教材一覧
教材検索
FUNCTION

対数関数の極限

目次

< 前のページ
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有

対数関数の極限

\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、\(a\)を底とする対数関数\begin{equation*}\log _{a}:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}について考えます。\(\log _{a}\)が点\(b\in \mathbb{R} _{++}\)の周辺の任意の点において定義されている場合、\(x\rightarrow b\)のときに\(\log _{a}\)は有限な実数へ収束するとともに、そこでの極限は、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b}\log _{a}\left( x\right) =\log _{a}\left( b\right)
\end{equation*}となります。

命題(対数関数の極限)

\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、対数関数\(\log _{a}:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(\log _{a}\)が点\(b\in \mathbb{R} _{++}\)の周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b}\log _{a}\left( x\right) =\log _{a}\left( b\right)
\end{equation*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(対数関数の極限)
対数関数は\(\mathbb{R} _{++}\)上に定義可能であるため、\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、関数\(\log _{a}:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} _{++}\)は開集合であるため、点\(b\in \mathbb{R} _{++}\)を任意に選んだとき、\(\log _{a}\)は点\(b\)の周辺の任意の点において定義されているため、上の命題より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b}\log _{a}\left( x\right) =\log _{a}\left( b\right)
\end{equation*}が成り立ちます。つまり、\(\mathbb{R} _{++}\)上に定義された対数関数は定義上の任意の点において有限な極限を持つということです。
例(自然対数関数の極限)
自然対数関数\(\ln :\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は特別な対数関数であるため、\(\ln \)が点\(a\in \mathbb{R} _{++}\)の周辺の任意の点において定義されているならば、上の命題より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow a}\ln \left( x\right) =\ln \left( a\right)
\end{equation*}が成り立ちます。

例(対数関数の極限)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x^{2}+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}+1\)と自然対数関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、多項式関数の極限より、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow a}\left( x^{2}+1\right) =a^{2}+1 \quad \cdots (1)
\end{equation}が成り立ちます。\(a^{2}+1>1\)であるため、自然対数関数\(\ln \left( x\right) \)は点\(a^{2}+1\)の周辺の任意の点において定義されています。したがって自然対数関数の極限より、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow a^{2}+1}\ln \left( x\right) =\ln \left( a^{2}+1\right)
\quad \cdots (2)
\end{equation}が成り立ちます(関数\(\ln \left( x\right) \)は点\(a^{2}+1\)において連続)。したがって、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow a}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow a}\ln \left(
x^{2}+1\right) \quad \because f\text{の定義} \\
&=&\ln \left( a^{2}+1\right) \quad \because \left( 1\right) ,\left( 2\right)
\text{および合成関数の極限}
\end{eqnarray*}となります。

 

対数関数の片側極限

先の命題を踏まえると、片側極限に関する以下の命題が得られます。

命題(対数関数の片側極限)
\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、対数関数\(\log _{a}:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(\log _{a}\)が点\(b\in \mathbb{R} _{++}\)より大きい周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b+}\log _{a}\left( x\right) =\log _{a}\left( b\right)
\end{equation*}が成り立つ。また、\(\log _{a}\)が点\(b\in \mathbb{R} _{++}\)より小さい周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b-}\log _{a}\left( x\right) =\log _{a}\left( b\right)
\end{equation*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

対数関数\(\log _{a}\)は\(\mathbb{R} _{++}\)上に定義可能であるため\(x\rightarrow 0+\)のときの右側極限について考えることができますが、対数関数は任意の実数を値としてとるとともに、\(a>1\)の場合には狭義単調増加関数であり、\(1>a>0\)の場合には狭義単調減少関数であることを踏まえると、以下が成り立つことが示されます。

