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自然数ベキ関数

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自然数ベキ関数

多項式関数は全区間\(\mathbb{R} \)上に定義可能であるため、自然数\(n\in \mathbb{N} \)を任意に選んだとき、全区間上に以下のような多項式関数\begin{equation*}x^{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を定義できます。これを自然数ベキ関数(power functions with natural eponents)と呼びます。ベキ関数は累乗関数(power function)と呼ばれることもあります。

例(自然数ベキ関数)
\(2\)は自然数であるため、\(2\)次の自然数ベキ関数\begin{equation*}x^{2}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。この関数のグラフは以下の通りです。

図:自然数ベキ関数
図:自然数ベキ関数

例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( -1\right) &=&\left( -1\right) ^{2}=1 \\
f\left( -\frac{1}{2}\right) &=&\left( -\frac{1}{2}\right) ^{2}=\frac{1}{4} \\
f\left( 0\right) &=&0^{2}=0 \\
f\left( \frac{1}{2}\right) &=&\left( \frac{1}{2}\right) ^{2}=\frac{1}{4} \\
f\left( 1\right) &=&1^{2}=1
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(自然数ベキ関数)
\(3\)は自然数であるため、\(3\)次の自然数ベキ関数\begin{equation*}x^{3}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。この関数のグラフは以下の通りです。

図:自然数ベキ関数
図:自然数ベキ関数

例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( -1\right) &=&\left( -1\right) ^{3}=-1 \\
f\left( -\frac{1}{2}\right) &=&\left( -\frac{1}{2}\right) ^{3}=-\frac{1}{8}
\\
f\left( 0\right) &=&0^{3}=0 \\
f\left( \frac{1}{2}\right) &=&\left( \frac{1}{2}\right) ^{3}=\frac{1}{8} \\
f\left( 1\right) &=&1^{3}=1
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(自然数ベキ関数)
\(4\)は自然数であるため、\(4\)次の自然数ベキ関数\begin{equation*}x^{4}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。この関数のグラフは以下の通りです。

図:自然数ベキ関数
図:自然数ベキ関数

例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( -1\right) &=&\left( -1\right) ^{4}=1 \\
f\left( -\frac{1}{2}\right) &=&\left( -\frac{1}{2}\right) ^{4}=\frac{1}{16}
\\
f\left( 0\right) &=&0^{4}=0 \\
f\left( \frac{1}{2}\right) &=&\left( \frac{1}{2}\right) ^{4}=\frac{1}{16} \\
f\left( 1\right) &=&1^{4}=1
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(自然数ベキ関数)
一辺の長さが\(x\in \mathbb{R} _{+}\)の正方形の面積は、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}となります。この関数\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)は自然数ベキ関数です。
例(自然数ベキ関数)
一辺の長さが\(x\in \mathbb{R} _{+}\)の立方体の体積は、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{3}
\end{equation*}となります。この関数\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)は自然数ベキ関数です。
例(自然数ベキ関数)
物体を初速度\(0\)で自由落下させます。経過時間(秒)が\(x\in \mathbb{R} _{+}\)であるときの物体の移動距離(メートル)は、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{2}gx^{2}
\end{equation*}となります。ただし、\(g\)は重力加速度を表す定数であり、地球上の場所によってわずかに異なりますが、ほぼ\(9.8\)です。この関数\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)は自然数ベキ関数\(x^{2}\)の定数倍(\(\frac{1}{2}g\)倍)です。

 

自然数ベキ関数の狭義単調性

自然数ベキ関数\(x^{n}\)は次数に相当する自然数\(n\)の偶奇によって狭義単調関数であるための条件が以下のように変化します。

命題(自然数ベキ関数の狭義単調性)
自然数\(n\in \mathbb{N} \)を任意に選んだ上で、自然数ベキ関数\(x^{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(n\)が奇数である場合には、\(x^{n}\)は\(\mathbb{R} \)上で狭義単調増加関数である。\(n\)が偶数である場合には、\(x^{n}\)は\(\mathbb{R} _{-}\)上で狭義単調減少であり、\(\mathbb{R} _{+}\)上で狭義単調増加である。
証明

