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関数による像と値域

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関数による要素の像

復習になりますが、関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、始集合の要素\(x\in X\)を任意に選ぶと、\(f\)はそれに対して実数\(f\left( x\right) \in \mathbb{R} \)を1つだけ定めます。これを\(f\)による\(x\)の(image)と呼びます。

例(関数による要素の像)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとして定義されているとき、\begin{eqnarray*}
f\left( 1\right) &=&1^{2}=1 \\
f\left( -1\right) &=&\left( -1\right) ^{2}=1 \\
f\left( \frac{1}{2}\right) &=&\left( \frac{1}{2}\right) ^{2}=\frac{1}{4}
\end{eqnarray*}などとなります。

例(関数による要素の像)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ -1\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ -1\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{x+1}
\end{equation*}を定めるものとします。例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( 0\right) &=&\frac{1}{0+1}=1 \\
f\left( \frac{1}{2}\right) &=&\frac{1}{\frac{1}{2}+1}=\frac{2}{3} \\
f\left( 1\right) &=&\frac{1}{1+1}=\frac{1}{2}
\end{eqnarray*}などとなります。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは、\begin{equation*}G\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y=f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}という\(X\times \mathbb{R} \)の部分集合として定義されるため、順序対\(\left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \)を任意に選ぶと、\begin{equation*}\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \Leftrightarrow y=f\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。つまり、順序対\(\left( x,y\right) \)が関数\(f\)のグラフの要素であることと、\(f\)による\(x\)の像が\(y\)であることは必要十分です。

 

関数による集合の像と値域

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、始集合の部分集合\(A\subset X\)を任意に選びます。\(f\)は\(A\)のそれぞれの要素\(x\)に対してその像\(f\left( x\right) \)を定めますが、これらの像をすべて集めてできる集合を、\begin{equation*}f\left( A\right) =\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in A\right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)による\(A\)の(image)と呼びます。それぞれの\(x\in A\)に対して\(f\left( x\right) \)は実数であるため、\(f\left(A\right) \)は\(\mathbb{R} \)の部分集合です。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)の始集合\(X\)は\(X\)自身の部分集合であるため、\(f\)による\(X\)の像\(f\left( X\right) \)を考えることもできます。これを\(f\)の値域(range)と呼び、\(R\left(f\right) \)と表記します。つまり、\begin{eqnarray*}R\left( f\right) &=&f\left( X\right) \quad \because \text{値域の定義} \\
&=&\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in X\right\} \quad \because \text{関数による像の定義}
\end{eqnarray*}です。

例(関数による集合の像と値域)
写像\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)のグラフは以下の通りです。

図:関数のグラフ
図:関数のグラフ

\(f\)による閉区間\(\left[ 0,1\right]\subset \mathbb{R} \)の像は、\begin{eqnarray*}f\left( \left[ 0,1\right] \right) &=&\left\{ x^{2}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ 0,1\right] \right\} \\
&=&\left[ 0,1\right] \end{eqnarray*}です。また、\(f\)による閉区間\(\left[ -1,2\right] \subset \mathbb{R} \)の像は、\begin{eqnarray*}f\left( \left[ -1,2\right] \right) &=&\left\{ x^{2}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ -1,2\right] \right\} \\
&=&\left[ 0,4\right] \end{eqnarray*}です。また、\(f\)による集合\(\left\{ 3\right\} \subset \mathbb{R} \)の像は、\begin{eqnarray*}f\left( \left\{ 3\right\} \right) &=&\left\{ x^{2}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left\{ 3\right\} \right\} \\
&=&\left\{ 9\right\}
\end{eqnarray*}です。また、\(f\)の値域は、\begin{eqnarray*}R\left( f\right) &=&f\left( \mathbb{R} \right) \\
&=&\left\{ x^{2}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \mathbb{R} \right\} \\
&=&\mathbb{R} _{+}
\end{eqnarray*}となります。ただし、\(\mathbb{R} _{+}\)はすべての非負の実数からなる集合です。

例(関数による集合の像と値域)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ -1\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ -1\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{x+1}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)のグラフは以下の通りです。