命題(対数関数の片側極限)
\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、対数関数\(\log _{a}:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(\log _{a}\)が点\(0\)より大きい周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow +0}\log _{a}\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cl}
-\infty & \left( if\ a>1\right) \\
+\infty & \left( if\ 0<a<1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(対数関数の片側極限)
区間上に対数関数\(\log _{\frac{1}{2}}:\mathbb{R} \supset \left( 0,1\right) \rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。点\(a\in\left( 0,1\right) \)を任意に選んだとき、対数関数の極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow a}\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) =\log _{\frac{1}{2}}\left( a\right)
\end{equation*}が成り立ちます。点\(0\)においては、底\(\frac{1}{2}\)が\(1\)より小さいため、対数関数の右側極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0+}\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) =+\infty
\end{equation*}が成り立ち、点\(1\)においては、対数関数の左側極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 1-}\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) =\log _{\frac{1}{2}}\left( 1\right) =0
\end{equation*}が成り立ちます。

例(自然対数関数の片側極限)
区間上に定義された自然対数関数\(\ln :\mathbb{R} \supset \left( 0,1\right) \rightarrow \mathbb{R} \)について考えます。点\(a\in \left( 0,1\right) \)を任意に選んだとき、対数関数の極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow a}\ln \left( x\right) =\ln \left( a\right)
\end{equation*}が成り立ちます。点\(0\)においては、ネイピア数\(e\)は\(1\)より大きいため、対数関数の右側極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0+}\ln \left( x\right) =-\infty
\end{equation*}が成り立ち、点\(1\)においては、対数関数の左側極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 1-}\ln \left( x\right) =\ln \left( 1\right) =0
\end{equation*}が成り立ちます。

 

対数関数の無限大における極限

対数関数\(\log _{a}\)は\(\mathbb{R} _{++}\)上に定義可能であるため正の無限大における極限について考えることができますが、対数関数は任意の実数を値としてとるとともに、\(a>1\)の場合には狭義単調増加関数であり、\(1>a>0\)の場合には狭義単調減少関数であることを踏まえると、以下が成り立つことが示されます。

命題(対数関数の片側極限)
\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、対数関数\(\log _{a}:\mathbb{R} _{++}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(\log _{a}\)が限りなく大きい任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow +\infty }\log _{a}\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cl}
+\infty & \left( if\ a>1\right) \\
-\infty & \left( if\ 0<a<1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(自然対数関数の無限大における極限)
自然対数関数\(\ln :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、ネイピア数は\(e>1\)を満たすため、上の命題より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow +\infty }\ln \left( x\right) =+\infty
\end{equation*}が成り立ちます。

例(対数関数の無限大における極限)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x^{2}+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}+1\)と自然対数関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数であることに注意してください。多項式関数の無限大における極限より、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow +\infty }\left( x^{2}+1\right) =+\infty \quad \cdots (1)
\end{equation}が成り立ちます。関数\(\ln \left( x\right) \)は限りなく大きい任意の点において定義されているため、自然対数関数の無限大における極限より、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow +\infty }\ln \left( x\right) =+\infty \quad \cdots (2)
\end{equation}が成り立ちます。したがって、\begin{eqnarray*}
\lim_{x\rightarrow +\infty }f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow +\infty
}\ln \left( x^{2}+1\right) \quad \because f\text{の定義} \\
&=&+\infty \quad \because \left( 1\right) ,\left( 2\right) \text{および合成関数の極限}
\end{eqnarray*}となります。

 

演習問題

問題(対数関数の極限)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( x^{2}-9\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\begin{equation*}
X=\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ x<-3\vee x>3\right\}
\end{equation*}です。このとき、\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ \lim_{x\rightarrow 3+}f\left( x\right) \\
&&\left( b\right) \ \lim_{x\rightarrow 3-}f\left( x\right) \\
&&\left( c\right) \ \lim_{x\rightarrow +\infty }f\left( x\right) \\
&&\left( d\right) \ \lim_{x\rightarrow +\infty }f\left( x\right)
\end{eqnarray*}をそれぞれ求めてください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

次回はベキ関数の極限について解説します。

< 前のページ
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有
RELATED KNOWLEDGE

関連知識

ネイピア数

対数関数

指数関数の逆関数を対数関数と呼びます。特に、自然指数関数の逆関数を自然対数関数と呼びます。対数関数は狭義単調関数です。

DISCUSSION

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

関数