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自然数ベキ関数の値域

自然数ベキ関数\(x^{n}\)の値域は次数に相当する自然数\(n\)の偶奇によって以下のように変化します。証明では後に導入する関数の極限連続性の概念を利用します。

命題(自然数ベキ関数の値域)
自然数\(n\in \mathbb{N} \)を任意に選んだ上で、自然数ベキ関数\(x^{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(n\)が奇数である場合には、\(x^{n}\)の値域は\(\mathbb{R} \)である。\(n\)が偶数である場合には、\(x^{n}\)の値域は\(\mathbb{R} _{+}\)である。
証明

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例(自然数ベキ関数)
関数\(x^{2}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下の通りです。

図:自然数ベキ関数
図:自然数ベキ関数

この関数\(x^{2}\)は次数が偶数であるような自然数ベキ関数であるため値域は\(\mathbb{R} _{+}\)であり、\(\mathbb{R} _{-}\)上で狭義単調減少であり、\(\mathbb{R} _{+}\)上で狭義単調増加です。上のグラフは以上の事実と整合的です。

例(自然数ベキ関数)
関数\(x^{3}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下の通りです。

図:自然数ベキ関数
図:自然数ベキ関数

この関数\(x^{3}\)は次数が奇数であるような自然数ベキ関数であるため値域は\(\mathbb{R} \)であり、\(\mathbb{R} \)上で狭義単調増加です。上のグラフは以上の事実と整合的です。

 

自然数ベキ関数との合成関数

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を任意に選びます。また、全区間上に定義された自然数ベキ関数を\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)で表記します。\(g\left( x\right)=x^{n}\)です。\(f\)の値域は明らかに\(g\)の定義域\(\mathbb{R} \)の部分集合であることから合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が常に定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) &=&g\left( f\left( x\right) \right)
\quad \because g\circ f\text{の定義} \\
&=&\left[ f\left( x\right) \right] ^{n}\quad \because g\text{の定義}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(多項式関数との合成)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は多項式関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、非負の整数\(m\in \mathbb{Z} _{+}\)と実数\(c_{k}\ \left( k=0,1,\cdots ,m\right) \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =c_{0}+c_{1}x+c_{2}x^{2}+\cdots +c_{n}x^{n}
\end{equation*}で表されるということです。先の議論より、自然数\(n\in \mathbb{N} \)を任意に選んだとき、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =\left[ c_{0}+c_{1}x+c_{2}x^{2}+\cdots +c_{n}x^{n}\right] ^{n}
\end{equation*}を値として定める関数\(g:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。これは多項式関数\(f\left( x\right) \)と自然数ベキ関数\(x^{n}\)の合成関数です。例えば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =\left( 3x^{3}-2x^{2}+x+1\right) ^{3}
\end{equation*}を定める関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はこのような合成関数の例です。
例(有理関数との合成)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)はともに多項式関数であるものとします。先の議論より、自然数\(n\in \mathbb{N} \)を任意に選んだとき、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}h\left( x\right) =\left[ \frac{f\left( x\right) }{g\left( x\right) }\right] ^{n}
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。これは有理関数\(\frac{f\left( x\right) }{g\left( x\right) }\)と自然数ベキ関数\(x^{n}\)の合成関数です。例えば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left[ \frac{2x+1}{\left( 1-x\right) ^{3}}\right] ^{4}
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はこのような合成関数の例です。

 

演習問題

問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( -x^{2}-4x+7\right) ^{5}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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問題(関数の定義域)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( \frac{x-4}{x^{2}-2x-15}\right) ^{3}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)の定義域\(X\)となり得る最大の集合を特定してください。
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問題(自然数ベキ関数の逆関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{n}
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(n\in \mathbb{N} \)です。逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)は存在するとは限らないことを示してください。
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問題(自然数ベキ関数の逆関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{n}
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(n\in \mathbb{N} \)です。\(f\)の定義域を\(\mathbb{R} _{+}\)に縮小して\(f:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)とした場合、\(f\)は狭義単調増加関数であることを\(n\)に関する数学的帰納法によって証明してください。
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次回は整数ベキ関数について学びます。

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