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絶対値関数

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絶対値関数

関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert =\left\{
\begin{array}{ll}
x & \left( if\ x>0\right) \\
0 & \left( if\ x=0\right) \\
-x & \left( if\ x<0\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるとき、\(f\)を絶対値関数(absolute value function)と呼びます。つまり、絶対値関数とは入力した\(x\)に対してその絶対値\(\left\vert x\right\vert \)を返す関数です。

例(絶対値関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が絶対値関数であるとき、例えば、\begin{eqnarray*}f\left( 1\right) &=&\left\vert 1\right\vert =1 \\
f\left( 0\right) &=&\left\vert 0\right\vert =0 \\
f\left( -1\right) &=&\left\vert -1\right\vert =1
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

 

ベキ関数としての絶対値関数

関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( x^{2}\right) ^{\frac{1}{2}}=\sqrt{x^{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。この\(f\)は関数\(y=x^{2}\)と無理関数\(y^{\frac{1}{2}}\)の合成関数です。無理関数\(y^{\frac{1}{2}}\)は\(\mathbb{R} _{+}\)上に定義可能です。一方、関数\(x^{2}\)は\(\mathbb{R} \)上に定義可能であり、なおかつ非負の実数を値としてとるため、\(x^{2}\)の値域は\(y^{\frac{1}{2}}\)の定義域と一致します。したがって、上の合成関数\(f\)が定義可能です。さらに、この関数\(f\)は絶対値関数と一致します。

命題(ベキ関数としての絶対値関数)
関数\(f,g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}f\left( x\right) &=&\sqrt{x^{2}} \\
g\left( x\right) &=&\left\vert x\right\vert
\end{eqnarray*}を定めるものとする。このとき\(f=g\)が成り立つ。
証明

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絶対値関数との合成関数

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を任意に選びます。絶対値関数は\(\mathbb{R} \)上に定義可能であるため、これを\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)で表記します。\(g\left( x\right)=\left\vert x\right\vert \)です。\(f\)の値域は明らかに\(g\)の定義域の部分集合であることから合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) &=&g\left( f\left( x\right) \right)
\quad \because \text{合成関数の定義} \\
&=&\left\vert f\left( x\right) \right\vert \quad \because g\text{の定義} \\
&=&\sqrt{\left[ f\left( x\right) \right] ^{2}}\quad \because \text{ベキ関数としての絶対値関数}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(多項式関数との合成)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は多項式関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、非負の整数\(m\in \mathbb{Z} _{+}\)と実数\(c_{k}\ \left( k=0,1,\cdots ,m\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sum_{k=0}^{m}c_{k}x^{k}
\end{equation*}で表されるということです。先の議論より、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =\left\vert f\left( x\right) \right\vert =\left\vert
\sum_{k=0}^{m}c_{k}x^{k}\right\vert
\end{equation*}を定める関数\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。これは多項式関数\(y=f\left( x\right) \)と絶対値関数\(\left\vert y\right\vert \)の合成関数です。例えば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =\left\vert 3x^{3}-2x^{2}+x+1\right\vert
\end{equation*}を定める関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はこのような合成関数の例です。
例(有理関数との合成)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は有理関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、多項式関数である\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)と\(h:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }
\end{equation*}で表されるということです。先の議論より、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}i\left( x\right) =\left\vert f\left( x\right) \right\vert =\left\vert \frac{g\left( x\right) }{h\left( x\right) }\right\vert
\end{equation*}を定める関数\(i:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。これは有理関数\(y=f\left( x\right) \)と絶対値関数\(\left\vert y\right\vert \)の合成関数です。例えば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert \frac{2x+1}{\left( 1-x\right) ^{3}}\right\vert
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はこのような合成関数の例です。

 

演習問題

問題(絶対値関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x-3\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定した上で、その\(X\)のもとでの値域\(f\left( X\right) \)を求めてください。
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問題(絶対値関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =1-\left\vert x-7\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定した上で、その\(X\)のもとでの値域\(f\left( X\right) \)を求めてください。
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次回から三角関数について学びます。

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