図:関数のグラフ
図:関数のグラフ

\(f\)による閉区間\(\left[ 0,1\right]\subset \mathbb{R} \)の像は、\begin{eqnarray*}f\left( \left[ 0,1\right] \right) &=&\left\{ \frac{1}{x+1}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ 0,1\right] \right\} \\
&=&\left[ \frac{1}{2},1\right] \end{eqnarray*}です。また、\(f\)による半開区間\((-1,0]\subset \mathbb{R} \)の像は、\begin{eqnarray*}f\left( (-1,0]\right) &=&\left\{ \frac{1}{x+1}\in \mathbb{R} \ |\ x\in (-1,0]\right\} \\
&=&[1,+\infty )
\end{eqnarray*}です。また、\(f\)による集合\(\left\{ -3\right\} \subset \mathbb{R} \)の像は、\begin{eqnarray*}f\left( \left\{ -3\right\} \right) &=&\left\{ \frac{1}{x+1}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left\{ -3\right\} \right\} \\
&=&\left\{ -\frac{1}{2}\right\}
\end{eqnarray*}です。また、\(f\)の値域は、\begin{eqnarray*}R\left( f\right) &=&f\left( \mathbb{R} \backslash \left\{ -1\right\} \right) \\
&=&\left\{ \frac{1}{x+1}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ -1\right\} \right\} \\
&=&\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\}
\end{eqnarray*}です。

例(関数による集合の像)
空集合は任意の集合の部分集合であるため、関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)による空集合\(\phi \subset X\)の像を考えることもできます。関数の集合の像の定義より、これは、\begin{equation*}f(\phi )=\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in \phi \right\}
\end{equation*}となりますが、\(x\in \phi \)は恒偽式であるため\(f\left(\phi \right) =\phi \)となります。つまり、関数による空集合の像は空集合です。

繰り返しになりますが、関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)による始集合の部分集合\(A\subset X\)の像は、\begin{equation*}f\left( A\right) =\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in A\right\}
\end{equation*}と定義されるため、任意の要素\(y\in \mathbb{R} \)について、\begin{eqnarray*}y\in f\left( A\right) &\Leftrightarrow &\exists x\in A:y=f\left( x\right)
\quad \because f\left( A\right) \text{の定義} \\
&\Leftrightarrow &\exists x\in A:\left( x,y\right) \in G\left( f\right)
\quad \because G\left( f\right) \text{の定義}
\end{eqnarray*}という関係が成り立ちます。以上を踏まえると、\(f\)による\(A\subset X\)の像を、\begin{eqnarray*}f\left( A\right) &=&\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in A\right\} \\
&=&\left\{ y\in \mathbb{R} \ |\ \exists x\in A:y=f\left( x\right) \right\} \\
&=&\left\{ y\in \mathbb{R} \ |\ \exists x\in A:\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \right\}
\end{eqnarray*}などと様々な形で表現できます。特に、\(A=X\)の場合には、\begin{eqnarray*}R\left( f\right) &=&f\left( X\right) \\
&=&\left\{ f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in X\right\} \\
&=&\left\{ y\in \mathbb{R} \ |\ \exists x\in X:y=f\left( x\right) \right\} \\
&=&\left\{ y\in \mathbb{R} \ |\ \exists x\in X:\left( x,y\right) \in G\left( f\right) \right\}
\end{eqnarray*}となり、\(f\)の値域\(R\left( f\right) \)を上のように様々な形で表現できます。

 

演習問題

問題(関数の値域)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =3-\left\vert x\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の値域\(R\left( f\right) \)を求めてください。
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問題(関数の値域)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{3}-x
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の値域\(R\left( f\right) \)を求めてください。
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問題(関数の値域)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{12}{x}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の値域\(R\left( f\right) \)を求めてください。
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問題(関数による像)
写像\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。\(X=\mathbb{R} \)の場合の\(f\)の値域と、\(X=\mathbb{Z} \)の場合の\(f\)の値域をそれぞれ求めてください。ただし、\(\mathbb{R} \)はすべての実数からなる集合、\(\mathbb{Z} \)はすべての整数からなる集合です。
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問題(関数による像)
写像\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。このとき、\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ f\left( \left[ 1,2\right] \right) \\
&&\left( b\right) \ f\left( \left( 1,2\right) \right) \\
&&\left( c\right) \ f\left( \left[ -1,1\right] \right) \\
&&\left( d\right) \ f\left( \left( -1,1\right) \right)
\end{eqnarray*}をそれぞれ求めてください。

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問題(関数による像)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}+1
\end{equation*}を定めるものとします。このとき、\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ f\left( \left\{ -1,0,1\right\} \right) \\
&&\left( b\right) \ f\left( \left( -2,2\right) \right) \\
&&\left( c\right) \ f\left( \mathbb{R} \right)
\end{eqnarray*}をそれぞれ求めてください。

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次回は関数による要素の逆像や集合の逆像、関数の定義域などについて解説します。

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