指数関数の連続性
指数関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、\(a\not=1\)かつ\(a>0\)を満たす定数\(a\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}と表されるということです。
点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において連続であることが保証されます。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において連続です。
命題(指数関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、\(a\not=1\)かつ\(a>0\)を満たす定数\(a\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}と表されるものとする。点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において連続である。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において連続である。
\end{equation*}と表されるものとする。点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において連続である。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において連続である。
例(自然指数関数の連続性)
以下の関数\begin{equation*}
e^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}は指数関数であるため、先の命題より、\(e^{x}\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
e^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}は指数関数であるため、先の命題より、\(e^{x}\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(指数関数の連続性)
以下の関数\begin{equation*}
2^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}は指数関数であるため、先の命題より、\(2^{x}\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
2^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}は指数関数であるため、先の命題より、\(2^{x}\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(指数関数の連続性)
以下の関数\begin{equation*}
\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}は指数関数であるため、先の命題より、\(\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}は指数関数であるため、先の命題より、\(\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(指数関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =3^{x+2}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x+2\)と指数関数\(3^{x}\)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、多項式関数の連続性より\(x+2\)は点\(a\)において連続です。\(a+2\in \mathbb{R} \)であるため、指数関数の連続性より\(3^{x}\)は点\(a+2\)において連続です。したがって、合成関数の連続性より\(3^{x+2}\)すなわち\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \)上の任意の点において同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x+2\)と指数関数\(3^{x}\)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、多項式関数の連続性より\(x+2\)は点\(a\)において連続です。\(a+2\in \mathbb{R} \)であるため、指数関数の連続性より\(3^{x}\)は点\(a+2\)において連続です。したがって、合成関数の連続性より\(3^{x+2}\)すなわち\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \)上の任意の点において同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(指数関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{\frac{2x+1}{x-1}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数\(\frac{2x+1}{x-1}\)と指数関数\(e^{x}\)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)を任意に選んだとき、有理関数の連続性より\(\frac{2x+1}{x-1}\)は点\(a\)において連続です。\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)ゆえに\(\frac{2a+1}{a-1}\in \mathbb{R} \)であるため、指数関数の連続性より\(e^{x}\)は点\(\frac{2a+1}{a-1}\)において連続です。したがって、合成関数の連続性より\(e^{\frac{2x+1}{x-1}}\)すなわち\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)上の任意の点において同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)上で連続です。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数\(\frac{2x+1}{x-1}\)と指数関数\(e^{x}\)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)を任意に選んだとき、有理関数の連続性より\(\frac{2x+1}{x-1}\)は点\(a\)において連続です。\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)ゆえに\(\frac{2a+1}{a-1}\in \mathbb{R} \)であるため、指数関数の連続性より\(e^{x}\)は点\(\frac{2a+1}{a-1}\)において連続です。したがって、合成関数の連続性より\(e^{\frac{2x+1}{x-1}}\)すなわち\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)上の任意の点において同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)上で連続です。
指数関数の片側連続性
片側連続性についても同様の命題が成り立ちます。
命題(指数関数の片側連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、\(a\not=1\)かつ\(a>0\)を満たす定数\(a\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}と表されるものとする。点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において右側連続である。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において右側連続である。点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において左側連続である。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において左側連続である。
\end{equation*}と表されるものとする。点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において右側連続である。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において右側連続である。点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)において左側連続である。したがって、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において左側連続である。
例(指数関数の片側連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cl}
1 & \left( if\ x\leq 0\right) \\
e^{x} & \left( if\ 0<x<1\right) \\
e & \left( if\ x\geq 1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします。\(a<0\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、その周辺の任意の点\(x\in \mathbb{R} \)において\(f\left( x\right) =1\)であるため、定数関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。また、点\(0\in \mathbb{R} \)において、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 0-}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 0-}1\quad
\because x<0\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&1\quad \because \text{定数関数の片側極限} \\
&=&f\left( 0\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(0\)において左側連続です。その一方で、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 0+}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 0+}e^{x}\quad
