、有界変動関数どうしの商として定義される関数が有界変動になるための条件を明らかにします。

有界変動関数の全変動の加法性

関数が有界閉区間上で有界変動であることと、それぞれの小区間において有界変動であることが必要十分です。しかも、それぞれの小区間における全変動の総和をとれば、もとの区間における全変動が得られます。

有界変動関数と連続関数の関係

有界閉区間上に定義された有界変動関数は連続であるとは限らず、逆に、連続関数は有界変動であるとは限りません。その一方で、有界変動関数はほとんどいたるところで連続です。

有界変動関数と絶対連続関数の関係

有界閉区間上に定義された絶対連続関数は有界変動関数ですが、有界変動関数は絶対連続関数であるとは限りません。また、絶対連続関数は2つの単調増加な連続関数の差として表されます。

UPPER LIMIT AND LOWER LIMIT OF FUNCTION

関数の上極限と下極限

関数の極限を一般化した上極限および下極限について解説します。

関数の上極限と下極限

関数の上極限と下極限を定義します。関数が局所有界である場合、その上極限と下極限がそれぞれ有限な実数として定まることが保証されます。

上極限と下極限を用いた関数の収束判定

関数の上極限と下極限が有限な実数として定まるとともに両者が一致することは、その関数が有限な実数へ収束するための必要十分条件です。しかもその場合、極限は上極限や下極限と一致します。

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

REQUIRED KNOWLEDGE

前提知識

本節の内容を理解する上で以下の知識が役に立ちます。

実数の定義

実数を無限小数として定義する場合、実数に関する議論はすべて無限小数に関する議論として行うことになり面倒です。そこで代替的な方法として公理主義的なアプローチのもとで実数を定義します。ここでは実数を特徴づける公理について解説します。

数列

実数を順番に並べたものを数列や実数列と呼びます。数列の項が先に進むにつれてある実数に限りなく近づく場合には、その数列は収束すると言い、その実数を数列の極限と呼びます。

数直線の位相

実数空間すなわち数直線の位相に関するテキストと演習問題です。実数空間上の開集合や閉集合など、位相を規定する概念について解説します。

ADVANCED KNOWLEDGE

発展知識

本節で得た知識は以下の分野を学ぶ上での基礎になります。

1変数関数の微分

1変数関数の微分の概念を定義した上で、微分の基本性質や初等関数の微分、平均値の定理、高階の微分、テイラーの定理などについて学びます。これらの知識は後に1変数関数を目的関数とする最適化について学ぶ上での基盤になります。

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