\because x>0\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&e^{0}\quad \because \text{指数関数の片側極限} \\
&=&1 \\
&=&f\left( 0\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(0\)において右側連続です。つまり、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0-}f\left( x\right) =\lim_{x\rightarrow 0+}f\left(
x\right) =f\left( 0\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は点\(0\)において連続です。また、\(0<a<1\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、その周辺の任意の点\(x\in \mathbb{R} \)において\(f\left( x\right) =e^{x}\)であるため、指数関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。点\(1\in \mathbb{R} \)において、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 1-}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 1-}e^{x}\quad
\because x<1\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&e^{1}\quad \because \text{指数関数の片側極限} \\
&=&e \\
&=&f\left( 1\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(1\)において左側連続です。その一方で、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 1+}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 1+}e\quad
\because x>1\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&e\quad \because \text{定数関数の片側極限} \\
&=&f\left( 1\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(1\)において右側連続です。つまり、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 1-}f\left( x\right) =\lim_{x\rightarrow 1+}f\left(
x\right) =f\left( 1\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は点\(1\)において連続です。また、\(a>1\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、その周辺の任意の点\(x\in \mathbb{R} \)において\(f\left( x\right) =e\)であるため、定数関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。以上より、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続であることが明らかになりました。
\begin{array}{cl}
1 & \left( if\ x\leq 0\right) \\
e^{x} & \left( if\ 0<x<1\right) \\
e & \left( if\ x\geq 1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします。\(a<0\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、その周辺の任意の点\(x\in \mathbb{R} \)において\(f\left( x\right) =1\)であるため、定数関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。また、点\(0\in \mathbb{R} \)において、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 0-}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 0-}1\quad
\because x<0\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&1\quad \because \text{定数関数の片側極限} \\
&=&f\left( 0\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(0\)において左側連続です。その一方で、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 0+}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 0+}e^{x}\quad
\because x>0\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&e^{0}\quad \because \text{指数関数の片側極限} \\
&=&1 \\
&=&f\left( 0\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(0\)において右側連続です。つまり、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0-}f\left( x\right) =\lim_{x\rightarrow 0+}f\left(
x\right) =f\left( 0\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は点\(0\)において連続です。また、\(0<a<1\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、その周辺の任意の点\(x\in \mathbb{R} \)において\(f\left( x\right) =e^{x}\)であるため、指数関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。点\(1\in \mathbb{R} \)において、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 1-}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 1-}e^{x}\quad
\because x<1\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&e^{1}\quad \because \text{指数関数の片側極限} \\
&=&e \\
&=&f\left( 1\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(1\)において左側連続です。その一方で、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow 1+}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow 1+}e\quad
\because x>1\text{および}f\text{の定義}
\\
&=&e\quad \because \text{定数関数の片側極限} \\
&=&f\left( 1\right) \quad \because f\text{の定義}
\end{eqnarray*}であるため、\(f\)は点\(1\)において右側連続です。つまり、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 1-}f\left( x\right) =\lim_{x\rightarrow 1+}f\left(
x\right) =f\left( 1\right)
\end{equation*}が成り立つため、\(f\)は点\(1\)において連続です。また、\(a>1\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、その周辺の任意の点\(x\in \mathbb{R} \)において\(f\left( x\right) =e\)であるため、定数関数の連続性より\(f\)は点\(a\)において連続です。以上より、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続であることが明らかになりました。
演習問題
問題(指数関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 2\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 2\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{\frac{x-3}{x-2}}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)が連続である点をすべて明らかにしてください。
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)が連続である点をすべて明らかにしてください。
問題(指数関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cc}
x^{2}-e^{x} & \left( if\ x<0\right) \\
x-1 & \left( if\ x\geq 0\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)が連続である点をすべて明らかにしてください。
\begin{array}{cc}
x^{2}-e^{x} & \left( if\ x<0\right) \\
x-1 & \left( if\ x\geq 0\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)が連続である点をすべて明らかにしてください。
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